水冷パソコンがやってきた

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立て続けにパソコンが壊れたという話をお伝えしましたが、一発目のパソコンが壊れたとき、(こんなこともあろうかと)、NECさんの水冷パソコンをネットで見つけて衝動買いしてしまったんですが、それが発売日の今日(15日)、さっそく届きました。
いやー、今まで使ってた某外資系激安パソコン(17インチモニタ付で7万円台)とは違って、静かでんなー。
おまけに、パソコンなのにハードディスクが「RAID5」ですと。
ハードディスク150GBを3台ぜいたくに使って、Intel 82801GR/GH というRAIDコントローラーが、データを3つのディスクに分散して書き込んで、その分、ディスククラッシュ等に強くなっております。
RAID=「Redundant Arrays of Inexpensive Disks」ってくらいで、ディスクが安くなったからこそできる業ですな。
(コンピュータ用語なのに、「inexpensive」という経済的な概念が入ってるところが、変わってますよね。)
以下、じじいのむかし話
私が社会人になったころ(1984年)には、メモリは640KBもなかったかも。(20年で3万倍。)ハードディスクなんてもんはパソコンには付いてませんで 8インチのフロッピードライブしかなかったので、外部記憶はざっと10万倍の桁になったということでしょうか。
CPUに至っては、もろにムーアの法則、という感じ。
ただ、仕事の中身が20年でどれだけ進化したか、というと、どうでっしゃろな?という感じではあります。
たとえば、あるプロジェクトの将来キャッシュフローを計算するとして。
1984年当時は、N88Basicで全部数式を組んでプログラムを書いてたわけです。データなんか「カンマ区切り」でプログラムの中に打ち込む(笑)わけですし、罫線横棒は「—-」、縦棒は「|」で、線の交点は「+」をprint文でプリントしたりして。
それが、今じゃ新人さんも、Excelで先輩が作ったワークシートをチョチョっと直すだけでいいわけですから、楽チンですな。
もっと驚くのは、社会人になった当時、部長クラスのおじさん(元銀行員)が、
「いやー、なつかしいねえー。僕なんかそれ、ソロバンでやってたんだよー。最近は便利になったねえー。
昔は一箇所間違うと、金利なんかが全部違ってきちゃうんで、はじめっからやりなおししたりねー。」
とおっしゃってたこと。
そう、パソコンの性能が10万倍になっても、やることはあんまり変わってなかったりするわけですね。もちろん、作業にかける時間は数分の1になってるでしょうけど、それより、20年前(30年前)には、一部の特殊なトレーニングを受けた人しかできなかったことが、「あほでもできる」ようになったところが大きいかも知れません。
(すくなくとも私は、ソロバンでキャッシュフローのprojectionをしろ、と言われても、ちょっとできませんです・・・。はい。)
ではまた。

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10 thoughts on “水冷パソコンがやってきた

  1. ご無沙汰いたしておりまする。
    うちの創業所長が、エンジニアリングってのは「あほでもできる」ような仕組みを作り上げるプロセスだ、ということを云っていた事を思い出しました。
    で、それまでやってきたことがエンジニアリングのお陰で「あほでもできる」ようになったら、次のステップに進むために勉強は一生続けるんだということでありまして、やはり付加価値をつけるように勉強せにゃならんと今更ながらに感じている次第ですよん。
    当たり前ですが、その「あほでもできる」ようにした元の仕組みを理解していないと、道具に振り回されてしまう危険性もありまするね。悩ましいものです。

  2. つい先週あたりから、クオンツな世界に戻ったんですが、もともと数学に弱いので日比谷公園で参考書を借りてきました。
    で、90年ころの本をみてたら、なんたらっていうスーパーコンピューターは2GFlopsで、メモリが256MBで、なんち
    ゃらっているコンピューターは、、、なんて書いてあったりしたんですが、どう見ても磯崎さんの新しいパソコンの性能の半分とか3分の1とかってレベルですね。
    馬鹿な処理でも力任せで計算させれば解決できることが増えたのは色々恩恵があるかなと思ってはいます。

