Googleの難問(その3)
一昨日、昨日のエントリーにコメントいただきまして、ありがとうございました。
ふなさんの第一問目(看板)の解答方法は、「wget 2718281828.com」という感じで「頭から10桁ずつwgetして何かしら index.html がヒットしたらそのリストを作りクリックする。」というプログラマの方らしい解法。
(注:つまり、素数がどれかという判断はまったくせずに、解答のサイトがxxxxxxxxxx.comという名前で必ず存在するはずなので、それをeの一桁目から「総当たり」していこう、という方法、ということです。)
ちなみに99というのは頭から99個めである。
ずいぶん近いな!数十万桁目くらいを覚悟してただけにあっさりすぎだ。(中略)
つーか90個めくらいにダミーサイト用意しとけよ。
とのこと。
おっしゃるとおりですね。イヂワルするなら、途中にダミーサイトをいくつも用意しておいて、そこから先にまたダミーの問題があって、というような「複雑に枝分かれした洞窟の中で道に迷わせて餓死させる」方法も採れたと思いますが、やはりこれ、Googleはそれほど難しさを狙ったものではないのだと思います。
ちなみに、その次のエントリーでは、第二問目の「秘密」をあっさりとクリアされてます。
MostlyVowelsさんからも第二問目の「秘密」についてコメントいただきました。
私も「足し算」まではやってみたんだけどなー。「”位置”を示すキーになるはず」という発想から抜けられずに見落としました。(←負け惜しみ。)
でも、やっぱり最後までExcelで解けるレベルの問題でしたねー。(←すごい負け惜しみ。)
渡辺千賀さんからもコメントいただきました。ありがとうございます。
すみません、ネタバレしちゃって・・・楽しみをそいじゃってますね。ごめんなさいませ。
でも、答えがわかっていても楽しめる!のはすごい?(負け惜しみ?)
いえいえ。そもそももういろんな媒体で答えが載っちゃってますし、コメントにも書かせていただきましたが、答えを書いていただいているからこそ、あっしのようなモンでも、ちょっとトライしてみようかという気になるわけでござんして・・・。
「こっち行くとアメリカ大陸がある」とわかってて航海するのと、「だれも行ったことないけど、ぜったい大陸があるはず」と思って航海するのとでは、わけが違います。
「検索ビジネスはカネになる」とわかってから検索ビジネスをはじめるのと、「誰もやったことないけど、検索をビジネスにしてみよう」というのは全く違うわけですね。
そういう意味で、「誰も行ったことのないフロンティアに一番始めにチャレンジするやつは偉大だ」とも言えるし、「二番手戦略は効率がいい」とも言えます。
住友信託の差し止め請求は成功するか
UFJ・三菱東京と統合については、日経新聞はすでに「祝福モード」に入っているような気がするのですが、朝日新聞の本日の朝刊トップでは「住信、差し止め申請へ−信託買収、交渉権を侵害」ということで、交渉差し止めの仮処分を東京地裁に申請する方針を固めた、と報じています。
(「冬のソナタ」にハマった後だと、社名がUFJ(ユジン)、三菱東京(ミニョン)、住信(サンヒョク)というフリガナに見えてしまいます・・・。正式に婚約しようとしたまさにその直前で、ミニョンを見つけて後をついて行ってしまうユジン。残されたサンヒョク、という構図。)
問題は、この仮処分が成功するかどうか、です。
合併交渉の際には、いきなり合併契約をしてしまうのではなく、基本合意書とかterm sheetと呼ばれるような覚書を締結するのが普通です。
合併というのは極めて多岐にわたる詳細決めていかないといけないので、詳細な条件をいきなり決められるものではなく、また、資産内容等を詳細に調査しないと、取締役等が正当な注意義務(due care)を欠いたということで訴えられる可能性もあります。
また、合併にあたっては、公正取引委員会等への届け出等や株主総会での承認が必要になって来ますので、両者の経営陣だけで最終的に決定できるものでもありません。
このため、この覚書の段階では、合併そのものについては「法的拘束力がない(legally non- binded )」とし、ただし、交渉については一定期間「独占的(exclusive)」な交渉権を与え合うのが通常です。この独占交渉権や守秘義務などについては法的拘束力があるのが通例。
朝日新聞の記事によると、
住友信託はUFJHDが14日の取締役会で三菱東京への統合申し入れを決議したことが、基本合意書が明記する独占交渉権を侵害し、合意に違反していると主張していくとみられる。(中略)
住友信託は(中略)基本合意書は「契約書と同等の法的拘束力がある」(広報室)と、法的手段に訴える構えを見せていた。
とのこと。
日経があまり問題にしないところを見ると、基本合意書の内容のリークを受けていて、契約内容上、「差し止めは無理じゃないの?」という判断をしているということでしょうか。
独占交渉権があっても、一方の会社が途中で「もうこの会社との交渉は止める方向にしよう」という意志決定をするのは構わないんじゃないかと思いますが、契約書の具体的な文言がどうなっていたのか、どこまでが「交渉」ということになるのか、M&Aや投資にちょっとでも関わる人は、裁判所の判断は必見ですね。
三菱自動車、増資払い込み完了
本日の日経朝刊11面に「三菱自、4960億円増資完了」とあります。フェニックスが普通株で740億円を引き受けたほか、とありますので、以前予想したのと反して、優先株では投資しなかったんですね。
この普通株にはロックアップ条項とか何にもついてないんでしょうか?
普通株の有利発行については、定時株主総会で決議したということでしょうか?
ここに、定時株主総会の様子のビデオがありますが、決議事項でなく、報告事項のみのようです。
転換価額の「調整」条項も、まだ効力を発していないので、上記のエントリーで取り上げた「優先株主は、”修正”条項と”調整”条項の両方で調整されてズルじゃないか?」というのには当たらないことになります。
(で、9月の臨時株主総会は、いったい何をやるんでしょうか。)
(追記)
上記のビデオを見たところ、臨時株主総会では、株式の授権枠の拡大の決議をするようですね。
参照:
「三菱自動車工業の優先株式」
https://www.tez.com/blog/archives/000106.html
ではまた。
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