本日の日経新聞13面の記事で、三菱「証券」がマレーシアでバイオガス発電をやっているという記事が・・・。
三菱証券のバイオガス発電、温暖化ガス削減、国連事業認定へ。
三菱証券がマレーシアで手掛けるバイオガス発電が、京都議定書の温暖化ガス排出権取得制度「クリーン開発メカニズム(CDM)」の事業として国連から認定される見通しとなった。同社が認定を得るのは二件目。事業開発での実績をもとに、事業投資仲介や排出権取引仲介へも展開したい考え。
三菱「商事」の間違いでしょ?あはは、ひどい誤植もあったもんだ、と思って調べてみたら・・・なんと、ホントに証券会社がクリーン開発に取り組んでらっしゃるようです。
三菱証券:クリーン・エネルギー・ファイナンス委員会の活動
http://www.mitsubishi-sec.co.jp/kojin/kouken/cef.html
クリーン開発メカニズム(CDM)に関する業務内容
CDMとは、京都議定書に定められた温室効果ガスの削減目標が課された先進国が、ホスト国(発展途上国)の『持続可能な発展に寄与』する『温室効果ガス削減』プロジェクトを実施し、実施されなかった場合に比べ、追加的な排出削減があった場合、削減量に対しCertified Emission Reduction(CER)と呼ばれる証明(炭素クレジットとも言う。)を発行し、先進国の削減達成に利用するものです。
クリーン・エネルギー・ファイナンス委員会では、CDMの実現可能性の検討やプロジェクト設計書(PDD)の作成をはじめ、炭素クレジット取得のための手続きのアドバイス・代行等、総合的な支援を行うことにより、発展途上国の持続可能な発展と温室効果ガスの削減に貢献しています。
検索してみると、今まで、日経金融や日経産業などでは報道されていたものの、日経本紙ではほとんど取り上げられていなかったので、あまり目に付かなかったようで。
新しい波(2)三菱証券——温暖化ガスの排出権ビジネス(動き出す金融CSR)
2004/04/22 日経金融新聞3面
三菱東京フィナンシャル・グループの証券拠点として傘下の四証券を統合して、二〇〇二年九月に発足した三菱証券が、地球温暖化対策の排出権ビジネスで“独走”している。
京都議定書で合意した二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガスの排出量を減らすメカニズムは、排出権取引、クリーン開発メカニズム(CDM)、共同実施(JI)の三種類。このうち、CO2排出権を商品取引のように売買する排出権取引に金融界の関心が集まるが、三菱証券が手掛けるのはCDMビジネスだ。
この記事によると、この委員会の波多野委員長は三菱銀行出身で、一九八〇年代に米バンクオブカリフォルニア出向中、企業の社会的責任を求める環境団体の人たちと応対し、金融と環境の接点に目覚めた、とのこと。
前記の業務案内では、
元来、証券会社は、資金調達はもとより、ベンチャー企業を育成し、その株式上場を実現する為の各種支援を行う機能を有しています。クリーン・エネルギー・ファイナンス委員会では、それらで培ったノウハウを発展途上国の再生可能エネルギー事業の推進に活用し、地球環境の保全に貢献することが役割と考えています。
とは言ってらっしゃいますが、それにしても、CDM事業は単に排出権をバーチャルにトレードするのと違って、実際に対象となるプロジェクトの事業化をする必要があるので、非常に大変そうです。
うーん、
「途上国で発電事業をやっている証券会社がある」 93へえ
という感じですね。
(ではまた。)
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本当に「へえー」ですね。つっこんで調べてみたくなります。
面白いエントリーありがとうございました。
排出量(権・枠)取引/解説リンク
しばらくフォローしていない分野なので、大事な人を抜かして居そうですがリンク先をまとめてみました。
●国内の先生による解説・研究室へのリンク
天野明弘兵庫県立大学副学長
しばらくフォローしていない分野なので、大事な人を抜かして居そうですがリンク先をまとめてみました。
●国内の先生による解説・研究室へのリンク
天野明弘兵庫県立大学副学長
中小企業対策の骨子まとまる,国内排出権で温対法報告も
ITproより
経済産業省がまとめた骨子案「国内CDM(クリーン開発メカニズム)」制度。中小企業の温暖化ガス削減事業に、大手企業が資金や技術の面から支援…