December 28, 2006

年賀状(紙)、やめてみます(ブログで代替)

年賀はがきの売れ行きが前年比7%減、ピークの04年比で15%減だそうで

年賀状 歯止め利かない発行枚数減 07年は前年比7%(12月19日 毎日新聞) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061219-00000015-maip-soci

私も、今年は年賀状を書くのをやめてみることにいたしました。

小学生のときは友達ごとに一枚一枚違うネタを考えて送ったりしてたんですが、社会人になって千枚もになってくると、宛名も内容も印刷にせざるを得ないですし、はがきに盛り込める情報量も、たかが知れてます。
私から年賀状を喜んでいただけるかというと・・・そういう気もあまりしません。(年賀状が届かないのを「けしからん」と思う方がいらっしゃるかどうかはさておき。)

メールで年賀状、というのも考えたのですが、欲してらっしゃらない方々に大量にメールをバラ撒くというのも、よく考えると、一種の(軽い)「スパム」ですよね。

私がmixiやgreeなどのSNSに登録させていただいている方というのは、今のところ若めの方中心で、「年賀状を出さないといけない義理のある方の集合」とあまり一致していないんですが、年賀状もSNS(+ブログや日記)で代替という人も、今年あたりからいらっしゃるんじゃないかと妄想。

ということで、今年は、「オンデマンド」という聞こえのいい名の下に、ブログの記事で年賀状を代替させていただきたいと思います。

(絶対ブログを読んでらっしゃらなさそうな方とか、とりわけ何かお伝えしたい方には、一部補完的に、はがきやメールでご挨拶させていただくことがあるかも知れません。)

(ではまた。)

December 27, 2006

アルファブロガーを探せ2006

(徳力さんに「告知しまーす」と言ったきり、バタバタしていて遅くなりましたが、)

第1回目に恐れ多くも私も認定いただいた「アルファブロガー」投票企画ですが、今年も第3回をやってらっしゃいます。

アルファブロガーを探せ 2006 
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URLは、こちら。
http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=1908

2007年1月20日(土)まで投票してるそうです。

(ご参考まで。)

December 26, 2006

会計基準激変の時代に必要とされる開示姿勢とは、どんなもんでしょ?(日興コーディアルのSPC取引を考える)

日興コーディアルグループの会長・社長が退陣することになりました。しかし、投資に関わる方々には、大きな「宿題」が残されたんじゃないかと思います。

今回の件で、マスコミの方から、
「結局、日興コーディアルのSPCは、会計上、証券等監視委員会の言うように連結すべきだったんですか?それとも、連結は必要なかったんですか?」
という質問を何件もいただきました。

今回の件は、そもそもEB債の発行日が間違っていたので、不適切な会計処理だったことは間違いないところですが、証券等監視委員会は、それだけではなく、「そもそも連結すべきだった」というご見解のようです。

発行登録追補書類の虚偽記載に係る証券取引等監視委員会からの勧告について(日興コーディアルグループ)
http://www.nikko.jp/GRP/news/2006/pdf/061219_02.pdf

もちろん、今現在は、ファンドやSPC等については連結しとけば間違いないわけですが、2004年当時、(発行日を偽装しなかったという前提で)必ず連結しないといけなかったのか、課徴金を課されたり、監理ポストに入れられるほどのことだったのか?、というと「微妙」じゃないかと思います。

ということで、今回は、「日興さんは、どういう開示をすればよかったのか」について考えてみたいと思います。
(ただし、話がややこしくなるので、EB債の発行時期がずれている問題はなかったとして、どういう会計処理が望ましかったのか?という前提で。)


そもそも会計とはどういった性質のものか
記者の方からのご質問からは、
「会計基準に従えば、企業の財務諸表の数字は、必ずたった一つの値に定まるはず。」
「そのたった一つの値から大きくはずれていたら、イコールそれは粉飾だ。」
というニュアンスを感じます。

しかし、以前も書かせていただいたとおり、会計というのは、企業活動の森羅万象を数字に落とし込もうという「写像」であって、元の事象と会計上の数字の対応は、「1対1」ではなく「1対n」の対応関係になります。つまり、もともと、「当期純利益」といった数字が、必ずピシッと一つの数字に定まる、というような性質のものではありません。

(丸い地球を2次元の地図に落としこむと、大西洋が裂けたり、グリーンランドが大きくなったり、最短距離が曲線になっちゃったり、というのと同じ。)

具体的に言うと、投資を複数年の費用に按分する「減価償却」にしても、定率法や定額法といった複数の方法が許容されており、実態としてはまったく同じ内容の投資をしたとしても、会社によって赤字になることもあれば黒字になることもあります。

もちろん、一定に定まらないから何やってもいいというわけではなくて、継続性の原則(コロコロ方針を変えるな)とか、保守主義の原則(利益は控えめに)といった基本的な考え方や、それに基づく明文の規定に従って財務諸表が作成されるわけです。

通常は、地図を使うのに3次元を2次元に落とし込むことによる不都合は感じないわけですが、問題になるのは、「大西洋の切れ目」のあたりや、「グリーンランド」あたりの処理の場合。


今回の処理の問題点
今回、NPIホールディングス(NPIH)が連結されなかったことが問題にされてますが、(不思議に思われる方もいらっしゃるかと思いますが)、その下にぶらさがっているベルシステム24も連結しろ、という話にはなっていません。
ベルシステム24は、黒字でしたので、連結すれば(当該中間期はさておき)、保有する間、利益は出ます。以前書いたとおり、評価時点での「含み」もある。

昔からの連結では、「証券会社+コールセンター」といった業種の違う財務諸表の数値を単純に足しあわせると、個々の科目の持つ意味は失われて、同業他社との比較や期間比較もわけがわからなくなるので、一次保有(キャピタルゲイン狙い)の企業については、必ずしも何でも連結すりゃいいってもんじゃない、という考え方もありました。
(エンロン事件以降、この考え方は変わって来ているわけですが、日本の2004年というのは、移り変わりの時期ではなかったかと思います。)

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2004年当時は、「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する監査上の取扱い(監査委員会報告第60号)」(平成10年12月8日、最終改正平成14年4月16日)にある、

(6) 他の会社の意思決定機関を支配していることに該当する要件を満たしていても、財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて他の会社の意思決定機関を支配していないことが明らかであると認められる場合(財務諸表等規則第8条第4項ただし書き)について
(中略)
⑥ 財務諸表提出会社であるベンチャーキャピタルが営業取引としての投資育成目的で他の会社の株式を所有している場合には、支配していることに該当する要件を満たすこともあるが、その場合であっても、当該株式所有そのものが営業の目的を達成するためであり、傘下に入れる目的で行われていないことが明らかにされたときには、子会社に該当しないものとして取り扱うことができる。

という記述をもとに、ベルシステム24とSPC(NPIH)を一体として「投資育成目的」の会社として考えて連結しなかったとしても、当時は、必ずしも「絶対ダメ」ということではなかったでしょう。(オススメはしなかったと思いますが。)
少なくとも、それだけで「課徴金」とか「監理ポスト」という話ではなかったように思います。
今回、100%子会社なので、連結しないのが特にヘンな感じがするわけですが、これが有限責任中間法人にぶらさがって独立の取締役が運営するSPCだったとしても実態は同じこと。

(今回のように、証券発行の時期に偽装があるような場合でなくても)、2004年当時にさかのぼって「連結しないと粉飾だ」「監理ポスト入りだ」という話になったら困る人(悪気は無かった上場企業)というのは、結構、たくさんいそうです。

日興さんの場合、さらにここで「EB債」という裏ワザを使ってSPCの利益を吸い上げたわけですが、これも、このスキーム自体が「怪しい」というわけではないかと思います。
以前のエントリでも記載したとおり、貸し付けた資金に対して、この利益の額は6%程度なので、(特にもしSPCの運営が完全に本体から切り離されていた場合には)、リスクに見合った手数料の範囲の話かと思います。
(つまり、[今回は100%子会社で役員も兼務していたし資金のリスクもほとんどNPIが負っていたようですので、あまり説得力はないですが]、独立性のあるSPCに対して資金を貸し付ける場合、[それが会計上連結されるかどうか収益の実現を認識していいかどうかはさておき]、法律上、"取り分"を確定させる手法としてはありうるかと思います。)


すなわち、(今回の日興さんのケースは、そもそも債券の発行タイミングを偽装していたので明らかに不適切な処理であったことは間違いないわけですが)、「SPCを連結しなかったこと自体」とか「EB債自体」といった今回の個々の要素自体アカン、ということになると、当時、それで今とタイミングが違うことになる処理を行っていた会社の経営者や監査法人のパートナーの方は、年末年始から、夜も眠れないことになっちゃいます。
そういった個々の行為は、必ずしも「粉飾」に該当しない可能性もありえると思います。


会計の考え方が変化する世界で、我々はどうすればいいか?
前述のとおり、会計というのは、「あらゆる経済行為を、それぞれたった一つの数値に落とし込む写像」ではないですし、会計に対する考え方というのも、時代を追って激変しています。
こういった、明確な会計基準の変更が公表されない段階で、継続性の原則に従って従来どおりの考え方に従った会計処理をするのか、別の考え方を取り入れるのかというのは、なかなか難しい判断だと思います。

そういう状況におかれた場合に、まじめな開示を目指す「よい子のみなさん」は、いったいどうすべきでしょうか?

