先週の「週刊isologue」で述べたように、ベンチャーキャピタル(VC)の会計は、ベンチャーキャピタル業だけに留まらず、ファンドやSPCという「会社の外」にある宙ぶらりんなものを会計上どのように取り扱ったらいいか、という非常に悩ましい問題を含んでいます。
投資事業有限責任組合(LPS)などのファンドは出資者全員で投資した証券を共有(合有)しているので、従来は持分に応じて売上や損益を反映させるという方法が一般的でした。
しかし、最近はファンドを「支配」して自由にコントロールしている場合には、ファンドを連結しないといけません。
そうなると、ファンドのVC以外の他の出資者(LP)が保有する分も、連結ですべて資産負債や損益に載って来るので、売上や資産などの会社の規模が非常に膨らんで見えてしまいます。
つまり、ベンチャーキャピタルの会計は「自分と他人を分ける境界線はどこか?」というエヴァンゲリオン的な問題を含んでおり、本質的にややこしいのです。
ベンチャーキャピタルの会計がもし分かりやすいものだったら、エンロン事件もライブドア事件も日興コーディアルの連結の問題も発生しなかったかも知れません。
「会計とは何か?」という哲学的な問いを最も強く発しているのがベンチャーキャピタルの会計だと言えるかも知れないと思います。
そんなことを踏まえつつ、今回の目次とキーワードは下記のような感じになってます。
- 株式会社ジャフコの決算推移
- 「自己持分方式」との比較
- ネットバブル以降のトレンド、リーマンショック
- 大和SMBCキャピタル株式会社
- 非公開化のTOBの際の意見表明書
- ベンチャーキャピタルが上場する意味
- 「ファンド持分方式」との比較、ジャフコの信託方式との違い
- その他
日本アジア投資、フューチャーベンチャーキャピタル、SBIホールディングス - 包括利益とベンチャーキャピタル
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(ではまた。)
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