先週で、総会の準備も一段落し、家のリフォームもやっと終わって一段落してます磯崎です。
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さて、毎週月曜日に発行しております有料メールマガジン「週刊isologue」、今週第9号は、テレビ業界のビジネスのお話であります。
日常、われわれが接する情報のかなりの部分はマスコミ経由のものです。
しかし、そのマスコミでは、「マスコミ自身のビジネスに関する情報」が伝えられることは、あまりないんじゃないでしょうか。
特に現在、世界のマスコミは大きな転換点を迎えています。それは、インターネットや携帯電話の登場で、情報がいつでも自由に、限りなく安く手に入るようになってきたため、世界の「情報の流れ方」が大きく変化しつつあるからです。
また、テレビ局は伝統的に、視聴料金ではなく、広告収入を売上の柱としてきました。
ネットは、メディアのボリュームに上限がありませんが、テレビは、よくも悪くも構造が寡占で、なかなかパイを増やしにくい面があります。
このため、海外では、ネットの広告費がテレビのそれを上回る国も出て来て来る昨今ですが、日本もそうなっていくのでしょうか?
今年2月に発表された、電通さんが行った調査「2008年(平成20年)日本の広告費」
http://www.dentsu.co.jp/marketing/adex/adex2008/index.html
によると、
テレビ、新聞、雑誌、ラジオの「マスコミ四媒体広告費」、いわゆる「4マス」の広告費は対前年比7.6%の減少で、4年連続での減少になります。
これに対してインターネットの広告費は、いまだに16.3%という高い伸びを示しています。
このままの伸び率で行くと、今年は、ネットの広告費が新聞を抜く可能性大ですね。
(ただし、ネットというのは、テレビと対極で参入障壁が全く無いので、ネットの広告費全体は伸びていても、個々の媒体が儲かってウハウハかというと、ちょっと様相は違うと考えますが。)
図表1.媒体別広告費の伸び率と構成比(出所:電通「2008年日本の広告費」)
一方で、全広告費に占めるテレビのシェアは、いまだに28.5%もあって、「4マス」の中ではダントツの1位であります。
今月、小中学生を対象とした進学塾である栄光ゼミナールが、JR東日本のドア上に出している車内広告のコピーは、
「世界一テレビ漬」
で、IEA国際数学・理科教育動向調査(2007年)をもとに「日本の中学生は1日平均2.5時間テレビを視聴。世界49カ国の中で最長。」としています。
裏を返せば、それだけ日本のテレビは「おもしろい」「魅力的な」番組を提供しているということにもなるかと思います。
私は、一日にかなりの「量」のテレビ番組を見ますが、テレビはほとんどHDDビデオに録画して、見る必要がない部分やCMは、飛ばしたり早回ししたりしているので、日本のテレビ番組の「おもしろさ」を感じていると同時に、広告媒体としての認識が日増しに薄まっている印象はあります。
以上のような問題意識の下、今回は、在京キー局を中心にテレビ局にスポットをあて、戦略的ファイナンス的な側面から、テレビ局の経営が今どうなっているのか、について考えてみました。
ライブドア事件が起きる前までは、テレビ局は(上場はしているけど)、ファイナンスの理論や法律に従って何かを考えるとか実行するといった観念があまりない業界、というイメージが強かったのではないかと思います。
(「私がそう思う」というよりも、ギョーカイの中の方々自身が、みなさん、「うちは、あんまりそういうこと考えて行動する会社じゃないからねー」といったことをおっしゃいますので。)
しかし、やはり「ライブドア」「村上ファンド」等の影響が非常に大きかったということだと思いますが、開示資料をつぶさに見て行くと、ここ数年、「ギョーカイ」にも、徐々にファイナンス戦略的な取り組みは増えてきているのではないかと思います。
特に、昨年度のテレビ業界は、ファイナンス的に見ても、非常に面白い1年だったと言えると思います。
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ということで、今週は、
- 村上ファンド、ライブドアから現在までのテレビ局各局の「資本政策」の動向
- 放送法の「認定放送持株会社」への移行と、「官製買収防衛策」
- フジテレビの「セシール」買収と、ライブドア(LDH)との和解の関係?
- 楽天のTBSに対する「反対株主の株式買取請求権」
- テレビ朝日、日本テレビ、テレビ東京の大株主動向
- 決算短信等から分析する、各社の業績動向
- 「資本市場の洗礼」を受けたフジテレビ、TBSと、その他の企業のビジネスの違い
- 周波数オークションって、日本のテレビ局の実態に照らして、どうなの?
- 平成21年3月期の各社決算短信など、資料URL
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