考え方として、「誠心誠意開示する」:-)、というのはどうでしょう。

つまり、日興さんが、(EB債発行タイミングの偽装がなかったという前提で)今回と同じ処理をして、まったく同じ利益を計上していたとしても、たとえば、

「当社は、当社傘下に入れる目的でない企業の投資育成に利用されるSPC(特別目的会社)については連結範囲に含めないこととしておりますが、今回、連結子会社である日興プリンシパル・インベストメンツ株式会社(以下「NPI」といいます。)と連結対象外であるSPCであるNPIホールディングス(以下「NPIH」といいます。)との間で、後記要項のとおり、ベルシステム24の株式を目的とする他社株券償還特約付債券(以下、「EB債」といいます。)を発行しており、社債券(帳簿価格○○○億円)の償還を受ける代わりにベルシステム24の株式(平成16年9月30日の東京証券取引所の終値○○円で評価した時価○○○億円)での償還を受けております。
このため、NPIHを連結した場合に比べて、経常利益が○○○億円、当期純利益が○○○億円増加しております。」

というような内容を詳細に開示していたとしたら、課徴金とか監理ポスト入り、というような話になったでしょうか?

同じことをライブドアで問題になった、「自社株をファンドに持たせて、株式分割で値段が上がったものを市場で売却して売却<u>額を売上に計上する。」という方法に適用したらどうでしょう。
上記のような「誠意ある」開示をしたら、「そりゃ、明らかに、総額が売上に計上されるんじゃなくて、キャピタルゲインをその他資本剰余金に計上すべきじゃん!」というバッシングの嵐になるのが見えていたわけです。

ということで、「人に言えない取引」「人に言える取引」があるわけですが、今度の日興さんの取引は、「人に言える取引」だった気もします。

(でも、詳細に開示しなかった、ということは、やはり何らかヤマシイ目的があったと思われてもしょうがないんでしょうね。)

(ではまた。)

December 25, 2006

Agile Media Network (AMN)スタート

(メリー・クリスマス!)

さて、右側に「Agile Media Network」という欄が表示されているかと思いますが、本日午前11時より、このブログ・ネットワークに参加いたしました。

ネットワークに参加しているブログは、当初、このisologueのほか、

情報考学 Passion For The Future
http://www.ringolab.com/note/daiya/

ネタフル
http://netafull.net/

メディア・パブ
http://zen.seesaa.net

Ad Innovator
http://adinnovator.typepad.com/

FPN (Future Planning Network)
http://www.future-planning.net/x

の5つ。

運営は、当面、株式会社日本技芸(御手洗さんの会社)が行ってらっしゃいます。

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GoogleのAdSenseや各種アフィリエイトは、「テール」型の広告で、気軽に誰でも広告媒体になれるのはいいのですが、広告費はPVやクリック数に依存していて、媒体の「クオリティ」は直接には反映されません。

アメリカでは、ブログの広告費単価は日本より1~2桁高いことになっているようですし、月刊数万部の雑誌の表4(裏表紙)でいくらの価値が認められているか、ということを考えると、ブログにも、もうちょっと媒体の価値が認められていい気がします。

また、良質なブログに、それなりの収入が伴うということになれば、中長期的には、仕事をしながら片手間にブログを書くのではなく、もっと本格的にブログで情報発信しようという人も増えて、世の中の「情報の流れ方」が大きく変わっていく気もします。

とりあえず、試験運用開始という位置づけですが、ご紹介まで。

Agile Media Network
http://agilemedia.jp/

(ではまた。)

December 22, 2006

本日の出来事

某ビルでエレベータを待っていたら、お母さんに手を引かれた女の子(見たところ2歳前後)が歩いてきて、ニコニコしながら曰く;

子「あー、へんなおぃさんがいうー」
母「へんなおじさん?どこー?」
子「あとこー」

と指さす もみじのような手の先には私の顔がありました。(お母さんは見て見ぬふり。)

(子供って、本質を見抜く力があると言いますが・・・)

December 20, 2006

本日の素朴な疑問(「ベルシステム24の第三者割当増資は差し止められるべきだったんじゃないの?」)

先日もご紹介した、2006年1月12日の日本経済新聞朝刊4面の記事、「買収ファンドの実相(中)近くて遠い回収の道――割安な案件も少なく。」に、

(略)コールセンター大手のベルシステム24の株主資本が〇五年七月に千三百億円、率にして九割弱減った。同社を買収した日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)から自社株を買い戻し、消却したからだ。  日興コーディアルグループ系のNPIは〇四年、総額二千四百億円でベルを買収した。ベルの大株主だったCSKとの法廷闘争の末、一千億円超の第三者割当増資を引き受けた経緯がある。増資資金を上回るおカネがNPIに戻った。  「ベルは過剰資本になっていた」とNPIの平野博文会長は言う(以下略)

ということが書いてあります。
(この減資等については、プレスリリースも出ていない模様。)

地裁と高裁の仮処分申請却下の決定が手元にないんですが、確か、「主要目的ルール」に基づいて、ソフトバンクグループのコールセンター業務を買収するなどの事業目的に資金が必要だから第三者割当増資します、ということで法廷で争って勝ったんじゃなかったでしたっけ?

ちなみに、増資前増資後の連結B/Sは、下記のとおり。

image002.gif

増資前の自己資本比率は7割超もありましたが、これくらい安定してキャッシュを生み出す事業であれば、もっとレバレッジはかけられたでしょうし、ソフトバンクグループからコールセンターを引き取る際に、キャッシュとエクイティを組み合わせて支払うという手もあったかと。

「株主資本が九割弱減った」
「ベルは過剰資本になっていた」
・・・って今頃言われても・・・・、結局、増資する必要なかったじゃん?(やっぱり、CSKグループから逃れたいためだけの増資・・・すなわち、「主要目的ルール」には反する増資・・・だったんですね?)、という感じであります。

(裁判所をナメた罪、というのは無いんでしたっけ。)

December 19, 2006

日興コーディアルのSPC取引を考える(ホントに第三者間では行われないような取引か?)

前回のエントリ「日興コーディアルのSPC取引を考える(基準がどうの、という細かい話じゃないんじゃないの?)」で、

今後TOBするのが確実で、100%子会社が必ず損をして親会社が必ず得をするようなEB債の条件(だとしたら)自体が、独立の第三者間では行われるはずのない取引であり、収益の期間帰属をゆがめる目的以外には考えられない

てなことを申し上げましたが、電車に乗ったり朝メシを食ったりしながらツラツラ考えていて、ちょっと考え方が代わってきました。

今朝の日経新聞朝刊(7面)の記事だと、

 日興の事例では、NPIはベルシステム24(ベル)を買収する過程で、NPIHが発行したベル株に連動するEB債を購入。NPIHはその資金でベル株を大量取得した。その後、NPIが実施した株式公開買い付けでベル株が上昇したことに伴い、NPI側に発生したベル株の多額の評価益を利益として取り込んだ構図だ。

となってますが、全くの第三者間で今回のような取引を行おうとした場合、ただのペーパーカンパニーであるSPCに2,300億円ものお金を投入するわけで、リスクにみあったリターンを要求するのは当然ではあります。

140億円儲かったとすると、6%くらい。

ま、資金供給する期間もよく見てないのですが、TOBでプレミアムをつけて買っているので、その株価より企業価値が下がる可能性もあることを考えれば、妥当な水準かも知れませんね。

全体のスキームについてまだ完全に読みきってませんし、第三者間でありうるから利益計上してもよかったというわけではないのですが、考え方としてご参考まで。

(ではまた)

December 19, 2006

日興コーディアルのSPC取引を考える(基準がどうの、という細かい話じゃないんじゃないの?)