  3. Inexpensive が正しいです。ACM、RAIDでGoogleで検索してみてください。あと、なぜ、Inexpensiveかというと、RAID方式には、1から5まであります。RAID 1 というのがHDDをつねに二重化して完全にミラーする方式で冗長性をもたすわけで、一番システムとしてのコストが2倍になり、一番効率の悪い方式です。これを完全に二重化しなくて、複数のHDDにあるデータの可逆性パリティを1つのHDDに割り振ったりすることにより、HDDの冗長性を少なくする(経済的に安くあげれる)ということで、Inexpensiveという単語が使われています。工学(エンジニアリング)は、物の生産等の経済効果を高めることが学問ですから、当然経済用語が出てきてあたりまえです。

  4. 私、Enterprise RAID専用HDDの開発をしている者です。
    RAIDの“ I ”は最近では“Independent”で使っている人が多いと思います。
    今の時代、HDDがExpensiveだと思っている人もいないですし。
    それから、RAIDレベルは0から6まであります。最近の流行はRAID6です。
    他にもRAID0とRAID1を組み合わせたRAID10というのもあります。
    インターフェイスもパラレルSCSI、FibreChannel、SASと変化してきました。
    最近は、Enterprise用途でさえ、安いSATA HDDを使うRAIDシステムも増えてきました。

  5. RAID0(ストライピング)、RAID6(パリティ・リダンダンシー)ですね。
    この2つをRAIDの方式にいれちゃうというのは、コンピュータ業界のサプリメントですね。:-)
    純粋に方式理論としては...で、サプリメントに価値を見出せば、IをIndependentと解釈する:-)
    ソフトのAgreement Formと同じで、勝手に書いて法的に有効だと騒ぐ某社さんと同じだと思うのですが。:-)

  6. いつも楽しみにBLOGを拝見させていただいております。
    REIDのinexpensiveというのは、信頼性の高いハードディスクと比べての安さです。
    ハードディスクはあの値段で買える事が不思議なくらいの高度な技術の集合体です。1台のハードディスクでなかなか故障しないハードディスクを作ろうとすると、部品の精査やら製造設備の投資やらで、トンでもなく高くなってしまいます。だったら、1台のハードディスクの信頼性を高めるために莫大な投資をするよりも、ハードディスクを消耗品と考えて1台くらい壊れても大丈夫なような仕組みを考えた方が、はるかに安く同じ効果が得られるじゃないか、というのがRAIDの発想です。
    ちなみに、「複数台のハードディスクが同時に壊れる確率は低い」というのがRAIDの信頼性の前提ですが、同じロットで作られたハードディスクだと故障時期もかなり近かったりすることがあります。1台のハードディスクが壊れた場合にはすぐに新しいハードディスクを追加する事をオススメします。(特にRAID5だと、冗長性があるうちは「1台が壊れても大丈夫」な状態ですが、1台が壊れると今度は逆に「どれか1台が壊れると全てのデータが失われる」という危険な状態になってしまいますので。)

  7. えーと、「最近では」っていう副詞がきれいにスルーされてるのと、
    べつにどっちが正しいとか言いたかったわけじゃないので、訂正させていただきます。
     
    『RAIDの“ I ”は 「最近では」 “Independent”とされることも多いみたいですね。』
     
    Pattersonらに忠実に従うならRAIDの I はInexpensiveですし方式も1から5ですが、
    要は言葉の使われ方の問題ですし、“Independent”が誰かの勘違いによる産物にせよ、それなりに意味が通るのでそれなりに普及しているわけです。
     
    あと、RAID0とか6とか10とかは確かにコンピュータ業界のサプリメントですが、
    だからといって『Pattersonらが定義してないから違う名前をつけよう』というのはあまり実用的ではないように思います。
    論文の著者が怒っているなら別ですが。。。

  8. 納税ASP:会計の「質」の転換

    磯崎さんが水冷+RAID5 PCを買ったという記事を読みました。(いいなー)結構値が張るんじゃないの?…と思ってNECのサイトで検索してみると。…えっ、27万弱?安ッ!このご時世、もう自作なんかやるのは好き者だけだな…。orzちなみに、「I」は「Inexpensive」でも全然正…

  9. inexpensive、視点を変えて。
    サムソンが来年後半にも大容量フラッシュメモリを更に増産するそうです。HDD業界は、価格下落率の大きいフラッシュメモリに対抗できるよう、頑張っていかなくてはならないようです。