今回は、9つある全米ベンチャーキャピタル協会の契約ひな型集の最後の文書、役員補償(免責)契約についてです。ついに雲の切れ間に山頂が見えてまいりました。
今の日本ではまだ、投資家の代表がベンチャーの社外取締役になるケースは少ないし、なったとしても、ベンチャーとは良好な関係にあることが多く、訴訟などの形で紛争が表面化する事例はほとんどゼロではないかと思います。しかし、コーポレート・ガバナンス、コンプラ、セクハラといった他の社会規範と同様、ベンチャーの領域においても今後、日本も徐々に米国の様相に近づいていくと思いますし、「そもそもベンチャーの役員になるということによって、どういったリスクや負担が生じうるのか」といったことについて整理するためにも、この契約書のひな形は参考になるのではないかと思います。
目次とキーワード
- ひな型作成者によるイントロダクション
- 取締役就任者個人の補償と派遣元ファンドの補償
- デラウエア州会社法145条(取締役、執行役員、従業員、代理人等への補償に関する規定)
- デラウエア州会社法102条(b)(7)項(取締役を金銭的な責任から保護する定款の規定)
- 補償契約を締結する意味
- 取締役に対する補償と執行役員に対する補償の違い
- 取締役と執行役員を兼務する(CEO)などの場合
- 会社による補償とD&O(役員責任)保険の意味
- 会社の意思決定との関係
- 会社が支払不能になった場合
- 法や行政(SEC)が認める補償の範囲との関係
- 契約書冒頭部(WHEREAS Clause)
- なぜこの契約書で補償を定める必要があるのか
(人材確保とインセンティブ、リスク、株主の利害)
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