本日の日経朝刊7面の記事「勧告で決算訂正、日興・監視委なお食い違い―経営陣、問われる説明責任。」に、

 ただ、現行の会計基準では、過半の株式を保有しているケースでも傘下に入れる狙いがなく、将来転売する可能性があるなど「投資育成目的」の場合は、特例として連結対象としなくてもよいとする規定がある。  日興コーディアルグループの場合、一〇〇%子会社の日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)がNPIホールディングスに全額出資しているうえ、役員も全員兼任。「支配していないとは言い難い」(連結会計に詳しいベテラン会計士)。公認会計士の磯崎哲也氏も「重要性や保守主義の原則から考え、連結から外すべきではなかったのではないか」と指摘する。

と、私のコメントを載せていただいてますが、この取材を受けた時は、今月16日の日経朝刊の記事「不適切な利益、日興が計上――特別目的会社連結外し、損失、反映せず。」

 一方、NPIとNPIHはベル24の株価によって損益が変動するデリバティブ(金融派生商品)取引を締結。その後、ベル株が上昇したことでNPIは百四十億円程度の利益を上げ、親会社である日興コーディアルの〇五年三月期連結決算に計上した。  この金融取引で、NPIHはNPIと同額の損失を抱えたもよう。

と同様の認識、つまり、「NPIは得してるけどNPIHは損してる→差引チャラ」と考えていたんですが、この取材を受けてから書いた前回のエントリで、当時の含み益を考えてみると、計上時点の2004年9月末で、すでに400億円くらいの含み益があったと考えられ、その後、(利益額は開示されてないようですが)、ベルシステム24の株式売却で実際に利益も出ていることから考えると、(一般原則の)保守主義の原則というよりは、(損益計算書原則の)発生主義の原則

すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。ただし、未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない。

の話だったかも知れないですね。

上述の今朝の記事では、

 ただ、訂正に至った根幹の理由については監視委と見解が大きく異なっている。日興側は「『SPCを非連結とする』という会計処理そのものが間違っていたとは今でも思っていない」(森田収取締役)と説明。一方で監視委は「実質支配の関係にあり連結すべき」(幹部)としてSPCを非連結にしたこと自体が「虚偽記載」にあたると見る。

とありますが、話はSPCが連結できるかどうかの話というよりも(ということもさることながら)、前回のエントリで述べたように、今後TOBするのが確実で、100%子会社が必ず損をして親会社が必ず得をするようなEB債の条件(だとしたら)自体が、独立の第三者間では行われるはずのない取引であり、収益の期間帰属をゆがめる目的以外には考えられない(下記追記参照:ホントにそうか?)わけで、そうした取引を前提に財務諸表を作ること自体が、企業会計原則の初っ端の大原則である真実性の原則

企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない。

に反している気がします。

(ではまた。)


追記:ホントに第三者間では行われないような取引か?ということについて、別エントリを立てました。
2300億円もペーパーカンパニーに貸し付けるリスクを考えれば、140億円くらいのリターンを求めるというのはありうるかも知れません。

ご参考まで。

December 18, 2006

日興コーディアルのSPC取引を考える

日興コーディアルさんの件について、あちこちからコメントのリクエストをいただきましたが、特に今まで本件を注視してきたというわけでもないので、時系列で何が起こったかについて、頭の整理をしてみました。(以下、長文。)

---

2004年当時、CSKの子会社だった「ベルシステム24」ですが、2004年8月6日の日経金融新聞の記事、「CSK、ベル24株売却へ――『17日間』戦争の舞台裏。」によると、

 「ベルが巨額増資を計画しているらしい」。CSKが情報を入手したのは一週間ほど前。二十日朝までにソフトバンクのかかわりなどをつかんだが、全容は明らかでなかった。

そして7月20日、ベルシステム24が「日興コーディアルグループ系の投資会社」に第三者割当増資をするリリースをして、CSKの子会社からはずれることになったわけです。ベルシステム24は、ソフトバンクグループのコールセンターの買収を発表。
日興コーディアルさん(以下「日興さん」)のプレスリリースによると、


2004年 7月20日
http://www.nikko.jp/GRP/news/2004/p_040720.html
株式会社ベルシステム24の第三者割当増資引受について

日興プリンシパル・インベストメンツ株式会社(株式会社日興コーディアルグループ の100%子会社、以下「NPI」)は、NPIの100%出資特別目的会社(NPIホールディングス株式会社)が株式会社ベルシステム24(本社:東京都豊島区、代表取締役社長 園山征夫、以下「ベルシステム」)の第三者割当増資を引き受けることを決定しましたのでお知らせいたします。
(中略)
 第三者割当増資引受の具体的な内容は以下の通りです。
1.  引受株式数 : ベルシステムの普通株式5,200,000 株
2.  引受総額 : 104,260,000,000円(1株につき20,050 円)
3.  払込期日 : 2004年8月5日

前述の記事によると、同日、CSKは新株発行差し止めの仮処分を申し立ててます。
そして、

東京地裁は三十日、CSKの申し立てを却下。CSKは同日中に即時抗告、八月二日には定款違反行為の差し止めや議決権行使禁止などの仮処分を申し立て、全面的に争う姿勢を示した。
(中略)
 潮目が変わったのは四日。ベルの増資引き受け先である日興側がCSKの持ち株譲り受けを申し出たのだ。提示した買い取り価格は四日終値より一〇%高い二万七千円。これは立会外取引のルールなどを参考にすると、ほぼ上限に近い。そのうえ同日、東京高裁がCSKの抗告を棄却。増資差し止めが事実上、不可能になったうえ、定款違反や議決権行使禁止などについての主張に対し否定的な見解を打ち出していた。

ということで、日興さんのリリースによると、

2004年8月5日
株式会社ベルシステム24の株式取得および第三者割当増資払込について
http://www.nikko.jp/GRP/news/2004/p_040805.html

1. 取得株式の種類および数 : ベルシステム普通株式1,580,000株
2. 取得価額 : 1株につき27,000円
3. 取得前後の所有割合 :(取得前) 0.00% (取得後) 32.25%

と、CSKから株式を取得することとなり、「親子ゲンカ」は幕引き。
7月20日にリリースされた増資(約1042億円)も実行されることに。

さらに、翌日、CSKは残りの株式の売却も決定して、他の株主も追随。


2004年8月6日
http://www.nikko.jp/GRP/news/2004/p_0408062.html
株式会社ベルシステム24の株式取得について

1. 譲渡人
  ・ 株式会社CSK(本社:東京都港区、代表取締役会長 青園雅紘)
  ・ 株式会社クオカード(本社:東京都新宿区、代表取締役社長 湯川英一)
  ・ CSKファイナンス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 青園雅紘)
  ・ ビジネスエクステンション株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長 井上啓司)
2. 取得株式の種類および数 : ベルシステム普通株式 計464,000株
3. 取得価額 : 計 12,528百万円
4. 取得前後の所有割合 :(取得前) 67.14% (取得後) 71.73% (*)
  (*) 上記所有割合は、昨日払込期日の第三者割当増資による発行新株式数および昨日お知らせした株式譲渡分を加算して計算

この2004年8月6日の時点で71.73%(7,244,000株?要確認)を日興さんが保有するに至ったわけです。

そして、2ヵ月弱あとの2004年9月27日、TOBの実施を発表。

2004年9月27日
http://www.nikko.jp/GRP/news/2004/pdf/040927.pdf
日興プリンシパル・インベストメンツ株式会社による株式会社ベルシステム24の公開買付けの開始について

「2,770,731株を28,000円で買付け予定。
2004年9月24日までの過去3ヶ月における平均24,150.0円に対して15.9%のプレミアム。」
という条件。

1ヶ月後の10月28日、TOBの結果が公表されます。

2004年10月28日
http://www.nikko.jp/GRP/news/2004/pdf/041028.pdf
日興プリンシパル・インベストメンツ株式会社による株式会社ベルシステム24の公開買付け結果について

2,770,731株 買付け予定のうち、2,633,027株応募があった、とのこと。
9月27日付けで産業活力再生特別措置法の認定を受けているので、金銭交付による株式交換で100%子会社化を図ることに。

ベルシステム24の取引に関わる日興さんからのプレスリリースはここまでであって、今回問題になったデリバティブの取引については、ディスクローズされてないようです。(もしされてたら、教えていただければ幸いです。)

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一方、同日2004年10月28日の新聞記事「ベル24株、公開買い付け終了、日興系の投資会社。(日経金融新聞)」によると、

ベル24は産業活力再生特別措置法(産業再生法)の認定を受けており、残りの株式は十二月に開く臨時株主総会での決議後にNPIが金銭交付による株式交換をする。ベル24はNPIの完全子会社になり、二〇〇五年一月半ばにも上場廃止の見込み。


と、株主総会と上場廃止日の見込みが掲載されてます。

さらに、このベルシステム24に投資をしたSPCの会計処理については、(今回、初めて問題が発覚したということではなく)、監査法人からも指摘があった旨が、一年ちょっと後の、2005年12月29日の新聞記事に載ってます。


中央青山、損益が不明確なSPC、日興に連結要請。(日本経済新聞)

