昨日までは、大和さんが法律に違反しないようにスキームを組んだとしたら、どのようなスキームの流れだったんだろうというのをいろいろ推測してみたわけですが、結論として、新聞等の報道を重ね合わせると、やっぱり、信託受益権を売買したというのが一番つじつまが合うかなあというところに落ち着いてきたわけです。
ニッポン放送が「知らなかった」場合
今度はニッポン放送の側から見たらどうでしょうか。
もし、フジテレビとニッポン放送の相談にもいろいろ乗っている大和さんが、両社に断りもなく黙って鹿内家と8%もの株を売買したのだとしたら、法律に触れるかどうかはともかく、ちょっとナニですよね。
ニッポン放送が「知っていた」場合
一方、大和さんはフジテレビやニッポン放送の意を汲んで、鹿内家から信託受益権なり株なりを譲り受けたとしたら、ニッポン放送の開示としてはどうすれば良かったんでしょうか?
これ、信託にどういう契約が付帯しているかにもよりますが、もし、やはり昨年5月に信託受益権は売買されていて、実質的に鹿内家にニッポン放送株が戻ることはないという契約になっており、もしニッポン放送がそれを知っていたとすると、たとえ株主名簿や大量保有報告書では昨年5月時点では鹿内家が株主になっていたとしても、ニッポン放送は大株主の状況の注記などで、「鹿内家所有の株式は実質的には大和証券SMBCが取得しています」というのを開示しないといけなかったんじゃないでしょうか?
もし鹿内家−大和間の取引の実態を知ってたら、昨年暮れに、あれだけ金融庁や東証から「株主関係についての開示をちゃんと見直せ」と言われて、訂正報告書を山のように出したにもかかわらず、そこについて一言も触れないというのは、許されないんじゃないでしょうか。
だって、コクドの名義になってる株が実質は堤家のものだと西武鉄道が知っていたというのとまったく同じ性質の話ですよね?
昨日までの、「証券会社が守るべき法律の話」というのは、一般の方はほとんどご興味がなかったのではないかと思いますが、「放送局の有価証券報告書の”虚偽”記載」という話になると、マスコミさんもがぜん目がキラーンと光るかも知れません。(結構、株主関係で訂正報告書を提出したマスコミって多いので、お互いにそこの傷には触れないという暗黙の了解ができあがっているかも知れませんが。[苦笑])
以上もあくまでニッポン放送さんが実質的に売買されたのを知っていたらとしたら、のお話ですので念のため。
残された謎
信託受益権を昨年の5月に売買して取得していたとすると、なぜ1月4日に信託契約を解除して大和さんは株券を取得しちゃったんでしょうか。もし、この信託受益権を使ったのが、秘密裏に株式を移動するための手段だったとすると、せっかくここまで引っ張ったんだからTOB発表後まで秘密のままで引っ張るとか、TOBにも信託勘定として応募するとか、もっとこっそりやる方法はあったんじゃないかと思いますが。
1月4日に取得して1月7日に発表というのも未だにナゾですよね。発表を1月7日にしたかったのなら、1月7日に取得して1月7日に発表してもよかったのに、なぜ1月4日だったんでしょうか。
いずれにせよ、今回の一連の流れは、「あちらを立てればこちらが立たず」で、関係者全員が無傷というわけにはいかない感じもします。
「こういう解釈をすれば、全員、ピカピカの真っ白ですよ」というアイデアがありましたら、どなたかご教授いただければ幸いです。
(ではまた。)
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【質問です】
突然の送信恐縮です。
いつも、(もとい)ちょくちょく拝見し楽しませていただいている1フアンです。
”ニッポン放送株〜”へのコメントではありませんが、磯崎殿にお願いがあります。
本日付でJASDAQ7638;シーマが1:101に株式分割を行いました(権利落日)26日だったと思いますが、直後から7638-1:シーマ(新)として売買が行われています。これはいったいどういうことなの?と気になって仕方がありません。7638と7638-1は同じ銘柄なのに、株価が異なります。どうしてこうなるのか、BLOGのお題に取り上げてはいただけないでしょうか?最近大きな株式分割は株価を一時的に高騰させる手口にしか見えないのですが、できれば裏話も交えて【株式分割】を取り上げていただきたい。
どうも、「越後屋、御主も〜。」みたいなことがありそうで、気になります。ご多忙中、恐縮ですがよろしくお願いいたします。
コメントどうもありがとうございます。
折を見て取り上げてみたいと思います。
ではまた。
シーマの(新)は、株式分割に伴って発行される新株の発行日決済取引ですね。
JASDAQも、取引所になってようやく本当に発行日決済取引ができるようになりました。
こんにちは。とうとうライブドアが参戦したようですね。今丁度ニュースで知りました。
下手なドラマを見ているより面白いです(笑)。
ほんとだーhttp://www.nikkei.co.jp/news/main/20050208AT2E0800108022005.html
ありがとうございます。