先日のエントリー「大丈夫?パススルー対応」で、組合経由の投資の配当金の処理に関して信託銀行さん等に伺ったところ、名義書換代理人は「実質の株式所有者が誰かを確認する義務はない。」というスタンスでらっしゃるようだ、というお話を申し上げました。
これは投資家側のお話でしたが、投資される上場会社の側から見ると、「実質の株式保有者が誰か」という確認義務は、昨今、大いに盛り上がっているテーマであります。
(つまり、あの西武鉄道事件のおかげで。)
本日、いろいろな上場企業のコーポレートガバナンスご担当の方と意見交換する場があったのですが、西武鉄道問題に端を発する先日の金融庁・東証さんからの「企業開示情報の再点検の依頼」にもとづき、上場企業各社が名義書換代理人に問い合わせたところ、やはり、「うちでは名目上の株主しか把握してないので、知らん。」と言われて冷たかった、というご意見が相次いでました。
とはいっても、名義書換代理人さんに実質の株主の把握まで求めるのは酷な気もしますが、上場会社側は「名義書換代理人がわからないと言っているので、わかりましぇーん」で済む話でも無いわけで。
結局、各社、実質的な大株主のチェックをどうされたかというと、
・大量保有報告書で報告された株主と株主名簿が食い違う場合には、それについて調査をした。(ただし、ファンドを経由していたりすると、どのアカウントを通じて保有しているのか判明しないケースがほとんどだった、とのこと。・・・それはそうでしょうね。)
・上位10社に限らず、大株主については、株主宛郵便物の住所や、配当金の振り込み口座の本人確認などを行った。
・名義書換代理人から、「法令等に従ってちゃんとやってる」旨の確認書を受領した。
等の対応をされたようです。
先日の日経新聞には、ソニーさんが調査会社に実質株主の調査を依頼していることが載ってましたね。(ソニーさんのは有価証券報告書の記載の検証というよりは、もともとIR目的のようですが。)
ただし、当然ですが、ちゃんと調べれば本当の株主が必ずわかるとは限りません。チェックしても判明しない点については、有価証券報告書に「こういうチェックをしたがこれこれの部分については判明しなかった」というように注記をするしかないようです。
(ご参考まで。)
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実質株主のチェック方法
実質株主の調査方法、
これは西武鉄道事件で問題になった部分であり、
今度の3月決算において、
会計士は困りそうだなと思っていました。
そんなところへ、
いわずと知れたisologueさんにて、
参考になりそうなブログが。。。
実質的な大株主のチェックについぎ..