 このSPCは投資事業を手がけるNPIホールディングス(NPIH)。日興コーディアルの一〇〇%子会社である日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)が設立したペーパーカンパニーで、日興本体からみると孫会社にあたる。
 NPIは昨年九月までに、コールセンター大手ベルシステム24の株式七百二十万株余りを取得。その際にNPIHとの間で、ベル株の値動きに応じて損益が変わるデリバティブ(金融派生商品)契約を結んだ。昨年九月末時点ではNPIに約百四十億円の評価益、NPIHには同額の損失が生じていたようだ。
 グループ内で損益トントンとなる取引だが、SPCであるNPIHは連結対象外。このためNPIの利益だけが決算に反映された。日興の二〇〇四年九月中間決算では投資事業の経常利益が百八十億円弱と前年同期の六倍強に急拡大した。
 現在の会計ルールでは投資事業に関連して保有している株式は連結対象にしなくてもよい。だが中央青山は「不透明な会計処理と受け止められかねない」として、〇六年三月期決算ではNPIHを連結対象にするよう求めた。今回の要請をきっかけにSPCの会計、情報開示ルールを巡る議論が活発になりそうだ。
 日興コーディアルグループの有村純一社長は「ベル株を巡る会計処理はルールに即していると認識している。今後、会計ルールが変われば適切に対応したい」としている。


翌年、2006年1月12日の日経新聞「買収ファンドの実相(中)近くて遠い回収の道――割安な案件も少なく。」では、

 コールセンター大手のベルシステム24の株主資本が〇五年七月に千三百億円、率にして九割弱減った。同社を買収した日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)から自社株を買い戻し、消却したからだ。
 日興コーディアルグループ系のNPIは〇四年、総額二千四百億円でベルを買収した。ベルの大株主だったCSKとの法廷闘争の末、一千億円超の第三者割当増資を引き受けた経緯がある。増資資金を上回るおカネがNPIに戻った。

とありますので、最終的には、日興さんは「このベルシステムの取引で儲かった」ということのようです。つまり、経済的に損失が出ているのを粉飾で隠した、といった類の話とは違う模様。

(だけど、「どうせ儲かるんだから、早めに計上してもいいじゃないか」ということは無いわけですので、最終的に儲かったかどうかと、会計処理として適切だったかどうかは、また別の話。念のため。)


2006年1月27日の日経新聞朝刊の記事「日興コーディアル、経常益2.2倍、4―12月、手数料伸びる。」では、

 自己資金投資はベルシステム24など投資先企業の株式を売却したことなどで二割強の増益になった。自己資金投資は連結対象外の特別目的会社(SPC)を通じて取引しており、情報開示が不十分ではないかとの指摘もあるが、「会計ルールに即しており、SPCは今後も連結対象外として取り扱う」(日興コーディアル)としている。

と、SPCを連結する気はない、という主張でらっしゃっいました。

2006年1月31日の日経金融新聞「大手証券3社――会計処理にばらつき。」という記事でも、野村、大和、日興、のうち、

米国会計基準で連結決算を作成する野村

については処理が最も保守的で、「誰が最終的に利益を享受するのか」という観点で連結・非連結を判断、SPCも投資先も連結対象としており、また、大和についても、

日本基準採用だが、非連結なのは投資先企業だけ。「SPCは株式取得の器であり、投資育成することはない」(財務部)として連結対象だ。

としているのに対して、

 日興はSPCも「投資スキームの一環」(財務部)と判断し、連結対象から外す。二千四百億円で完全買収したベルシステム24のケースでも、連結対象外のSPCが株式を取得したため、日興本体の貸借対照表にはベル株そのものは計上されなかったもよう。
 SPCを非連結にすると損益にも影響する。二〇〇五年三月期にSPCはベル株で償還できる他社株転換社債を発行。それを日興の連結対象の投資会社、日興プリンシパルが購入するといったデリバティブ取引を実施した。その後、日興プリンシパルが公開買い付けを実施したのを受けて上昇したベル株に連動する形で、デリバティブ取引に百数十億円の評価益が発生。これが日興の同期決算で増益要因となったもよう。SPCが連結対象ならグループ内取引として損益は消去されたと考えられる。

ということで、利益計上の妥当性についての疑問は、1年前にすでに明確に指摘されてました。


こうしたプレッシャーを受けてか、2006年4月27日の日本経済新聞朝刊の記事「投資事業の特別目的会社、日興、連結対象に、透明性高める。」では、

 日興コーディアルグループが投資事業で利用している特別目的会社(SPC)を二〇〇六年三月期決算から連結対象としたことが明らかになった。現在の会計ルールでは投資事業に関連して保有している株式は連結対象にしなくてもよいとの規定がある。ただ、SPCの情報開示拡充の議論が進んでおり、連結範囲を広げ透明性を高めた。
(中略)
 完全買収したベルシステム24の場合は、一〇〇%出資にもかかわらず、同社株を持つSPCが連結対象から外れ、財務内容が見えにくいとの指摘が出ていた。

と、今後については連結する方針を打ち出してます。
(ただ、過去分の処理は訂正してません。)


そして、2006年12月16日の日本経済新聞朝刊の記事、「不適切な利益、日興が計上――特別目的会社連結外し、損失、反映せず。」に至って、

 日興の子会社である日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)は二〇〇四年八月、一〇〇%出資しているSPCのNPIホールディングス(NPIH)を通じ、コールセンター大手ベルシステム24の株式を大量に取得した。
 一方、NPIとNPIHはベル24の株価によって損益が変動するデリバティブ(金融派生商品)取引を締結。その後、ベル株が上昇したことでNPIは百四十億円程度の利益を上げ、親会社である日興コーディアルの〇五年三月期連結決算に計上した。
 この金融取引で、NPIHはNPIと同額の損失を抱えたもよう。いずれもグループ内部の取引なので、本来なら連結決算上は利益・損失を相殺するのが通常の処理だ。ところが日興は評価益を計上しながら、損失分については連結決算に反映しなかった。

ということになったわけです。


デリバティブの中身は?
この「デリバティブ」の内容がよくわかりませんが、本日行われた記者会見の様子を又聞きしたところ(つまり以下の内容は「要確認」ですのでご注意ください。)、日興さん側の主張としては、

「2004年8月にEB債を発行する予定にしていたが、実務上の処理が遅れて、発行が9月末になってしまったが、この間に株価が上がったので、NPIに利益が発生。しかし、EB債を発行する実務が遅れたことを隠すために一担当者がやったことで、利益を約140億円計上したいためにこのスキームを採用したのではない。」(要確認。)

・・・という主張のようです。

これに対して、証券取引等監視委員会の主張では、「そもそも連結すべきだった」という主張の模様。

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デリバティブ等の中身の実態がわからないので何ともいえませんが、上記の一連の流れを振り返ってみると、個別の株式の取得価額合計は、

07/20 第三者割当:1,042.60億円(=5,200,000 株×@20,050円))
08/04 CSK(1) : 426.60億円(=1,580,000株×@27,000円)
08/06 CSK等 : 125.28億円(= 464,000株×@27,000円)
10/28 TOB・交換: 775.80億円(=2,770,731株×@28,000円)

で、(ざっくり)2,370億円。(10,014,731株。平均取得単価約23,668円)

当時のチャートを見てませんが、9月末時点では、株価がTOB価格に張り付いていたとすると、@28,000円×10,014,731株=約2,804億円くらいで、2004年9月末半期で、すでに、430億円くらいの含みはあった、と考えられます。

つまり、経済的実態としての時価で考えれば、ベルシステム24の株式は、それなりの価値はあったし、実際に、後で高値で売却できている模様。

ただし、2004年9月の半期末ですでに71.73%を保有していて(単体でも)「子会社株式」ということになりますし、連結するとなると、時価会計は適用されず「取得原価」で計上すべき(利益は計上されない)、ということになります。

「売買目的有価証券」であれば、上場株式は時価で評価して貸借対照表に計上するとともに、キャピタルゲインも計上できるわけですが、売買目的有価証券の要件を満たさないはず。(100%取得して非上場化を目的としているので・・・。)

で、「ベンチャーキャピタル条項」を利用した、ということかと思います。

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さて、EB債とかデリバティブとか言われているものの中身がわからないわけですが、このデリバティブの性質を、株価の変動によりベルシステム株を代わりに得られる債券であって、最終的なTOB価格28,000円より低いstrike priceのコールオプションのようなものだと仮定してみましょう。

本日の日興さんの記者会見では、上述のとおり、「本来8月に決議するはずが、9月になってしまって、その間の利益が計上されてしまった。利益を水増しする意図は無かった。」とのこと(らしい)ですが、8月はじめには、3分の2超の株式の取得が決まって、この先、TOBをして非公開化するのは確実、というときです。

TOBをしたら通常、直前の株価の10%以上のプレミアムがつけられるのは確実。
3分の2超取得して産業活力再生特別措置法の認定も取れそうということであれば、(良かれ悪しかれ)少数株主は実質的にTOBに応じざるを得ないわけで、TOB価格もある程度自由に決められたはず。

TOB価格で株価が上がって確実に損をするようなデリバティブの契約を、子会社であるSPCが100%親会社と締結する、というのは、どう考えても、8月時点で経済的合理性があった取引とは考えにくいですよね。(下記追記:ホントにそうか?参照)

