週刊isologue(第32号)通貨供給でデフレが救えるのか?(「会計経済学」的アプローチ)

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今週の週刊isologue は、「金融政策」について考えてみたいと思います。

ネット上では、日本の経済をどうするかという議論は活発で、「リフレがうんぬん」とか「日銀は通貨供給量を上げろ」といったことが議論されています。
しかし、非常に頻繁に炎上したり罵り合いになったりもして おっかないので極力参加しないようにしています(笑)が、今回は(大胆にも)ちょっと手を出してみたいと思います。

マクロ経済学の議論は、話のスケールが100兆円・1000兆円単位と、とにかくデカいので、全体をイメージすることが難しいですし、また、そうしたマクロな世界では、日常のミクロな世界と異なる現象も発生します。

このため、経済を分析するための「ツール」が必要になりますが、経済学で使うツールは、基本的には、YとかCとかiとかいう記号が出て来る「数学」であり、一般の人は、数式が出て来るだけで腰が引けてしまいます。

また、そうした数学的なモデルは、「そういう考え方もある」ということはわかっても、それが妥当なものなのかどうか、海外の経済学者の主張がそのまま日本に当てはまるのかどうか等が、なかなかピンと来ません。
そうした個々の論文や研究の全部に目を通すことは難しいので、自ずと「誰それもそう言っているから、たぶんそうなんだろう。」といったことになってしまいがちです。

 

このため、今回は、一般の人の日常的なビジネスの視点から金融政策を考えるというアプローチに挑戦してみたいと思います。つまり、簡単な簿記や法律の知識をベースにマクロな経済を理解するという試みです。

マクロ経済といっても、実際には個々の契約や取引の積み重ねなわけですから、(もちろん、「合成の誤謬」といったミクロの発想とマクロの挙動が異なる点については注意する必要がありますが)、日常接しているビジネスの常識の積み上げで理解できてもよさそうです。

また、会計は(最近はDCF的な理解が不可欠ですが)、基本的には「足し算引き算」の世界。
おそらく、一般の社会人の人の9割以上は「掛け算」が入ると理解が難しくなると思います。(掛け算が本当にできるなら多重債務者問題なんか発生するわけがないわけで。)
このため、複利計算や無限級数などの掛け算や微積分を極力排して、具体的な金額をビジュアルに示し、貸借の足し算が一致するといった初歩的な考察の積み重ねで、経済学者や金融機関で働くビジネスマンのみならず、駅前商店街のパン屋で帳簿を付けてるオバちゃんまで金融政策を理解できる可能性を追求してみたいと思います。

 

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今、日本経済はデフレ下にあり、政府も財政危機で国債の消化もままならない状況が迫っているので、政府がどのような政策を取るのかは、国民一人一人が考える必要があると思いますし、少しでも経済理解の裾野が広がれば幸いです

・・・ということで。

今週の目次&キーワードは以下の通り。

  • 日本全体の資金フローの特徴
  • 「会計経済学」的に見て「貨幣」とは何か?
  • マネーサプライ(通貨供給量)を増加させればインフレになるのか?
  • 財務的に見た日銀
  • 「会計経済学」的に見た「信用創造」
  • 現実の世界で、価格はどう上がるのか?
  • 「経済の俯瞰図」で政策のアイデアは広がる

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(ではまた。)

 


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