携帯電話は麻薬じゃのう

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おとといから放送大学で集中放送している「文化人類学(‘08)」の 内堀基光教授ご担当の第7回「文化相対主義と他者を見る目」で、弘前大学の羽渕一代 准教授がゲストとして登場し、ケニアの携帯電話について話をされていて、これが非常に面白かった。
(文化人類学というと、狩猟採集民族のところにでかけて昔ながらの風習を調査するというイメージが強いですが、さすが21世紀って感じです。)
1997年にもともとあった固定電話会社より分離してサファリコムという携帯電話会社が初めて設立され、この約10年間で、ケニアでもっとも有力な企業の一つに成長。
番組では、サファリコムの2005年の税引前利益は204億円とおっしゃってましたが、同社ホームページ
 
pic2.png
http://www.safaricom.co.ke/index.php?id=31
(ケニアなので、2MBほどのファイルを落とすのに数分かかりますから、ダウンロードするのはやめといたほうがいいかも知れません。)
 
から財務諸表を確認すると、2008年3月期のProfit Before Income Taxは19,945百万ケニアシリングとなってます。
1ケニアシリングは現在1円弱のようですので、今もだいたい200億円弱でしょうか。
(当時のレートがよくわかりませんが、利益は毎年2割から4割程度増大しているようなので、急激に進んだ円高のせいということでしょうね。)
ケニアの大卒の教員の初任給でも3万円程度とのこと。取材されていた街は、道路も舗装されておらず電気が無いことはもちろん、家はそのへんの雑木を組んだだけで屋根も無かったりするのですが、その人たちが、携帯電話に金を払うわけです。1分あたりの料金は、日本と変わらないそうだのに。
(携帯の充電は、一回、数十円程度払って充電屋さんで行う、とのこと。)
番組では、プリペイド中心のようなことをおっしゃってましたが、開示資料を見るとポストペイドもあり、加重平均のARPUが616ケニアシリング(約600円)くらいあるようです。
映っていたのが、出稼ぎに行ってる夫に妻が携帯電話で「子供が飢えてるから、早く金を送金しろ」という、すごい会話です。
この会社が儲かってるのは、ギョーカイでは周知の事実だったようですが、不勉強で存じませんでした。
ご参考:アフリカの新星、サファリコム:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20070910/134378/
日本でベンチャーなんかやるよりもすごいビジネスチャンスが、世界にはまだまだありそうですね。
(ではまた。)

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