8月中でなく、9月になってTOBの条件等の着地が固まってから、
「実態は430億円も含みがあるんだから、何とかこのうちの一部でも、当半期の利益に計上できないの?」
「じゃ、8月にバックデートして、こういうデリバティブを組んだとしたら、当半期に利益計上するという理屈も立つんでは?」
などということで、(アメリカで今年問題になった、ストックオプションのbackdating的に)このスキームが組まれた・・・かどうかは今後の開示を拝見しないとわかりませんが、第三者間では説明が付かない取引であれば、そういう風に思われてもしょうがないかも知れません。

とにかく、このデリバティブの中身の開示もされてない段階で、仮定に基づいた話ではありますので、実際には誰にどんな責任があったかは定かではありませんが、以上、ご参考まで。

(ではまた。)

追記:ホントに第三者間では行われないような取引か?ということについて、別エントリを立てました。
2300億円もペーパーカンパニーに貸し付けるリスクを考えれば、140億円くらいのリターンを求めるというのはありうるかも知れません。

December 16, 2006

私に逮捕状が出た

家のリビングでくつろいでいたら、玄関のほうで来客の気配がしたので行ってみると、男性が数人立っていて、私に逮捕状が出た、と言う。

何の容疑かと思って逮捕状の文面を見ると、覚えてないくらい些細な(しかし、思い当たらないこともない)話(YouTubeに投稿された著作権侵害にあたるコンテンツをブログで紹介したのが、「著作権侵害の幇助」にあたる、といったようなこと)だった。

テレビや新聞に「ブロガーの磯崎哲也逮捕」と出るのかなあ、とか、親や親戚は悲しむだろうなあ、とか、ブログのコメント欄が、「いつもコンプライアンスについてエラそうなことを書いときながら自分はタイーホかよ」といったコメントで炎上するんだろうなあ、とか、奥さんにコメント削除の方法を今から教えられるか?、いや、コメントの受付そのものを停止しておいた方がいい?、でも、釈放されてからコメントを読んでみたい気もするなぁ・・・・等が、一瞬の間に頭をよぎり・・・


・・・・・・というところで、目が覚めた・・・。(ハァハァ・・。)

先日、Winny判決が出たことや、昨日、監査法人さんと、「J-SOX法の内部統制の実施基準案で、どこまで細かいことが要求されるか?」についてディスカッションしたことなどで、「世知辛いねえ~」という感じが、「萎縮効果」として働いたんですかねえ。

(久しぶりに「夢でよかった~」と思いました、が、昨今必ずしも「全くありえない話」と言えないところが・・・怖い。)

December 14, 2006

ネット・エコノミー解体新書 第9回「YouTube/HDDビデオの時代に日本のテレビ局は生き残れるか?」

日経BPさんのサイトで書いている、「ネット・エコノミー解体新書」の第9回、「YouTube/HDDビデオの時代に日本のテレビ局は生き残れるか?」がアップされました。

http://www.nikkeibp.co.jp/netmarketing/column/economy/061214_jtv/


私、特に放送業界の専門家というわけでもないんですが、ライブドアのニッポン放送買収以来、テレビやラジオに出演させていただいて、テレビ局の仕事の仕方、コーポレート・ガバナンスなど(の感覚の、他の業界とのあまりの違い)を見聞きさせていただき、また、ネットの広告市場については仕事上関係も深いので、今後、テレビとネットの広告の関係がどう変化していくのか、ということには非常に興味を持ってきまして。

・・・ということで、恐れ多くも、日本のテレビ業界について、主に財務的な観点から分析させていただいてます。

一般向けの原稿なので、専門の方にはイマイチ食い足りないかとは思いますが、日本のテレビ局各局の規模や収益性というのは、(勢いの違いはなんとなく感じていても)、意外に一般には出回っていないのではないかと思いますし、ましてや、海外のメディア・コングロマリットと、規模・収益性にどの程度の差があるのかというのがピンと来る方は少ないかと思います。

私も、一覧で数字を並べてみて、あらためて、「なるほどねえ」という感じでして。

今後のマーケティングや放送業界を考える際に、何かのご参考になれば幸いです。

(ではまた。)

December 13, 2006

Winny裁判有罪判決

<ウィニー裁判>元東大助手の金子被告に有罪判決 京都地裁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061213-00000022-mai-soci


もしYouTubeが日本にあったら、今頃とっくに、東京地検特捜部が「犯罪のほう助」容疑で、会社から段ボール箱を運び出しているんだろうなあ、と思う、今日この頃。

December 10, 2006

ポロニウム210

アレクサンドル・リトビネンコ氏の暗殺で話題になっているポロニウムですが、Wikipedia、ためになります。


計算上わずか47ng(1億分の4.7グラム)で50%致死線量(4 Sv)の被曝を受けることになる。最大許容身体負荷量は6.8 pg(1兆分の6.8グラム)とされている。

(少な。)


1898年7月、マリ・キュリーが夫のピエール・キュリーとともにウラン鉱石から発見。発見者の祖国ポーランドのラテン語形「Polonia」が語源。1896年にアンリ・ベクレルによる放射能の発見を受け、まず放射能を測定する機器を開発する。ピエール・キュリーの考案したピエゾ電気計を改良し、ウランを中心に放射能を測定する。ウラン鉱石(ピッチブレンド)を測定したところ、ピッチブレンドに含まれるウランの濃度から計算した放射線より少なくとも4倍の線量を検出した。このため、ウランとは異なる未知の放射性元素が含まれているのではないかと推論した。しかしながら、ピッチブレンドは高価であり、新元素を単離するだけの分量が入手できなかった。オーストリア政府に頼み込んだ結果、ヨアヒムスタール鉱山から採掘したウラン鉱の残りかすを数トン入手できた。ポロニウムの分離には数ヶ月を要したという。12月にはラジウムも発見した。

キュリー夫人、体調も崩すわけですね。
ノーベル賞2回も、当然であります。


タバコの煙にも極微量に含まれている。出所はタバコ栽培に多用される化学肥料(リン酸肥料)の材料であるリンに不純物として含まれるウランだと考えられるため、当然野菜などにも微量ながら含まれている。喫煙者の被曝量が、非喫煙者よりも多いため、肺がんの原因のひとつともいわれている。

タバコの煙の摂取量より、野菜の摂取量のほうがはるかに多いと思いますが、消化器系はどんどん出て行っちゃうのに対して、肺は行き止まりで蓄積しちゃうからでしょうか。


ポロニウム210はアルファ崩壊のみで崩壊し、崩壊過程でガンマ線の照射を殆ど伴わない(殆どのアルファ崩壊は同時にガンマ線の放射を伴う)。一方、アルファ線は紙一枚で遮断される。このため、容器に入ったポロニウム210を、容器ごと放射線を測定することにより検出することは不可能である。

崩壊過程でガンマ線が出ないんですね。
少量で人を殺せる上、アルファ線はほとんどのものを貫通できないので、小さい容器に入れれば、持ち運びもしやすいし、空港等の検査でも引っかからないわけで、(価格や入手可能性をクリアすれば)諜報活動にはうってつけなわけですね。

(ではまた。)

December 8, 2006

ヒューマン2.0(渡辺千賀さん著作)本日発売

一昨日、渡辺さんから一冊いただきました。

human2_0.jpg
ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない)


タイトルの「(かもしれない)」というところからして、人をナメてますが。
しかし、大爆笑しながらあっという間に読み進めてしまう本でありながら、これほどシリコンバレーのベンチャーの様子を、実際にビジネスをやる観点から深くとらえた本は、今までなかったんじゃないでしょうか。

「今までベンチャーについて書かれた本の中で、一番面白い」と言って過言ではないと思います。

(ではまた。)

December 6, 2006

葉玉さんご尊顔、発見

「会社法であそぼ」が葉玉さんから「サミーさん」に変わってから久しいですが、昨日、webを検索していて、葉玉さんのご尊顔を発見。

http://www.moj.go.jp/KANBOU/KENJI/kenji08-05.html
(すでにギョーカイでは有名なページなのかも知れませんが、私は今回はじめて拝見しました。)

ウェブ上で鋭いことを書かれている方だと、どうも勝手に、「青白い肌にこけた頬、鋭い眼光、銀縁メガネ キラーン」という風貌を想像してしまうんですが、いや、実物の葉玉氏は、なんとも福々しい・・・。こんな「いい人そう」な方が、今は東京地検特捜部にいらっしゃるというイメージが、これまたよく沸かないところであります。

司法試験を受験される方は、この写真を写真用紙にプリントアウト&パウチして、財布などに入れて持ち歩くと、福が訪れるんじゃないでしょうか。

ブログというのは、書いて金になるわけでもないので、そこにセッセと書き込んで知識を広めようという方は、実際にお会いして見ると(少なくとも私の経験では)、間違いなく「いい人」です。(ブログではキツいことや一見非常識なことを書いてる、「あの方」や「あの方」など、ですら。)
ということで、葉玉さんも、きっとすごくいい人なのでしょう。

法学的教養が無いもので、「気分は,まるでボアソナード」とは いったい何じゃい?、というのも、今回ページを見て初めて勉強させていただきました。

(勤務先が変わってページが消えてしまう可能性もありますので、ご覧になる方はお早めに。)

(ではまた。)

December 5, 2006

日本の税務関連業務は今後も競争制限的法令によって守られるか?

