昨日の記事で、
日本の株式会社は約100万社くらいあるようですが、そのほとんどが(日刊新聞だと人目に多く触れるし、電子公告だと「要旨」にできないので)公告掲載先に「官報」を選択しているでしょうから、官報1ページに平均10社分の決算公告が載せられるとして、10万ページ分。
これが平均50日間くらいに分散されるとしても、1日の官報の厚さが2000ページ!(1日電話帳3冊分×50日くらい。)
「どんな官報やねん!」
・・・と考えると、物理的制約から全株式会社がちゃんと公告するようになるとも思えません、と申し上げたのですが。
会社法の規定によると、
(計算書類の公告)
第四百四十条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。(以下略)
ということで、決算公告しないといけないのは明文上明らか。
罰則についても、
(過料に処すべき行為)
第九百七十六条 (略)は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。
二 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。
(以下略)
ということで、「100万円以下の過料」となってます。
しかし、(司法書士さんによると、最近は、登記の懈怠で過料を科せられるケースは出て来ているとのことですが)、決算公告をしなかったことで過料を科せられた人というのは、私はあまり聞いた事がないですが、あるのでしょうか?
(関わっているのが、上場を目指すベンチャー企業だったり上場企業だったりするので、さすがに公告してない会社が周りにあまり無いからかも知れませんが。)
5月6月頃の官報は決算公告で分厚くはなるものの、上述のような1日あたり電話帳3冊分の厚さの官報ってのは見た事がないから、まともに決算公告してる会社というのは数%(数万社)程度に留まるんじゃないかと思います。
(決算公告掲載率、といった統計を探してみたのですが、ちょっと見当たりませんでした。ご存知の方がいらっしゃったら教えていただければ幸いです。)
仮に、今、1社も過料を取ってないとすると、ものすごい財源ですね、これは。
「100万円」満額というのはちょっと高すぎるにしても、官報公告は資本金1億円以下の非公開会社の場合で約6万円くらいの料金ですので、ペナルティ性を持たせるために、その5倍として30万円。
仮に9割の会社が公告してないとして、90万社×30万円=2700億円!
各法務局の登記のデータベースも電子化が進んでいると思いますし、官報もいまどきは電子データ化されてるでしょうから、登記のデータベースをサーチして、公告の方法が「官報」になってる会社の過去2年分くらいの官報データに該当する公告がなかったら過料の通知を印刷して送付すればいいだけ。
(登記されている電子公告のURLをチェックするのもありかと思います。)
法務省が、○TTデータさんとかに見積り出させて、コールセンターなど200人体制くらいを丸投げで外注するのに30億円くらい予算つけて、少なめに4割(1000億円)くらいしか回収できないとしても「大もうけ」じゃないかと思いますが、なぜやらないんでしょう?
(官報がパンクしちゃうから? または、政治家の地盤である中小企業から嫌われるから?(ちゃんと公告すればパーティー券並のたった6万円なのに?))
民間企業なら、3000億円の請求権があるのに回収しなかったら取締役は訴訟されて負けるんじゃないかと思いますけど、政府というのは任務懈怠で訴訟されるということは無いんでしたっけ?
ほんとに数%しかちゃんと公告してないとしたら、まじめに公告してる会社がアホみたいじゃないですか。
法務省さんというのは、法の下の平等を確保するお役所とお見受けいたしますので、何とぞよろしくお願いいたします。
今までやってなかったので急に態度を変えるというのは難しかったかも知れませんが、B-CAS社の事件は、いいチャンスじゃないかと思います。
(ではまた。)
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法律の趣旨はその「精神」にあると僕は勝手に思っていますが。
今回のご意見を実行するくらいなら、スピード違反、駐車違反を真面目にとりしまれば、それでいいと思います。
が、問題は「それでいい世の中になるか?」ということではないでしょうか?
財源は確保されますが・・・
そのほかにもまだまだありますよー
道路の不法看板に対する取締りとか、脱税もそうでしょう・・
でも、ホントの正直者はこの程度のことでは損しているとは思わないでしょう・・・
意味のない情報を法律を遵守するために官報に掲載してもダレも読みませんし、ホントに読まないとダメな情報がかき消されるだけですから・・・
法律の趣旨はその「精神」にある(のに日本人は枝葉の方ばかりに行ってしまう)、という話は前のエントリ
http://www.tez.com/blog/archives/001198.html
を見ていただくとしまして。
もし、「どんな小さな株式会社でも決算を開示した方がいい」というのが法の精神ではないということでしたら、そんな条文、削っちゃっていいんじゃないかと思いますが、いかがですか?
実際、開示しなくても、銀行や大口取引先などが重要な取引をする場合には、個別に詳細な財務諸表をもらってるでしょうし、役員が全員同族で、第三者の監査もしてない財務諸表が開示されていても、屁のつっぱりにもならない気がします。
(資本金1円の会社にまで開示を強制している法律って、日本以外にあるのかな?)
(ではまた。)
官報前提になってますが
新しい広告先が増えそうだし
公告が一般的になれば
日経新聞を中心とする各種新聞が大喜びするかもしれない
その内キャンペーンとか始めないだろうか…
新聞だと、官報みたいに6万円じゃ出稿できないでしょ。
日経新聞だと、1段×1cmで6万円くらいするようなので、最低でも20万円とか40万円くらいはかかるんじゃないでしょうか。
ブロック紙でも15万とか30万円はするかと。
そもそも、未公開企業はなるべく決算を人目にさらしたくないので、100万社のほとんどは新聞をいやがるはずです。
(ではまた。)