http://www.asahi.com/national/update/0112/TKY200701120319.html
フルキャストを捜索 警備業務に違法派遣容疑 宮城県警
朝日新聞2007年01月12日17時58分
人材派遣大手のフルキャスト(本社・東京都渋谷区)が、労働者派遣法で禁じられた警備業務にスタッフを派遣していた疑いが強まったとして、宮城県警は12日午前、都内の本社や、仙台市青葉区の仙台支店などの捜索を始めた。
(中略)
他人の生命を守る責務がある専門職のため警備員の派遣は同法で禁じられているにもかかわらず、仙台市泉区のスーパーマーケットの駐車場で交通誘導に従事させた疑い。
(中略)
警備業法などでは、警備員に30時間以上の教育を課すことなどを義務づけているが、この警備会社は、男性スタッフらを業務当日に駐車場に集めて、教育を受けさせずに交通誘導にあたらせていたという。この警備会社も昨秋、警備業法違反容疑で捜索を受けている。
(中略)
フルキャストは昨年8月、労働者派遣法で禁じられた建設業務に派遣労働者を従事させていたとして、神奈川労働局に是正指導を受けていた。
なるほど、警備員というのは「他人の命を守る責務がある」から、市場メカニズムに任せるのではなく、法で規制する必要がある、ということですね。
ただ、研修を受けさせる必要があるだけなら、法律としては、派遣会社に研修を義務付ければいいだけで、派遣そのものを禁止する必要はないんじゃないかとも思いますが、派遣業法で警備員や建設業務への派遣が禁止されている立法趣旨は何なのでしたっけ?(労働者保護?)
今の時代、間違っても「業界保護」という観点・・・ではない・・・と思いますが・・・どうなんでしょ。
−−−
ちなみに、私の学生時代(かれこれ20年以上前)に「警備員」のバイトをしたのですが、バイト雑誌を見てマンションの一室にある怪しげな警備会社に面接に行くと、即刻、「じゃ、この現場に行って」と言われ、1時間後には工事現場のわきでヘルメットかぶって赤い誘導棒を振ってたりしたのですが。確かに、交通ルールも知らない(かも知れない)やつにいきなり車の誘導させたりするのは、危ないこと この上ない。
また、高田馬場の東口の線路脇には毎朝早朝、「手配師」のおっちゃんがいて、「建設作業員(ドカ○)」のお仕事を求めるおっさんたちの行列を、「じゃ、あんたとあんたは、そっからマイクロバスに乗って。」とさばいてました。
行き先も告げられずに東京湾岸の冷凍倉庫の建築現場に連れて行かれ、現場のおっさんに「おい!そこの!120、2つ持って来い!」と、鉄パイプの足場を運ばされたり・・・。
・・・といった低熟練度な肉体労働を数日やって5万円くらいをため、そのお金で電動タイプライタを買ってブラインドタッチの練習した結果が、今、ブログを書くのに役立ってます。:-)
・・・というお話はさておき、20年も経つと、ずいぶん世の中「きちんとした」かんじに変わってるんですね。
事業活動において、過去の「常識」で、「こんくらい、アリでしょ?」と想定するのは、非常にキケンな世の中であります。すべては「ルール(法)」にあたってみて、「適法と考えられるかどうか」を判断する姿勢が必要なんでしょうね。
(というのが教科書的な答えですが、すべての国民がそういう環境に適応できるんでしょうか??「もとの濁りの田沼恋しき」って思ってる人が多い気もしますが。)
(追記:「もとの田沼の濁り恋しき」から「濁りの田沼」に修正しました。コメント欄参照。)
−−−
一方で、こんな記事も。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070112AT3S1201A12012007.html
日本の1人あたり名目GDP、14位に後退 (日経新聞 1/12 22:48)
内閣府が12日まとめた国民経済計算によると、2005年の日本の1人あたり名目国内総生産(GDP)は経済協力開発機構(OECD)30カ国のなかで14位となり、前年の11位からさらに後退した。円安が進んだうえ、他国の成長率が日本より高かったためだ。
(中略)
ただ長期的にみれば「構造改革の遅れが順位低下の主因」(内閣府)との見方も根強い。日本がトップだった1993年と比較すると、アイルランド、英国、オランダなど改革で先行した国は高い成長率を持続し順位も上がっている。低成長に甘んじれば、日本の順位がさらに低下することになりそうだ。
(ではまた。)
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> 派遣業法で警備員や建設業務への派遣が禁止されている
> 立法趣旨は何なのでしたっけ?(労働者保護?)
私も同じ疑問を持ったことがあります。正しいかはわからないのですが、とりあえずの仮説は↓のように考えています。
http://full-life.typepad.jp/_/2006/11/post_7f59.html
磯崎しぇんしぇ〜も警備員をしていた時代があったのでつねw
(o´・д・)ノ▽▼▽謹賀新年▼▽▼ヽ(・д・`o)
警備員と警備企業は、警察官OBの転職先ですから、かれらの死守する「聖域」でしょう。
暴力団が派遣業に介在することを防止する意味合いが
あったような気がします。建設にしろ警備にしろ
暴力団の影響力の強い業界だったから、労働者保護と
業界保護の両面で規制されてるんじゃないですか?
同じビルから失礼します。
「もとの田沼の濁り恋しき」ではなく、
「もとの濁りの田沼恋しき」だと思います。
くだらないツッコミですみません。
Googleで引いてみたんですが、確かに「田沼の濁り」と書いてあるページは186で、「濁りの田沼」は1,810で断然多い(信頼性が高そうなページも多い)ので、こちらのほうが正しそうですね。
ご指摘どうもありがとうございました。
同じビル、とのことで、今後ともよろしくお願いいたします。
(ではまた。)
私は、警備会社の経営者で全国警備業協会の交通誘導警備、雑踏警備の講師をしています。とくに、過去に警察にいたとか暴力団にいたとかはありません。また、身内にそのような方がいるわけでもありません。そのような立場から警備員の派遣禁止についてですが、これは、警察庁が特殊な業務ということから法務省や各種経済団体に派遣業務としては妥当ではないとの判断ということで禁止業務の一つとして選ばれました。このことから、警備会社が警備業務を受注し、警備員が不足したときに他社の警備会社に警備員の派遣をお願いすることも、派遣業務と見なされます。また、警備会社の実情は、、同業者同士で警備員の派遣をお互いに行っていることが珍しくなく、業務をこなしていくためには、そのような形をとらないとできません。このような形をとった警備会社に警察は、労働者派遣法違反として一部の警備会社を摘発しています。摘発された警備会社は、主に警察OBや暴力団と無関係の会社が摘発対象となっています。今の警備業法で行政処分の適用を免れない警備会社はほとんどないと思います。言ってみれば、警備業界は警察のいいなりにしかなれないように、法律により整備されています。その他、参考として暴力団の警備会社を取り締まれないのは、警備業は、生活安全関係の部署が管理をしていているため、暴力団については暴力団対策の部署しか暴力団を摘発できない縦割りの影響です。
経済団体及び業界は、派遣を望んでいます。ぜひ、マスコミ等も取り上げていただきたい事案です。このままでは、大量退職する警察官を警備会社は天下り先として採用しないと、警察にそのような警備会社は、行政処分として圧力をかけられるかもしれません。
「警備会社経営者」さん、コメントありがとうございます。
非常に生々しいお話なので、本文
http://www.tez.com/blog/archives/000884.html
でも取り上げさせていただきました。
参考になりました。
(ではまた。)
人材の流動性確保と規制(警備業法の場合)
1月に書いた、「派遣業法違反(昨日の「世知辛い系」ニュース)」に、「警備会社経営…