(追記するとともに、改題しました。14:36)

かなり前にインタビューいただいたので、すっかり忘れてましたが、今週号の週刊東洋経済

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の特集(「落ちる中間層」-ワーキングプアより深刻なホワイトカラーの没落)に、私のコメントを載せていただいてます。(62ページ。)
数行程度使われるだけかと思ってたら、写真入りで半ページも。

「経理・財務の分野でも、”ドメ”だと、今後厳しくなりますよ」

てなことをコメントさせていただいております。

---

私のコメントでは、「経理・財務の分野は、法令があって地域・国ごとに分かれているので、ある意味ローカルな領域です」となってますが、46ページを見ると、アメリカではもう、経理や確定申告についても、インド・フィリピン・イスラエル等にオフショアリングされている様子が載ってます。

日本の申告業務の場合、日本語による障壁もともかく、税理士法第52条

(税理士業務の制限)
第五十二条  税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行つてはならない。

(税理士の業務)
第二条  税理士は、他人の求めに応じ、租税(印紙税、登録免許税、関税、法定外普通税(地方税法 (昭和二十五年法律第二百二十六号)第十三条の三第四項 に規定する道府県法定外普通税及び市町村法定外普通税をいう。)、法定外目的税(同項 に規定する法定外目的税をいう。)その他の政令で定めるものを除く。以下同じ。)に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする。
一  税務代理(略)
二  税務書類の作成(略)
三  税務相談(略)

の規定(罰則は税理士法第59条で、「二年以下の懲役又は百万円以下の罰金」)があるので、顧客が直接、オフショアリングするのはどうなんでしょうね?(つまり、この規定は、海外の事業者にも適用になるんですよね?)

また、日本で税理士資格を持った人が、海外の業者にアウトソーシングするのは、第2条の2号からして、できるんでしょうか?(ギョーカイで「問題」になるのは確実そうであります。)

税務代理はともかく、書類作成や相談まで法で禁止してしまう、というのは、この21世紀に、なんとも競争制限的な規定ではないかと思います。
財務、経理、税務といったビジネスの根幹にも関わる領域に競争メカニズムが働かないことで、日本企業の効率性自体が損なわれるということは、無いんでしょうか?

(ご参考まで。)

December 5, 2006

電子系の法律について考える(不正アクセス禁止法)

全国で初めてミクシィへの不正アクセスの摘発
http://www.asahi.com/national/update/1204/NGY200612040014.html

とのことなので、今までちゃんと読んだことがなかった不正アクセス禁止法に目を通してみました。
IT系の用語は横文字が多いのに、法律だとムリに日本語にしようとするので、IT系が不得意な方のみならず、IT系に詳しい方にも ようわからん単語が出てきます。
古文書を解読しているような楽しさがあるかと思いますので、お時間のある方は読んでみられるのもよろしいかと。

(以下、上記の事件とは直接 関係ないですが、)


不正アクセス行為の禁止等に関する法律

(目的)
第一条  この法律は、不正アクセス行為を禁止するとともに、これについての罰則及びその再発防止のための都道府県公安委員会による援助措置等を定めることにより、電気通信回線を通じて行われる電子計算機に係る犯罪の防止及びアクセス制御機能により実現される電気通信に関する秩序の維持を図り、もって高度情報通信社会の健全な発展に寄与することを目的とする。

横文字はすべて日本語に置き換えられているのに、なぜか「アクセス」だけは、カタカナのままなんですね。「サーバ」とか「パスワード」とかいった用語に比べて、「アクセス」というのは、普通の人がピンと来る言葉じゃないと思うんですが・・・なぜこれだけカタカナなのか・・・興味深いですね。


(定義)
第二条  この法律において「アクセス管理者」とは、電気通信回線に接続している電子計算機(以下「特定電子計算機」という。)の利用(当該電気通信回線を通じて行うものに限る。以下「特定利用」という。)につき当該特定電子計算機の動作を管理する者をいう。

つまり、ここでいう「アクセス」とは、ネット経由のものに限られ、スタンドアロンのパソコンに侵入する、といったことは、この法律の対象になってない、ということですね。
(キーボードのコードは、「電気通信回線」にはあたらない、ということでいいんですよね?)

どうせなら「不正アクセス」も日本語にして、「不正遠隔接続」といった名前にした方が、ITをよくご存知の方にとっても、ここでいう「アクセス」という用語のイメージがはっきりするのでは・・・とも思いますが・・・。

物理的にアクセス制御されたところに置いてあるスタンドアロンのコンピュータに外部の人間が侵入する場合は(古典的な)不法侵入になることが多いでしょうけど、例えば掃除のおばさん(実は産業スパイ)が会社の机の上に置いてある個人パソコンに直接侵入するようなケースは、何か、別の法律で刑事罰が手当てされているんでしたっけ?


2  この法律において「識別符号」とは、特定電子計算機の特定利用をすることについて当該特定利用に係るアクセス管理者の許諾を得た者(以下「利用権者」という。)及び当該アクセス管理者(以下この項において「利用権者等」という。)に、当該アクセス管理者において当該利用権者等を他の利用権者等と区別して識別することができるように付される符号であって、次のいずれかに該当するもの又は次のいずれかに該当する符号とその他の符号を組み合わせたものをいう。
一  当該アクセス管理者によってその内容をみだりに第三者に知らせてはならないものとされている符号

「パスワード」のことですね。IDにメールアドレスを使うようなサービスはともかく、「みだりに第三者に知らせてはならない」と言われていれば、「ID」も含まれるかも知れませんね。


二  当該利用権者等の身体の全部若しくは一部の影像又は音声を用いて当該アクセス管理者が定める方法により作成される符号

「生体認証」ですね。
でも、「影像又は音声」ということだと、「ガタカ」みたいに、毎回「血」や「DNA」自体を採ったりするのは、これにはあたらない・・・のか。(どーでもいいですが。)


三  当該利用権者等の署名を用いて当該アクセス管理者が定める方法により作成される符号

この「署名」というのは、「電子署名」のことでしょうね。

でも、通常、法律用語で「署名」といったら、人間が手で書くサインのことじゃないでしょうか。(IT系に疎い方には、イメージがよくわかないんじゃないかと。)

上記には、電子署名された認証鍵が入ったICカードなどは含まれるでしょうけど、(パスワードなど他の「符号」を用いず)、電子署名されてない情報が入ったICカードだけでアクセスするようなケース(あまりないでしょうけど)は、この法律では保護されない、ということでしょうか?
それらはこの第3号ではなく第1号(みだりに第三者に知らせてはならない符号)に該当するんでしょうか?

つまり、1号に該当しなくて3号に該当する固有のケースというのは、「当該利用権者等」のID等で「第三者に教えてもかまわない」とされているものを当該利用権者等の秘密鍵で署名したようなもの?になるかと思いますが、パスワードと組み合わせず、それしか使わない認証方式って使われてるのかな?
(サーバから送られる文字列等のハッシュを取ったものに電子署名したものを返す、という認証は、技術的にありえなくはないと思いますが。)


3  この法律において「アクセス制御機能」とは、特定電子計算機の特定利用を自動的に制御するために当該特定利用に係るアクセス管理者によって当該特定電子計算機又は当該特定電子計算機に電気通信回線を介して接続された他の特定電子計算機に付加されている機能であって、当該特定利用をしようとする者により当該機能を有する特定電子計算機に入力された符号が当該特定利用に係る識別符号(識別符号を用いて当該アクセス管理者の定める方法により作成される符号と当該識別符号の一部を組み合わせた符号を含む。次条第二項第一号及び第二号において同じ。)であることを確認して、当該特定利用の制限の全部又は一部を解除するものをいう。

ここは、わかりやすいかと思います。


(不正アクセス行為の禁止)
第三条  何人も、不正アクセス行為をしてはならない。
2  前項に規定する不正アクセス行為とは、次の各号の一に該当する行為をいう。
一  アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能に係る他人の識別符号を入力して当該特定電子計算機を作動させ、当該アクセス制御機能により制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者又は当該識別符号に係る利用権者の承諾を得てするものを除く。)

普通に、他人のID・パスワードなどでログインする場合ですね。

「特定利用をし得る状態にさせる行為」とありますので、ユーザーしかできないはずの「特定利用」自体をしなくても、ログインするだけで「犯罪」だ、ということになります。


二  アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能による特定利用の制限を免れることができる情報(識別符号であるものを除く。)又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者の承諾を得てするものを除く。次号において同じ。)

