横浜というところは、「日本のアイスクリーム発祥の地」「ビール発祥の地」「テニス発祥の地」と、いろいろ「発祥の地」がたくさんありますが、本日でかけた中区にある妙香寺というお寺は「日本吹奏楽発祥の地」「君が代発祥の地」なのであります。
私、昨日初めて知ったのですが、日本の国歌「君が代」を最初に作曲したのは日本人ではなく、英国陸軍軍楽隊長だったジョン・ウィリアム・フェントンという人とのこと。今から139年前の明治2年(1869年)、薩摩藩士30余名がこの妙香寺で合宿してフェントン氏から指導を受け、日本で最初の吹奏楽が演奏されたそうです。
ただ、こちらのページやWikipediaなどを拝見すると、フェントン氏は日本語がわからず、メロディーが歌詞にあっていなかったため、日本人の雅楽演奏家が作曲しなおして今の君が代のメロディーになったとのこと。
(こういうのは、ボナソアード版旧民法がウッチャられたのと同様、明治期によくあったパターンなのかも知れません。)
妙香寺や日本吹奏楽指導者協会の方々がかなり前から、このフェントン氏や薩摩藩士のその後を追跡されているのですが、フェントン氏はずっと行方知れず、薩摩藩士のその後も30余名中2名しか判明しておらず、一人は帝国陸軍軍楽隊の隊長、もう一人は海軍軍楽隊の隊長になられたそうで。
日本吹奏楽指導者協会の方の追跡調査で、3年前に英国のDaily Telegraph紙に「日本人がフェントン氏のその後を捜している」という記事を書いてもらったところ、今年の夏になってアメリカに住むフェントン氏の子孫の方がネットで検索していてこの記事を見つけて連絡があり、フェントン氏のご子孫ツェーラー氏夫妻が来日して、本日晴れて、この妙香寺で客演指揮して「フェントン版」君が代が演奏されたわけであります。
フェントン氏は、アイルランドの教会で洗礼台帳が発見されたので、ずっとアイルランド人だと思われており、また日本赴任の後、イギリスに戻ったと思われていたそうですが、ご子孫と連絡がついたことで、お父様が英国軍人でアイルランドに赴任している時にフェントン氏が生まれたので実はイングランド人であったこと、日本赴任時にイギリス人の奥さんが亡くなり、アメリカ人の女性と再婚してアメリカに渡ったこと、などがわかったとのこと。
ご子孫は、写真中央の女性の方の方とのことですが、となりのご主人が音楽隊を指揮されました。現在眼科医だそうですが、やはりというか眼科医の経歴としては珍しいというか、音楽学校のご出身、とのことです。
(ではまた。)
「国歌君が代由緒地」の碑
山門
演奏された陸上自衛隊軍楽隊の方々
自衛隊ナンバーの陸上自衛隊中央音楽隊の運搬車
[PR]
メールマガジン週刊isologue(毎週月曜日発行840円/月):
「note」でのお申し込みはこちらから。