先月、週刊isologue第60号で「ソフトバンクの分離案(「光の道」関連)を読む」を書いたところ、今月に入って、ソフトバンクさんから資料について説明したいというご連絡をいただきました。
「何かまずいこと書いちゃって怒られるのか?」
と、ちょっとドキドキしながらお会いしたら、全く逆でして、
「この試算に対して定性的な意見は出たが、今のところ数字をベースにした反論が全く無い。
議論されてこそ作ったかいもあるというもので、この数字をもとにした議論は歓迎。」
とのことで、算定根拠や参考になる公表資料などを丁寧にご説明いただきました。
大間違いを書いてしまったというわけでもなさそうでホッとするとともに、そこそこ話題になっている話なのに、数字に関する反論が一件も無いという事実に、かなりビックリした次第です。
言われてみると確かに、巷の議論も、
「昔も似たような分割の議論があったけど無理だった」
「孫さんがんばれー」
「ソフトバンク態度でかすぎ」
といった議論ばかりな気がします。
文学や哲学の話じゃなくてビジネスの話なんだから、数字をベースに議論しないと意味がないですよね?
重要なのは、それぞれの関係者にどういう数字上のインパクトや、メリット・デメリットがあるか、ということのはず。
もちろん、「光の道」について数字的に語れる人が私以外誰もいないなんてことがあるわけがなく、そういう人は恐らく、監督官庁や電気通信事業者に勤務していたり取引がある方など、立場上、本件について発言しにくい立場にある方だというだけだとは思いますが。
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さて、ソフトバンクさんからは「アクセス回線会社」の収支についてのご説明はいただいたものの、NTTからの具体的な分離方法については立場上言いづらい面もおありでしょうし、実際、具体案のご呈示もありませんでした。
そこで今回は、先日のUStream上での孫社長、池田信夫氏、夏野氏の対談も踏まえた上で、私の方で勝手に、NTTから「光の道」を分離する方法が財務的にどういうイメージになるのかを考えてみます。
また、「光の道」の新会社「アクセス回線会社」の財務諸表のイメージは、現行の会計基準に準ずると、ソフトバンクの試算とは、かなり違う形になると考えられます。
そして、さらにこれを一ひねりしてやると、国・NTT・新会社それぞれにとって「三方一両得」になるスキームも組めるのではないかと思います。
(今回までの検討はソフトバンクの試算をベースに出発しており、それ自体の数字はまだ検証しておりませんが、それをベースにする限り)、国費の投入が不要なだけでなく、逆に、法人税等の税収が数千億円増えるメリットを国にもたらすことも可能ではないかと思います。
(今回は、「光の道」による技術革新や成長等のインパクトは考慮していません。)
ということで、今週の目次&キーワード:
- なぜ、池田信夫氏が言うように「『光の道』を国費の投入無しで民間でやって採算が合うなら、NTTがやればいいはず」とはならないのか?の財務的説明
- 「減損」って何?
- 事業分離スキームのイメージ
- 株式の現物配当による分離
- NTT、NTT東日本、NTT西日本3社の配当余力
- 新会社「アクセス回線会社」の自己資本比率イメージ
- 「メタル資産」1.6兆円はどこに消える?
- 国・NTT・新会社「三方一両得」な方法
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(ではまた。)
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