私の初めての単著で「起業のファイナンス」という本を書きました。
ベンチャーにとって一番大切なこと
日本実業出版社
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本日(30日)よりアマゾンで発売開始し、明日より書店店頭にも並ぶようになります。
(すでに一部書店では店頭に並んでいます。)
今までも起業に関連する本はたくさんあったと思うのですが、起業してから上場(またはバイアウト)するまでに、投資家とどういった交渉をしながら、どのように資金を調達するかといった全体像を「お金」の面からイメージがわくように解説した本というのは、あまりなかったんではないかと思います。
この本で最も述べたかったことは、(個別のベンチャー企業の方の役に立つことはもちろんですが)、日本のベンチャーの「生態系」をもっと発達させる必要がある、ということです。
日本は戦後、銀行の融資(間接金融)で急速に復興を遂げましたので、社会の体質やモノの考え方が全体的に「銀行っぽく」なっちゃってます。
つまり、銀行の資金は基本的には「まず絶対に潰れない」対象にしか融資できませんが、高度成長時代はとっくに終わり、時代は「今まで誰もやったことが無いようなこと」にチャレンジすることが求められています。
そして、優秀な人々をそこに呼び込むには、失敗しても経営者が個人保証で立ちいかなくなるといったことが無い「リスクマネー」が必要になります。
しかし、銀行1行の「ワンストップ」で済む融資と異なり、株式で資金調達するには、起業家の他、投資家(ベンチャーキャピタル・エンジェル、事業会社等)、弁護士、公認会計士(監査法人)、税理士、司法書士、証券会社、証券取引所等、実に様々な人のサポートが必要になってきます。
ウサギとライオン2種類だけで自然界が回っているのではないのと同様、「自然な」ビジネスの世界も極めて多くの主体が関与しているわけです。
そして、起業しようという人やベンチャーに就職しようという人が増えないと、そうした専門家やサポーターなども食っていけませんし、そうしたサポーターがいないとベンチャー企業も成長できません。
このように「卵とニワトリ」なところがあるので、「それ、即効性のある景気刺激策なの?」と聞かれればそうではないと思います。
しかし、停滞する日本経済を再び活気のある社会に戻すためには、まさにこのベンチャーが重要。
ベンチャーというと「何か特殊な会社」と思われるかもしれませんが、ベンチャーというのはつまりは、社会の中で新しい需要や供給が自発的に生み出されるしくみのことであり、ベンチャーがうまくいく社会は、つまりは経済が活性化し成長できる社会だと考えられるわけです。
新しいことは既存企業の中でやってもいいわけですが、例えば、今なら世界的にはとても通用しないような生ぬるい企画書が会議で通っているといった領域の大企業が、そうした新興企業達からの猛烈なチャレンジを受ければ、それがその企業にも刺激になり、経済全体が活発になっていくはずです。
というわけで、この本は、これから起業を考えている方、資金調達して急成長しようとしている方だけでなく、ベンチャー企業をサポートできる専門家の方々や政治家や官僚の方々等にも幅広く読んでいただければと思います。
学生や専門家の卵の方にも、 社会の動きや会社法、税務などの全体像をつかんでいただく役に立つのではないかと思います。
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【目次】
第1章 ベンチャーファイナンスの全体像
第2章 会社の始め方
第3章 事業計画の作り方
第4章 企業価値とは何か
第5章 ストックオプションを活用する
第6章 資本政策の作り方
第7章 投資契約と投資家との交渉
第8章 種類株式のすすめ
【内容と構成】
第1章「ベンチャーファイナンスの全体像」
ベンチャー企業とは何か、なぜ株式で資金調達をするのか、日本のベンチャーの資金に関連する全体像、など。
第2章「会社の始め方」
起業をするのにスタート時の設計が最も重要であること、どんなゴールを目指すかを考えること、など会社設立の基本的なことに加え、会社設立の実際や現物出資などについて。
第3章「事業計画の作り方」
事業計画とはどういったものかについて説明。
事業計画は分厚いものを作れば作るほどいいわけではありません。事業計画を通じて、ベンチャー企業が成功するというのは、そもそもどういうことか、についても考えてみます。
第4章 「企業価値とは何か」
ベンチャーファイナンスにおいて核となる概念「企業価値」。
「企業価値とは何か」についてイメージが持てれば、ベンチャーのファイナンスもわかるし、ファイナンス全体が理解できるといってもいいかもしれません。
第5章「ストックオプションを活用する」
ベンチャー企業の最大の武器の1つである「ストックオプション」について。
ストックオプションとは何なのか、ストックオプションをどう使えば効果的なのか、ストックオプションで陥りやすいミスは何か、などについて考えます。
第6章 は「資本政策の作り方」
ベンチャー企業は、資本政策で失敗する例が多いので、非常にもったいないのです。
ベンチャーにおける資本政策がなぜ重要なのか、資本政策はどうやって策定すればいいのか、どういう失敗が多いのか、いい資本政策とはどのようなものか、などについて考えてみましょう。
第7章「投資契約と投資家との交渉」
投資家は、株主となって一緒に会社を経営する「仲間」になる人ですが、投資してもらう過程では経営者と利益が相反しますので、交渉が必要になります。投資を受けるまでのプロセスがどのようになっているか、投資契約のどんなところに気をつけなければならないか、などについて考えます。
第8章 「種類株式のすすめ」
アメリカでは「優先株(Preferred Stock)」としてベンチャー投資の常識になっているのに、日本ではまだ活用が進んでいない「種類株式」について、どういった場合に役に立つのか、なぜ それが必要になるのか、について考えてみます。
(ではまた。)
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おめでとうございます。
出版についてはいろいろお考えがあったと記憶しておりましたが、何はともあれ、こうした本がでたことを喜んでいます。
おめでとうございます!
文体がやわらかく、とても読みやすい本ですね。
勉強になります。
今後ともよろしくお願いします!
おめでとうございます!
電子書籍化のご予定はありますか?
大変ご無沙汰しております。現在はベンチャー支援業務から遠ざかっておりますが、何れまた斯かる業務へ戻りたいとおもってます。
この本はその予習本として楽しませて頂きます。
みなさんどうもありがとうございます!
電子出版の予定は今のところまったくありません。(「ポリシーとして絶対やりたくない」といったわけではないので念のため。)
引き続きよろしくご指導ご鞭撻のほど、お願い致します!
『起業のファイナンス』を読んでお客さんとの距離を縮める
ネット上ではIsologueの人として有名な礒崎哲也氏の著書『起業のファイナンス