「当該アクセス制御機能による特定利用の制限を免れることができる情報(識別符号であるものを除く。)又は指令」というのは、セキュリティ・ホールなどのことでしょうね。

「セキュリティ・ホール等(アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能による特定利用の制限を免れることができる情報又は指令をいう。)を利用して・・・」
といった書き方をしていただいた方が、わかりやすいですよねえ。


三  電気通信回線を介して接続された他の特定電子計算機が有するアクセス制御機能によりその特定利用を制限されている特定電子計算機に電気通信回線を通じてその制限を免れることができる情報又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為

他のサーバを「踏み台」にするケース、などでしょうね。


(不正アクセス行為を助長する行為の禁止)
第四条  何人も、アクセス制御機能に係る他人の識別符号を、その識別符号がどの特定電子計算機の特定利用に係るものであるかを明らかにして、又はこれを知っている者の求めに応じて、当該アクセス制御機能に係るアクセス管理者及び当該識別符号に係る利用権者以外の者に提供してはならない。ただし、当該アクセス管理者がする場合又は当該アクセス管理者若しくは当該利用権者の承諾を得てする場合は、この限りでない。

他人のパスワード等を、他の第三者に教える、という場合ですね。


(アクセス管理者による防御措置)
第五条  アクセス制御機能を特定電子計算機に付加したアクセス管理者は、当該アクセス制御機能に係る識別符号又はこれを当該アクセス制御機能により確認するために用いる符号の適正な管理に努めるとともに、常に当該アクセス制御機能の有効性を検証し、必要があると認めるときは速やかにその機能の高度化その他当該特定電子計算機を不正アクセス行為から防御するため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

この努力規定は、(やるべきなのは当然として)、罰則もないんですが、法律上はどういう意味があるんでしょうか。アクセス制御を適切にアップグレードしてなかったり、パッチを当てていなかった場合には、不正アクセスしたものの量刑に影響するよ、ということでしょうか?(つまり、ヘボい管理者のサーバに侵入した者は、ガチガチのサーバに侵入した者より、罪が軽くなったりするのかしらん???)


(都道府県公安委員会による援助等)
第六条  都道府県公安委員会(略)は、不正アクセス行為が行われたと認められる場合において、当該不正アクセス行為に係る特定電子計算機に係るアクセス管理者から、その再発を防止するため、当該不正アクセス行為が行われた際の当該特定電子計算機の作動状況及び管理状況その他の参考となるべき事項に関する書類その他の物件を添えて、援助を受けたい旨の申出があり、その申出を相当と認めるときは、当該アクセス管理者に対し、当該不正アクセス行為の手口又はこれが行われた原因に応じ当該特定電子計算機を不正アクセス行為から防御するため必要な応急の措置が的確に講じられるよう、必要な資料の提供、助言、指導その他の援助を行うものとする。

公安委員会が助けてくれるんですね。実際問題、民間のセキュリティ専門家に依頼するのに比べて、どのくらい役に立ってくださるのかしらん。
(当然、メジャーなネット事業者ではなく、零細な企業等に対する支援を念頭においてるんでしょうね。)


2  都道府県公安委員会は、前項の規定による援助を行うため必要な事例分析(当該援助に係る不正アクセス行為の手口、それが行われた原因等に関する技術的な調査及び分析を行うことをいう。次項において同じ。)の実施の事務の全部又は一部を国家公安委員会規則で定める者に委託することができる。

実際には、民間のセキュリティ専門家がやる、ということなんでしょうね。


3  前項の規定により都道府県公安委員会が委託した事例分析の実施の事務に従事した者は、その実施に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
4  前三項に定めるもののほか、第一項の規定による援助に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

第七条  国家公安委員会、総務大臣及び経済産業大臣は、アクセス制御機能を有する特定電子計算機の不正アクセス行為からの防御に資するため、毎年少なくとも一回、不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況を公表するものとする。
2  前項に定めるもののほか、国は、アクセス制御機能を有する特定電子計算機の不正アクセス行為からの防御に関する啓発及び知識の普及に努めなければならない。

(罰則)
第八条  次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一  第三条第一項の規定に違反した者
二  第六条第三項の規定に違反した者

第九条 第四条の規定に違反した者は、三十万円以下の罰金に処する。

・・・という罰則になってます。

(ではまた。)

December 2, 2006

知らなきゃよかったストックオプション(第1回:売却のマーケットインパクトを考える)

ストックオプションというのは、会社法上のものであるだけでなく、税務が切っても切り離せないものであり、売却時には証券取引法も関連し、費用計上の会計上の知識、金融工学的知識も必要で、おまけにインセンティブですから労務の観点も必要で、考えれば考えるほど、ディープな世界が広がってきます。
ということで、「知らなければ幸せに暮らせたのに、知ってしまったばっかりに、つまらんことで悩まないといけない(かも知れない)」というシリーズをいくつか。

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第1回目は、「売却のマーケットインパクトを考える」。
ご案内のとおり、ストックオプションの行使にはインサイダー取引規制(証券取引法第166条)は適用されませんが、行使で取得した株式の売却はもちろんインサイダー取引規制の対象となります。
このため、日本の実務では、(決算に関するインサイダー情報がない)四半期決算の開示の直後、概ね2週間くらいの間に売却をしている上場会社が多いのではないでしょうか。

しかし、この方法は、インサイダー取引規制を回避するにはいいかも知れませんが、役員等の売却が、年間4回の特定の短い期間に集中し、決算発表直後の需給を悪化させる可能性があります。
銘柄の流動性に比べてストックオプションの量が少ない企業はさておき、一般に、マーケットにインパクトを与えないように、もっと、分散して売却する方法はないでしょうか?


アメリカではどうしているのか
米SECのEDGAR で企業の開示書類を検索すると、「Form4」という様式がズラズラズラーと並んでいます。
(Googleの

Form 4とは、Wikipediaによると、

Every director, officer or owner of more than ten percent of a class of equity securities registered under Section 12 of the '34 Act must file with the United States Securities and Exchange Commission a statement of ownership regarding such security. The initial filing is on Form 3 and changes are reported on Form 4. The Annual Statement of beneficial ownership of securities is on Form 5. The forms contain information on the reporting person's relationship to the company and on purchases and sales of such equity securities.

とのことで、アメリカでは取締役や執行役の自社株の売買は、全部報告されて簡単に閲覧できるんですね。(初期値が「Form 3」、年間報告書が「Form 5」で、異動が「Form 4」。)

また、EDGARは、提出者コードで一発で抜き出せますので、たとえばGoogleのCEOのEric Schimidt(0001242463)のForm 4を抽出してみると、 下記のURLのとおり。

http://www.sec.gov/cgi-bin/browse-edgar?type=&dateb=&owner=include&count=100&action=getcompany&CIK=0001242463

ストックオプションを行使して月初と月末の売却が多い気がしますが、四半期ごとということはなく、毎月バラバラと売却されています。
毎月、売却してOKなんでしょうか。

個別の開示書類()を見てみると、「7. Nature of Indirect Beneficial Ownership」という欄に、「By Trust」とか「By Limited Partnership I」などとあって、本人が直接売却当事者になるのではなく、信託等に売却をまかせている、ということでしょうか?


日本での法令
日本では、信託等に株式を預けて、そこで年間に分散して売却してもらう、ということは法令上可能なのでしょうか?


会社関係者等の特定有価証券等の取引規制に関する内閣府令
(重要事実に係る規制の適用除外)

第六条  法第百六十六条第六項第八号 に規定する上場会社等の第一項 に規定する業務等に関する重要事実を知る前に締結された当該上場会社等の特定有価証券等に係る売買等に関する契約の履行又は上場会社等の同項 に規定する業務等に関する重要事実を知る前に決定された当該上場会社等の特定有価証券等に係る売買等の計画の実行として売買等をする場合のうち内閣府令で定める場合は、次に掲げる場合とする。

一  業務等に関する重要事実を知る前に上場会社等との間で当該上場会社等の発行する特定有価証券等に係る売買等に関し書面による契約をした者が、当該契約の履行として当該書面に定められた当該売買等を行うべき期日又は当該書面に定められた当該売買等を行うべき期限の十日前から当該期限までの間において売買等を行う場合

二  業務等に関する重要事実を知る前に証券会社との間で信用取引(証券取引法第百六十一条の二に規定する取引及びその保証金に関する内閣府令 (昭和二十八年大蔵省令第七十五号)第一条 に規定する信用取引をいう。第八条第一項第二号において同じ。)の契約を締結した者が、当該契約の履行として証券取引所又は証券業協会の定める売付け有価証券又は買付け代金の貸付けに係る弁済の繰延期限の十日前から当該期限までの間において反対売買を行う場合

