いろいろ物議を醸しているMSCB(Moving Strike Convertible Bond)の実態に非常に興味があったので、現在、分析中です。
過去1年間(平成15年10月から16年9月まで)に日経新聞に掲載された転換社債の公告をすべて見て、その当初転換価額、修正条件、修正幅の上限・下限、等について分析中。
(公告の例)
以前、同様の(体力勝負型)分析をした株式分割の統計が、(ごく一部の)専門家の方に大好評を博しましたので、調子に乗ってやりはじめては見たものの・・・さすがに単なる分割とは違って、条件がいろいろ複雑なので、非常に時間がかかります・・・。
とりあえず、本日のところは途中経過の感触まで、ということで、詳細は後日また。
・1年間の転換社債の発行の公告は210件程度。(ワラント債タイプは皆無の模様。)
今のところ55件くらいまで分析終了。
・(意外なことに)今や、何の転換価額修正条項も付いていない転換社債の方がめずらしい。(全体の2割程度)
・ただし、修正の条件は、「お上品」なものから「なんじゃこりゃ」というまで多種多様。
・全体の3割は上方・下方どちらにも動くタイプ。ただし、やはり3割くらいは、下方修正条項しかついていない。(一度下がったら上がらない。)
・期間中、1回とか2回だけ修正するという「お上品」なものもポツポツあるが、主流は、「毎月」転換価額が修正されるパターンのもの。
・三菱自動車の優先株は、修正にBloombergの「売買高加重平均価格」の平均値をとってましたが、転換社債では今のところ「終値」の平均値を使うものしか見てません。終値関与的なアタックに対しては、どうなんでしょうか。
・たいていは5日以上の終値の平均値をベースに修正するパターンなのですが、3日というのも結構あります。中には前日の終値のみで修正というものも・・・。(あんぐり。)
・下限価格が無いものもあります。(!)
ちなみに、Googleなどで「Moving Strike Convertible Bond」を検索してみると、日本語のページしか引っかからないので、これは、和製ファイナンス用語なんでしょうね。
(今後の予定)
とりあえず、現状発行されている条件のパターンを統計化し、ゆくゆくは、それらの条件毎にオプションの理論的価値がどれくらい違うのか、というのを分析してみたいところですが。
(本日は、これにて。)
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以前、トラックバックをさせていただいたのですが、コメントを書かせていただくのは初めてになります。グーグルのS-1、インボイスのSO等、私の関心とかぶる部分を、毎回深く論じられているので楽しみに拝見させていただいております。
今回のMSCBの分析の行方も大変気になるところです。お忙しいとは思いますが、分析結果を気長に楽しみにしております読者がいることをお忘れにならないでいただけると嬉しいです。ではまた。
児玉様
いつもお読みいただいて、どうもありがとうございます。当方も、いつも拝見させていただいております。
作業は単純なんですが、一日30件ペースとか、すごいのんびりしたスピードでしか進みませんで・・・・。
よろしくお願いいたします。
ではでは。
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