「フェアトレード、NPOの「戦略」、認証・監査」で書きましたが、「フェアトレード」では、長期的な設備投資等も含めたコストを負担できるお金を生産者に支払うことを義務づけています。
エントリにいただいた47thさんのコメントによると、
丁度今ゼミのペーパーで途上国への投資・取引におけるソフト・ロー的な枠組みの意義と限界を調べていたので、参考になりました^^(中略)
あと、”sustainable development”というのは、開発の分野のトレンドの言い回しのようで、この世界ではそこかしこで使われいるんですが、一つの定義としては「将来世代が自らのニーズを充足する能力を損なうことなく、今日の世代のニーズを満たすこと」というのがあるようです。
この「sustainable」または「長期的な」費用の概念というのは、NTTさんが他のキャリアに回線(ドライカッパーや、ダークファイバー)等を貸し出すときにも問題になりましたが、定義が明確なようで、実は「何をどこまで入れるか」で、かなり「難しい」(テキトーな)概念だという気もします。
例えば、今、「掘っ立て小屋に住んでいる」零細生産者が「10年後に電子レンジや携帯電話を使ってる」ことを想定するのが「sustainable」なのか、それとも、「今と同じ掘っ立て小屋」に住めるギリギリの補修等を含めただけのコストがそうなのか。
日本でも、「生活保護を受けてる人にクーラーは贅沢」なのかどうかが争われましたが、社会全体の生活水準は、だんだん上がっていっているわけで、完全に横ばいの絶対水準をキープしてたら、世界での地位は下がっていくわけでして。(一方で、全世界の人が先進国並の生活を目指したら、環境的に地球が保つんでしょうか。)
最近、非常にびっくりしたのが、先週末の「世界ふしぎ発見」。ネパールのシェルパ族の人たちは、昔はほぼ全員、登山ガイドを目指していたし、その仕事に誇りを持っていたわけですが、登山家等から学校が寄付され、教育水準が上がってきて、現在では小学校50人のクラスのうち、登山ガイドを目指したい人、と訊いたら、手を挙げた子はなんと1人!だけ。後は、「教師」「医者」「弁護士」になりたい、てなことを言ってました。
昨日は、こんなニュースも。
外出禁止令無視しデモ ネパールのゼネスト【カトマンズ9日共同】(4月9日23時34分)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060409-00000098-kyodo-int
「NERV(ネルフ)」のマーク
じゃないですが、ネパールの人たちも「善悪を知る実」を食べ、いちじくの葉っぱを身につけて、「楽園」を追い出されちゃった、ということですかね。
コーヒー生産地でも、だんだん「知恵が付く」と、コーヒー生産への労働力供給が減るので、集約化が発生して交渉力も付いて、生活水準もあがることで、結局、「最低限の」コーヒー生産のコストも自ずと上がっていくのかもしれません。
(ではまた。)
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