三  上場会社等の役員又は従業員(当該上場会社等が他の会社を直接又は間接に支配している場合における当該他の会社の役員又は従業員を含む。以下この号及び次号において同じ。)が当該上場会社等の他の役員又は従業員と共同して当該上場会社等の株券の買付けを行う場合(当該上場会社等が会社法第百五十六条第一項 (同項 第百六十五条第三項 の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定に基づき買付けた株券以外のものを買付けるときは、証券会社に委託等をして行う場合に限る。)であって、当該買付けが一定の計画に従い、個別の投資判断に基づかず、継続的に行われる場合(各役員又は従業員の一回当たりの拠出金額が百万円に満たない場合に限る。次号において同じ。)

四  上場会社等の役員又は従業員が信託業を営む者と信託財産を当該上場会社等の株券に対する投資として運用することを目的として締結した信託契約に基づき、当該役員又は従業員が信託業を営む者に当該上場会社等の株券の買付けの指図を行う場合であって、当該買付けの指図が一定の計画に従い、個別の投資判断に基づかず、継続的に行われる場合(当該役員又は従業員を委託者とする信託財産と当該上場会社等の他の役員又は従業員を委託者とする信託財産とが合同して運用される場合に限る。)

五  第三号に掲げる場合を除くほか、上場会社等の関係会社の従業員が当該関係会社の他の従業員と共同して当該上場会社等の株券の買付けを証券会社に委託等をして行う場合であって、当該買付けが一定の計画に従い、個別の投資判断に基づかず、継続的に行われる場合(各従業員の一回当たりの拠出金額が百万円に満たない場合に限る。次号において同じ。)

六  第四号に掲げる場合を除くほか、上場会社等の関係会社の従業員が信託業を営む者と信託財産を当該上場会社等の株券に対する投資として運用することを目的として締結した信託契約に基づき、当該従業員が信託業を営む者に当該上場会社等の株券の買付けの指図を行う場合であって、当該買付けの指図が一定の計画に従い、個別の投資判断に基づかず、継続的に行われる場合(当該従業員を委託者とする信託財産と当該関係会社の他の従業員を委託者とする信託財産とが合同して運用される場合に限る。)

七  法第三十四条第一項第八号 に規定する累積投資契約により上場会社等の株券(優先出資証券を含む。)の買付けが証券会社に委託等をして行われる場合であって、当該買付けが一定の計画に従い、個別の投資判断に基づかず、継続的に行われる場合(各顧客の一銘柄に対する払込金額が一月当たり百万円に満たない場合に限る。)

八  業務等に関する重要事実を知る前に法第二十七条の三第二項 の規定に基づく公開買付開始公告を行った法第二十七条の二第一項 に規定する公開買付け等の計画に基づき買付け等を行う場合

九  業務等に関する重要事実を知る前に法第二十七条の二十二の二第二項 において準用する法第二十七条の三第二項 の規定に基づく関東財務局長への届出をした法第二十七条の二十二の二第一項 に規定する公開買付け等の計画に基づき買付け等を行う場合

十  業務等に関する重要事実を知る前に、発行者の同意を得た特定有価証券の売出し(法第二条第四項 に規定する有価証券の売出をいう。以下同じ。)に係る計画又は令第三十条 に定める公表の措置に準じ公開された特定有価証券の売出しに係る計画に基づき当該特定有価証券の売出し(証券会社が売出しの取扱いを行うものに限る。)を行う場合

この第1号は、もともと、銀行の持ち合い解消等に使われることを想定した条文だそうですが、これで重要事実等を知る前に四半期計画や年間計画を立てて、分散して売却するするという手はあるかも知れません。

しかし、2号の信用取引は関係ないですし、3号~9号の持株会や信託の利用、累投、公開買付等は、すべて「買い付け」のときだけで、「売却」を想定してません。10の売出も、ちょっと使いづらいでしょう。

ということで、日本でストックオプションを行使して得た株式の売却のマーケットインパクトをどう分散するか、「好業績を発表したのに上値が重い」という現象を防ぐ義務が、経営者にどこまであるか。
(もうなにか有効な対策を打っている日本企業はあるんでしょうか?)

考え出すと夜も眠れないシリーズ第1回でした。

(つづく。)

December 1, 2006

超マイナー事象と、wiki、市場メカニズム(小規模事業者へのブログの影響力:その2)

先日の私のエントリ「小規模事業者へのブログの影響力」については、思いのほか、いろいろなご意見をいただきました。

404 Blog Not Found「行列のできないお店の助け方」
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50701199.html

もし自分が気に入ったお店のWeb上での評判が異なるのであれば、自分はそう思わなかったという意思表明をしておくのが今の「ネティケット」かも知れません。
(中略)
だから磯崎さんのentryは、店の名前が出ていない所が片手落ちのようにも思われます。少なくともこれでは一般論として一般ネットサーファーが得る所はあっても、そのお店は救われません。もっとも、磯崎さんの立場上、特定のお店への肩入れというのもしにくいとは思いますが。


(「私の立場」はともかく)、実名を書くかどうかは、私なりにいろいろ考えました。

一つには、このような場合に実名で話をしてしまうと、助け舟を出すつもりが、ヤブヘビになることも多い。まっさらの状態ならともかく、微妙な問題になっている時に実名で助け舟を出しても、「実際行ってみたけど、やっぱりたいしてうまくないぞ」「まずい。氏ね。」ってな「祭り」が発生したりしたら、お店に対して申し訳ないことこの上ない。
実際、思いのほか あちこちのブログ等で取り上げていただいたので、やっぱり、実名書かないでよかったです。


また、私が申し上げたかったのは、個別の「インスタンス(具体例)」である一つの店の話ではなく、「ネットのリテラシーは乏しいが、小規模にビジネスをしている個人事業者的な人」という「クラス」についてだったから、であります。

つまり一般的に言って、「今の時代、ビジネスをする人であれば、ネットを積極的に活用するマインドがあったほうがいい」とは間違いなく言えるでしょうが、「それができないやつはダメなやつ」とまで言えるのか。もちろん、そこまで言いたくはないですが、一方で、現実は、初期条件(最初のコメントがポジティブかネガティブか、ネットに関するリテラシーがあるかどうか、など)の微妙な違いによって、天国か地獄かが大きく分かれる可能性が従来より格段に高まっているかと思います。ただ、そこまでネットの影響を深刻に考えてない個人事業主は、まだ世の中の8割くらいいるんじゃないかと思いますし、「ネットで何も起こらない」可能性が最も高そうでもありますが。

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議論を、より抽象化してみます。

(1) ある事象に関する意見の量が増えていけば、その意見の総体は、必ず、「正しい姿」に近づいていくのか?
(2) どんな事象に関しても、今後必ず、意見する人や意見の量は増えるのか?

換言すると、「wiki的なしくみ」は、どんなささいな事柄の説明にもうまく機能するんでしょうか?
確かに、みんなが知恵を出し合うwiki的なしくみによって、今まで取り上げなかったようなマニアックな事象についても、驚くほど専門家的な知識が形成されている事例はたくさんあるわけですが、だからといって、それはどんな些細な事柄の説明にも適用されうるのか。

なぜ、オープンソースの生産性は高いのか?
身も蓋もない答えを言ってしまおう。
生産性が充分高いプロジェクトしか手をつけられないからだ。

http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50617817.html
というお話も、非常に示唆的であります。

翻って株式市場の話。トヨタやソフトバンクについては、株式の取引量(流動性、liquidity)がふんだんにあるので、市場で形成される株価が、その企業の価値を表していると考えても、大きくははずれてないでしょう。
しかし、たとえばグリーンシート銘柄とか、香港のGEM市場など、極端に流動性が低い市場で形成される株価は、どの程度、その企業の価値を的確に表しているんでしょうか?また、将来的には、今のグリーンシート銘柄よりもっと小さいような企業まで、公開して取引することが「世の中のため」になるでしょうか?つまり、企業は情報開示すればするほど、モニタリングや市場メカニズムがより働くでしょうか?


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10年前の私の答は「yes」で、シンプルに、「世の中に出回る情報の量が増えれば増えるほど、経済学で言うところの完全競争市場に近づき、世の中『よく』なる」、と思ってました。が、最近は、「社会(人間)が処理できる情報の総量には上限があるんじゃないか」という気がしてます。
(平たく言うと、「みんな、それほどヒマじゃない」。)

ライブドアの第9期の「実態」は、有価証券報告書をじーっと見ていれば、かなり理解できたのではないかと思いますが、無料でダウンロードできるにもかかわらず、20万人の同社株主うち、何人がその開示資料を眺めたんでしょうか。20万人株主がいる会社ですらそうだったとすると、いわんや・・・であります。

つまり、あまりにマイナーなものについては、十分な量の情報が集まらないので、それに関するオープンな情報の総体が、それについての適切な情報に漸近的に近づいていくことにはならないんじゃないかと。
東京のメジャーなレストランについてはネット上の情報を見れば、かなりイメージはつかめるが、岐阜の山奥の駅前のさびれた中華料理屋については、これからも永遠に(web2.0的な)ネット情報では実態がつかめない・・・みたいな。

(ではまた。)