今週は、アメリカの創業間もないベンチャー企業でよく使われる株式への転換権付きの借入れ(Convertible Note)の活用について取り上げます。
日本で一般的な銀行等からの借入れは、リスクが大きいベンチャービジネスにはあまり向かないことが多いのですが、米国では意外に、スタートアップしたばかりの企業が「借入れ」を利用しています。
(5億人をつなぐソーシャル
ネットワークはこう生まれた)
日経BP社
売り上げランキング: 51
フェイスブック 若き天才の野望 にも、Western Technology Investmentという会社が出て来て、コンピュータを担保にした上で「10パーセントから13パーセント」という高利で、フェイスブックに貸付けをしていました。
しかも、イケてる企業と見るや、株式等のエクイティ性の投資をしたがるそぶりも見せます。
(実際、このWTIは、フェイスブックの株式への転換権を手にすることに成功し、今後フェイスブックが上場すると、かなり巨額のキャピタルゲインを得ることになりそうです。)
また、先日、シリコンバレーの有名なインキュベーター「Y Combinator」でも、インキュベーションしている各社に、ロシアの投資家Yuri Milnerとそのファンドから、無条件に15万ドルの投資が「convertible note」で行われる、という報道がありました。
(TechCrunchの1月の記事「Y Combinator出身スタートアップ各社に15万ドルの投資オファー」ご参照。)
こうしたことを書くと、すぐ、
「それに比べて日本の銀行はリスクを取らない」
「社長が会社の借金の個人保証をするのは、日本だけの悪習」
てなことをおっしゃる方が出て来るのですが、必ずしもそうではないと思うんですね。
アメリカでベンチャー投資を行っている某有名どころが利用しているという「Convertible Promissory Note」の契約書を見せてもらいましたので、今回はそれをベースに、アメリカで行われている「株式への転換権付きの融資」の実務と、その意味を考えていきたいと思います。
今週の目次とキーワード:
- ベンチャーにとって普通の借入れがなぜ危険か?
- 米国の契約書例
- 元利の支払はどうなっている?
- 「Conversion(株式への転換)」条項
- 「Qualified Equity Financing」
- 「Target Valuation」
- 「Change of Control」
- なぜ株式ではなくconvertible noteが使われるのか?
ご興味がある方は、下記のリンクよりお申し込み下さい。
<(_ _)>
(ではまた。)
[PR]
メールマガジン週刊isologue(毎週月曜日発行840円/月):
「note」でのお申し込みはこちらから。