UFJが今期無配をアナウンスしたので、報道を見ているだけだと、すぐにでも政府がUFJの議決権を持つかのように思えてしまいますが、よく調べてみると、違うようです。
今週月曜日(9月13日)の会見で、金融庁長官いわく;
問)
UFJの業績下方修正で、優先株の無配が決定しまして、今後12%の議決権が発生すると、それで国としてはどのように議決権の行使をしていくかというのをお答えください。答)
今後のお話ということでありまして、議決権が復活しますのは定時株主総会で優先配当金を受ける旨の議案が提出されない場合ということですので、現時点では議決権は復活していません。17年3月期に優先株式が無配となる見通しが公表されたに止まるだけでございます。
確かに、UFJの有価証券報告書2004年3月期の51ページ以下を見ると、以下の通り、「議案を提出しないときの総会から」議決権が発生すると書いてあります。
注3.第二回第二種優先株式の内容は次のとおりであります。(中略)
(5) 本優先株主は、株主総会において議決権を有しない。ただし、優先配当金を受ける旨の議案が提出されないときはその総会より、その議案が定時株主総会で否決されたときはその総会の集結の時より優先配当金を受ける旨の決議がある時までは議決権を有する。
以下、第三回第三種、第四回第四種、第五回第五種、第六回第六種、第七回第七種の優先株式の内容の注についても、まったく同じ記述があります。(「第一回第一種」については議決権についての記述はありません。)
確かに、優先株式の要項の取り決めとしては、配当の予想を出しただけで議決権が発生するというのは非常にあいまいですので、「議案の提出が無い」というイベントの発生をきっかけに議決権が発生するというような形にせざるを得ないかと思います。
とすると、この9月末に東京三菱より7000億円の優先株が払い込まれるなどして資本増強が行われ、その資本準備金等を取り崩して配当原資にしたりすれば、業績回復の動向を見ながら、来年6月の株主総会で優先配当を行う旨の議案を提出して政府の議決権が発生しないようにするという可能性もまだ無いわけではないですね。
(それよりも、「ポイズンピル」的条項を盛り込んだ東京三菱の優先株式による増資の具体的中身がどんな内容になっているのか、非常に興味深いです。:-)発表されましたら、また。)
(追記:18:49)
失礼、もう発表されてました。見逃してました。(すみません。)
http://www.ufjbank.co.jp/news/investor/20040910d.pdf
中身については、また、後日。
(では。)
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