週刊isologue(第99号)「春のMBO祭り」(その2)

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幻冬舎の臨時株主総会は、結局、イザベル・リミテッドの議決権を持つ立花証券は欠席して幕引きとなりましたね。

先週号でお伝えしたとおり、立花証券側としては、よほどイザベル・リミテッドの実質的運営者と関係が深い、といったことでもない限り、ほとんどメリットは無いはずですからね。

さて、先週も少しだけ触れたとおり、現在展開されている「春のMBO祭り」の中でも、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下「CCC」)のMBOは、時価総額も1000億円規模と大きく、プロセスも非常にきちっとしていて教科書的なんじゃないかと思います。

その一方で、TOBする価格はDCF法で算定された下限を下回り、公正な第三者である独立委員会もTOBに応じることを推奨せずに中立の立場をとっています。

このCCCのMBOは、「いいMBO」なんでしょうか?
それとも「けしからんMBO」なのでしょうか?

今週は、このへんを開示資料等から考えてみたいと思います。

 

(目次とキーワード)

  • MBOする側の「本当の気持ち」はわかるか?
  • 開示資料から意図を考える
  • 上場したままでは大胆な経営改革はできないのか?
  • MBOするとCCCの財政状態はどうなるか?
  • MBOされる各社のPBR、PER
  • 財幻冬舎とCCCのMBOは大違い
  • どうやってフェアさを担保しているか?
  • 「マジョリティ・オブ・マイノリティ」登場!
  • 「DCF法の下限以下」というTOB価格は許し難いか?
  • DCF法の性質
  • 想像されるキャッシュフローと割引率の考え方
  • まとめ

 

(ではまた。)

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1 thoughts on “週刊isologue(第99号)「春のMBO祭り」(その2)

  1. MBOでの株式評価について、可能でしたら、教えていただけませんでしょうか。
    最近のMBOでは、PBR1倍割れものものも多いです。
    サザビーリーグ(7553)は1株当たり純資産2800円のところ、2000円でのMBOが成立しました。
    さらに、サザビーリーグはスターバックスコーヒージャパン(2712)の大株主でその含み益を考慮すると、実質的な純資産は4000円になります。
    会社側、買収者が発表する株式評価方法は過去の株価やDCF法などは使いますが、純資産を考慮したものは見たことがありませんが、これはなぜでしょうか。
    会社が効率に利用していない資産を持っていれば、MBOでの買収者は大変な利益を得ることになってしまいます。