さて、先週金曜日についにFacebookが株式を上場しました。
全部で421,233,615株のオファーとなりますので、公募価格の38ドルを掛けると、約160億ドルもの金額を市場から吸い取ったことになりますが、このうち、Facebookが新規に発行する株式は180,000,000株分で、既存の株主が売出す分が241,233,615株です。(需要が予想を上回った場合のオーバーアロットメント用の分が、これとは別に63,185,042株分あります。)
「フェイスブックがIPOで最大180億ドルを調達!」といった報道もありますが、証券会社の引受額との差額や手数料を引いた1株あたりの手取りは1株37.582ドルですから、Facebookが調達する純額は68億ドル弱(約5400億円)にすぎません。
しかし、既存株主には7200億円以上の金額が入るわけで、さぞやFacebookの役員には大金が転がり込んでウハウハ・・・と想像する方も多いと思いますが、実際はどうでしょうか?
今回は、このFacebookの上場時の資本政策と、実際にどういう株主にどの程度の金額の現金が入ったのか等について、Facebookの最終版の目論見書をもとに検討します。
目次とキーワード:
- IPO後の株価推移
- IPOで持株比率や議決権比率はどうなるか?
- Zuckerberg氏の議決権比率を増やす(涙ぐましい?)努力
- 役員にはどのくらいキャッシュが入ったのか?
- Instagram買収で儲けたFacebook株主
- なぜIPOしたのにZuckerberg氏の議決権割合が逆に増えたのか?
- (おまけ)GrouponのIPOとの比較
(ではまた。)
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