昨日は、東証さんが(仮に)適時開示情報のRSS配信をはじめたりしたら、「金融の」情報の流れに劇的変化が訪れるんじゃないか、というようなことを書きました。
もともとXBRLという会計情報(つまり、金融のプロや投資家しか見なさそう)を考えていたからですが、よく考えてみると、もしかしたら金融情報というより、新聞社さんや通信社さん等、マスコミ一般のビジネスに与えるインパクトの方が大きいかも・・・という気がしてきました。
「ネットは新聞を殺すのか」といった話にはなるかどうかはともかく、数百万人とか数千万人の人がRSSリーダー付きのスクリーンセーバーや壁紙等を使うようになって、「リアルタイムで」企業のプレスリリースやそれに関するコメント記事のRSSを見るような世界を想像してみると、少なくとも、企業のプレスリリースをまとめただけの(記者クラブ的な)記事が翌日の朝刊に出てきても、「気の抜けたサイダー感」が相当高まることは確か。(当然、スクープや分析的記事を強化するメディアは生き残るんだとは思いますが。)
「リーク」という手法は(特に上場企業の情報については)インサイダー情報管理の観点からは危険度が高い話。新聞社の方というのはそういう未公開情報を使ってインサイダー取引をやるなんてことは絶対無いものだとばかり思っていたんですが、先日、新聞社の広告部門で公告の情報を悪用してインサイダー取引を行っていた、というような事件を目にして、新聞社のインサイダー取引教育や管理体制はどうなっていたんだ?と愕然といたしました。
(これで将来的に規制強化・・・とまではいかなくても、上場企業内の開示ルールが強化されて、リーク情報が得られにくくなる、というような話になる可能性はそれなりに高いかと思います。)
(ではまた。)
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いつも楽しく読ませていただいております。まったく同感です。
RSSの場合は、配信対象が「記事見出し」という、場合によっては著作性を孕む内容でしたが、XBRLが対象とするディスクロージャー情報は、すぐれて公共性が高いものですので、メディアの介在する意味はより薄れるというのが私の意見です。(メディアがこうむるネガティブインパクトはRSSの比ではないと思います。)
特にブルームバーグやクイックのような金融情報ベンダが、XBRL時代をどう乗り切るのか、或いは参入コストが低くなった局面で「第2のブルームバーグ」が現れるのかどうか、大変興味を持って見守っています。
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リーク情報については、米国のレギュレーションFDにおいても、論争の末に「メディアはFD規制の適用外」となった経緯があり(メディアは言論の自由、取材の自由を盾にしたわけですが)、本来はこの話題を日本に紹介するべき当の新聞社自身が大失態を演じたことに、ただあきれるほかありません。
イソログさん、ご無沙汰です。アエラ紹介の件、改めて御礼申し上げます。無関係なエントリーに挨拶だけするのも芸がないので、タイミングを見計らっていましたが、やっと格好のエントリーがアップされ、ホッとしました
(笑)。ご指摘のように、マスコミの特に実務情報を手がけるところには影響が大きいと思います。専門家(または積極的に専門的な情報を知ろうとする一般の方々)であるほど生情報を自ら咀嚼したい意向が強いでしょうから、情報伝達の中抜きが起きる公算が大きいと思います。スクープ連発を狙うか、分析能力を高めるか、が生き残る方策ですが、一般的に情報漏洩が厳しく監視される方向にある中、前者の道は難しいでしょう。一方、分析能力を高めるにしても、「マスコミ」という枠内では専門性の強化は限界があるのも確かで、状況は厳しいのが実情です。個人的には、端末自体が優れた分析・取引ツールであるブルームバーグはマスコミというよりシステム会社の側面が非常に強いので、生き残る可能性があると見ています。この問題、根深い構造要因もあり、この場では説明しきれないです。ちょっと中途半端なコメントですみません。今後ともよろしくお願いいたします。
kitamuraさん、本石町日記さん、
コメントありがとうございます。
私も、ブルームバーグさん等は、「時給の高い方々が数秒で多額の資金を動かす世界」のためのものなので、単に同じような情報が別ルートで流れたというだけでは代替されないと思います。(それよりも・・・)・・・というのが本エントリの主旨でございます。
こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。
(ではでは。)
個人の情報処理能力が飽和しちゃうので、マスコミ(?)にちょっとばかし取捨選択して簡単な解説をつけてもらわないと、多くの一般人はついてけませんよ。
「めんどっちい」ってのはネガティブな行動ドライビングフォースとしては結構強いですから。
ダイレクトな情報に追従していける人口は果たして何百万人もいるんでしょうかね?
いつの間にか何か変わっているってのはあるでしょうけど、劇的に変わるかと言うと?です。
「個人の情報処理能力が飽和しちゃう」というのはそのとおりだと思うんですが、その解説をつけるのが「マスコミ」じゃないといけないかというと、そうでなくなるんじゃないか、ということでやんす。
>その解説をつけるのが「マスコミ」じゃないといけないかというと
じゃなくても良いんですけど、過去の信用(?)があるですからね。信用できる/できそうな情報源を探すってのは、かなり大変な作業です。
すでに信用できる情報源に囲まれている人は、そう感じないのかも知れませんけど。
だからと言って、情報源の乗り換え意欲を湧かせるほどの情報を出すのと言うのも結構難しいですよ。
そこまで精度もよくわかり易い解説や予測ってのはある程度秘匿しないと差別化できません。
みんながその情報に接すると言う事は出し抜くことも出来ないって訳ですから。
楽して出し抜くってのが、市場参加者の多くが持つ要望でひょ?
情報供給過多の時代には「めんどっちい」はとっても重要なキーワードでし。(笑)
Yahooが街中でモデムを配って回ったのも、ユーザーの多くは自ら買い求めに行くほどめんどっちい事はしないだろう、と言うマーケット読みですよね?
その結果、多くのユーザーがもっとめんどっちい事に巻き込まれるんですが。(爆)
んだなす。
適時開示情報のRSS配信と聞いて、、、宣伝以外の何ものでもありませんが、わたしのソフトを紹介します。
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適時開示情報のRSSフィードを公開してみた
先日、mixi日記で聞いたところ使ってくれそうな人がいたので、適開情報のRSSフィードを公開してみました。株式投資やってる方など、ご自由にお使いください?…
はじめまして、「適時開示情報のRSS」というワードからエントリーを拝見しました。
実は先日、適時開示情報のRSSフィードを個人的に公開しました。これはプライベートの投資活動用に自作したものなのですが、結構みんな使いたいとの要望があったので、一般公開したものです。
ブログにて情報をエントリーしていますので、ぜひトラックバックさせてくださいー
■適時開示情報のRSSフィードを公開してみた
http://blog.bresson.biz/2007/01/rss_fff5.html