【6/19 10:53、11:46 追記あり。】

5月11日にお届けした有料メルマガ週刊isologue第6号「『ライブドア』は今、どうなっているか？」でも考察しましたが、本日の日経新聞朝刊によると、やはり「ライブドア」（現LDH）が、今月26日の株主総会で大量（合計680億円）の現金配当を行う決議をするようですね。

3月期の有価証券報告書の提出は26日の総会後になると思いますが、【追記：コメント欄で教えていただきましたが、21年3月期決算は、LDHのホームページですでに開示されてました。】

記事によると、

約１２００億円の純資産を持つ

とあり、昨年9月末の半期報告書に記載されていた単体貸借対象表の純資産額1632億円より、約400億円減少しているようです。

【追記：21年3月期決算によると、連結純資産が1881億円、単体純資産が1765億円であって、日経の上記記事の1200億円というのは、どこから出て来たんでしょうか？すみません、20年3月末分を見てました。大変失礼いたしました。】

この減少要因のうち、約310億円については、今年1月に行われたフジテレビとの和解で支払うことになった賠償金ですね。
（積んでいた訴訟損失引当金と対応する部分がどの程度あるかということもありますが。）
また、【追記：以下は5月のことですから3月期には反映されてませんね。失礼しました。】6月1日にお届けした週刊isologue第9号「テレビ業界は今、どうなっているか？」に書きましたが、フジテレビが、LDHが保有している分も含め通販会社「セシール」をTOBで買うことにしたので、その売却益や、その他の事業での損益等の合算になるかと思います。

また、記事によると、

ＬＤＨとして配当するのは今回が初。
ただ約１７％保有する堀江貴文・元ライブドア社長には支払わない。

とのことですが、昨年9月末時点での大株主(上位10名)は、17.25%を保有する堀江氏を除いても、モルガンスタンレー、クレディスイス、ステートストリートバンク、ゴールドマンサックスといった大手外資系金融機関で約65％を占めるので、可決されるのは確実でしょうね。
特定の大株主に支払わないというのは珍しいケースだと思いますが、LDHは堀江氏に対して約345億円＋遅延損害金の支払いを求めていますので、それと相殺する、という感じでしょうか。
（LDHのプレスリリースが見当たりませんので、法律上どう考えてらっしゃるのか詳細はよくわかりません。）

ちなみに、記事にある合計680億円は堀江氏分を除くのか含むのかわかりませんが、仮に除いた額（82.75%分）だとすると、堀江氏に支払われない分(17.25%)の配当は141億円程度に相当することになります。
（賠償請求している額に、あと約200億円足りない。）

3月末の貸借対照表がまだ開示されてませんが、昨年9月末の単体のキャッシュが約1362億円で、純資産のマイナスが400億円で資産処分が多少進んでいるとしたら、ざっくり1000億円程度のキャッシュから680億円配当するので、残りのキャッシュはもう400億円を切っているかも知れませんね。
（資産処分が進んでいれば、もっと手元現金は多いかも知れません。）

【追記：現預金が1076億円でした。なかなかいいguessでした。
また、フジテレビとの和解による損失などが315億円計上されています。3末の訴訟損失引当金は223億円。】

昨年9月に計上した訴訟損失引当金は約108億円でしたが、LDHが受けている訴訟の合計額は当時で800億円程度あったし、実際にフジテレビに310億円支払ったので、LDHの訴訟損失引当金の見積もりは甘めなんじゃないかとも考えられますが、3月期ではどのくらい引当金を計上したんでしょうか。

【追記：3月期末の訴訟損失引当金は223億円になってます。】

LDHの持っている残りの最大の資産は、ライブドア(事業)の株式じゃないかと思いますが、これがいくらくらいで売れるのか（売る気があるのか？買うとしたら誰か？）も興味深いですね。

（「フジテレビ」が [50億円くらいで] 買ったりしたら、面白過ぎですが・・・。）

以上、取り急ぎ。

（ではまた。）

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