UFJモテモテで世間は盛り上がってるようです。(「三井住友、UFJに統合申し入れへ 三菱東京との争いに」)が、
それはさておき、先日、「証取法改正でシリコンバレー的ファンド等の運営に影響が出るか?」というエントリーで、証取法改正により、投資組合、匿名組合といった投資vehicleへの出資についても証取法上の「証券」として取り扱われることになるため、ファンドを運営する主体(GP)が「投資顧問業」にならざるを得なくなる可能性があるのではないか、ということをご紹介させていただきました。
投資一任契約ができる投資顧問業になるには、安くなったとはいえ5000万円以上の資本金の株式会社になる必要がありますし、金融庁への登録や報告義務等も発生します。
ベンチャー、コンテンツや不動産ファンド等の「新しいもの」に対して資金供給を行うには、「新しい視点」が必要です。銀行や金融機関系VCが悪いとは全く申しませんが、「それだけ」では困る。多様な資金供給仲介者がいてこそ、多様な「可能性」に資金が供給され、市場メカニズムが適切に働くのではないかと思います。
今後制定される「政令」で具体的にどの範囲の組合等への出資が「証券」として扱われるかにもよりますが、広くオルタナティブな投資に網をかけることは、「資本主義の危機」と言っても言い過ぎではないと思います。
そんなことを考えている中で、先日、日経金融新聞の複眼独眼の欄で「正鵠」氏が「SECのヘッジファンド規制」を紹介されてました。
米国証券取引委員会(SEC)は七月中旬、ヘッジファンドに登録義務を課すこと等を内容とする規則案を公表し、関係者の注目を集めている。ヘッジファンドは一九九三年以来その運用資産が十五倍に成長し、証券市場に大きな影響力を持つようになった。現在八千に近いヘッジファンドが八千五百億ドルを超える資産を運用しており、間もなく一兆ドルに達すると予想される。
とのこと。
その、今月20日に出たヘッジファンド規制案というのは、以下のURLになります。
http://www.sec.gov/rules/proposed/ia-2266.htm
昨年9月に出たヘッジファンドに関する報告書は、以下のURL。
http://www.sec.gov/news/studies/hedgefunds0903.pdf
前述のコラムによると「今回の規制案にはSEC内部にも反対論があり、三対二の多数決による決定となった」とのこと。
現在規制されていない日本の「オルタナティブ」な投資は百兆円どころかへたすると一兆円いくかいかないかなんじゃないかと思いますので、少なくとも、マクロ経済学的な見地からこれを規制する意味合いはほとんど無いでしょう。
ミクロ的な、適合性原則(個人投資家等の保護)の観点からも、やみくもにすべてを規制するのではなく、投資主体、投資ロット等で、適用除外の範囲を大きく取るように配慮していただきたいと強く思います。
大げさではなく、この規制に「日本の資本主義の未来」がかかっていると思います。
(とりあえず、本日はこれまで。)
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