公証人シリーズ(その4)

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公証人さんって、日頃あまり深く考えたことないので、よくよくみるといろいろ面白いですね。

公証人法第十九条
公証人ハ任命ノ辞令書ヲ受ケタル日ヨリ十五日以内ニ其ノ所属スル法務局又ハ地方法務局ニ身元保証金ヲ納ムヘシ
2 身元保証金ノ額ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム

というので、その政令を見てみると、身元保証金の額は、

公証人身元保証金令
第一条  公証人の納むべき身元保証金の額は、次の区別に従う。
東京都の区にある区域又は大阪市に役場を設ける者 三万円
人口七万人以上の地に役場を設ける者       二万円
その他の地に役場を設ける者           一万円

少なっ!(笑)
法制定の趣旨は「信用力が必要な職業なので、保証金を積んでくれ。へんなことしたら取り上げちゃうよ。」ということだったんじゃなかったかと思うんですが、昭和二十四年六月一日に施行されてから一回も改訂されてないようで、これなら女子高生でも払えますね。
役所OBの利害に関することを政令としてその役所に権限移譲するというところが、そもそも牽制が効いてない気がします。
おまけに、お上による非常に細かい地域別参入規制までついてます。
公証人定員規則(別表)
お医者さんの場合、開業の際に医師会が地域で過当競争にならないように開業する場所の調整を行ったりするらしい、というのは昔聞いたことがありますが・・・政府がやるとは・・・。
ほかにここまで丁寧に政府が面倒を見てあげる業態(特に個人資格のもの)ってありますかね?
日本公証人連合会のホームページでは、「公証人は公務員です」と書いてありますが、決まったお給料しかもらえないサラリーマンというよりは、自分で稼いで事業所得?として税務申告する「自営業者」なわけですよね?こういう形態の「公務員」って、他にもあるのかしらん??
(ではまた。)

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1 thoughts on “公証人シリーズ(その4)

  1. こんにちは。
    実態としての公証人=ヤメ判、ヤメ検、裁判所書記官・法務・検察事務官OB 。
    地域規制以前の参入障壁がありますね。
    あと、キャリア組(判事・検察)の公証人さんの世界には「経済合同」というギルドがあります。
    公証役場の場所によって差がある公証人の所得の均衡を図るための、「再配分システム」だそうです。
    東京の場合、東京公証人合同役場という上部団体があって、東京地区の各役場は、収入の半分をここに入れることになっています。(5割合同)
    合同役場にいくら入れるかは、都道府県単位で独自に決めるのだそうで、大阪では収入の全部。(10割合同)
    こうしてプールした収入を、加入している公証人さんたちで均等に分けるそうです。
    「競争原理と相互扶助の原理をミックスしている」のだそうですが、米国の Notary Public が身近な存在であることと比較すると、日本の公証人さんは、お偉すぎますね。