日経新聞夕刊の「明日への話題」は愛読させていただいてるコラムの一つなのですが、今週水曜日の経済学者 佐和隆光氏の「政治算術」という文章の最後の方で、
社会科学の使命は、社会の仕組みを論理的に解明することだ。歴史を抜きにして社会現象を語るのもまた言語道断。論理や歴史を捨象し、インターネットで労せずしてデータを読み取り、エクセルで演算してグラフを描くパソコン経済学者の浅薄な所説は、もういい加減にしてもらいたい。
とおっしゃっていて、【追記:前半部分は】まったく同感なのですが、その「パソコン経済学者」とは、具体的にどこのどういった方(々)を指してらっしゃるんでしょうかねえ?
(ではまた。)
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浅いかどうかは別にして、インターネットで労せずにデータを取って分析することが、何がいけないのかよくわかりません。分析内容が浅いことに対する怒りなら良いですが、データの取得方法を否定するのは、それこそ浅い気がします。
例えば、投資をするうえで決算短信、有価証券報告書、外株なら8-k、10-Q、10-kは必読だと思いますが、これらはとても簡単にネットで入手できます。ここから、様々な分析ができ、仮説を立てることもできます。これの何がいけないんでしょうか。。。
重要なのは、分析内容ではないですかね。
文脈からすると、佐和先生の意図としては、「論理や歴史を捨象し、」が、その後全体にかかってくるんでしょうね。
私の元の文章が、全面的に佐和先生に同意しているようにも取れたので、意味の明確化のために「『前半部分は』まったく同感なのですが」と追記させていただきました。
(取り急ぎ。)
経済白書の2005年度版の分析手法について、「バターを鋸で切る」と評した、佐和さんですから、最近の計量経済学の方向性そのものを批判しているのでは。
仮説を考えずに、徒に複雑なモデルで、相関と因果関係をごっちゃにしたような議論をおこうなうことを批判しているのだと思います。
そして、その劣化コピーとしての「パソコン経済学者」だと思います。特定の人を批判すると行った、レベルの低いことは佐和さんはしないでしょう。
(遅レスで恐縮ですが)、
Ted Takimotoさん、大変参考になるコメント、どうもありがとうございました。
(取り急ぎ御礼まで。)