磯崎@今朝4時まで「冬ソナ」見てました(眠い・・・)、です。ピュアな愛の世界にひたった後ですが、再びドロドロしたゼニの世界の話に戻りたいと思います。
本日の日経7面「公的資金、横浜銀、来月にも完済、市場売却は550億円」という記事が出てます。
預金保険機構は八日、横浜銀行に優先株の形で注入している公的資金七百億円のうち、五百五十億円を普通株に転換して投資家向けに売り出すと正式発表した。早ければ七月中に売却を完了する。銀行が市場売却で公的資金を返済するのは初めて。残り百五十億円は売り出し終了後に横浜銀が買い入れて、八月にも公的資金を完済する。
とのこと。
市場売却方式は普通株式数が増加するため株価下落を招くリスクがある半面、公的資金が民間資本に入れ替わるだけで自己資本比率は下がらない利点がある。
ということで、市場の調子がよければ優先株を普通株に転換して、それを市場で売却する方がいい方法とも言えます。
以前のエントリー(「公的資金」とは何ぞや)にも書きましたが、この横浜銀行の第一回優先株式の転換条件は、以下のようになってます。
� 転換価額
優先株式の普通株式への転換価額は505円40銭とする。
また、転換価額は、平成11年7月31日とその後平成20年7月31日までの毎年7月31日に修正される。
ただし、今後時価を下回る払込金額をもって普通株式を発行する場合や株式の分割により普通株式を発行する場合等、一定の事由が生じた場合には転換価額を調整する。
横浜銀行が転換社債を額面で繰り上げ償還しようとして普通株式への転換を促したことについても以前のエントリーでご紹介しましたが、このときには、転換価額の下方修正条項は、かなり投資家に有利になってました。
上記に掲げた第一回優先株式の転換条件は有価証券報告書ベースのものなので、発行時の公告等ではより詳細な条件が記載されているのではないかと思ったのですが、1999年とかなり以前で、日経の公告検索でも出てきません。
(特に、転換社債と同様、「ラチェット」的に一度転換価格が下がったら二度と上がらないような条件になっているのか、株価が回復してきたら転換価格は再び上昇する条件なのか、が重要ではないかと思います。)
いずれにせよ、昨日の終値が588円、本日は今時点(10:38)で610円(22円高)と、流通株式数が増えて嫌気されるというよりは、「公的資金を完済してスッキリ」というのが好感されたようで、当初の転換価格が転換価額505円40銭よりは上がってますので、この第一回優先株式を保有する株式会社整理回収機構は20%ほど売却による利益が出ることになります。
公的資金が投入されたときに、世論は「銀行に国民の血税を”あげちゃう”なんて!」と、ずいぶん拒否反応を示しましたが、公的資金投入も優先株式による「投資」であり、再生ファンドの投資と同様、企業が回復してくれば公的資金で国が「儲かる」こともあるのだ、という実例が出てきた、ということですね。
ではまた。
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