(「やっぱり、磯崎はフジ派だ!」とか言われると困るのですが・・・)、
ブログ界では、かなり法律に詳しそうな方まで、「ニッポン放送の新株予約権はどう考えても有利発行で違法だ!」とおっしゃる方が非常に多いようです。
村上ファンド(株式会社M&Aコンサルティング)さんも、以下のような理由をあげて、この新株予約権の発行を危惧されてらっしゃいます。
http://www.maconsulting.co.jp/PDF/050225_PR(J).pdf
・発行済株式総数を大幅に超える多大な新株予約権を株主総会の決議なくして特定の第三者に対して安価にて発行するものであること(発表のあった23 日の終値6,800 円に対して、新株予約権の行使価格は5,950 円と時価よりも低く、新株予約権の発行価格も約336 円に過ぎない)
・新株予約権の行使により調達する資金(最大約3,000 億円)の使途が明確でなく、希薄化した株式の価値が将来的にどの様に高まるのか株主は理解できないこと
・フジテレビによる公開買付け期間中の発表であり、株価に大きな影響を与えたこと(発表のあった23 日の終値6,800 円に対して、発表後の24 日の終値は6,280 円)
まったくおっしゃるとおりですし、この新株予約権には有利発行以外の論点もいろいろありそうですので、この新株予約権の発行がOKなんてことを申し上げるつもりは全くありません。
ただ、新株予約権の条件をもう一回良く読みなおしてみると、「有利発行かどうか」という論点に絞れば、「有利発行ではない」という気がしてきました。
発行価額に影響を及ぼす主な要因
ニッポン放送のプレスリリースに書かれた新株予約権の要項のうち、有利発行に関係しそうなものをピックアップしますと、以下の通りです。
(4)新株予約権の発行価額
1 個につき3,362,731 円(1 株につき336.2731 円)(9)新株予約権行使の際の払込金額
各本新株予約権の行使に際して払込をなすべき金額は、各本新株予約権の行使により発行または交付する株式1 株当たりの払込金額5,950 円(以下「当初行使価額」といい、必要な場合、第24 項または第25 項に基づき修正または調整したものを「行使価額」という。)に割当株式数を乗じた金額とし、当初は59,500,000 円とする。(11)新株予約権の行使により発行する株式の発行価額
1 個につき62,862,731 円(1 株につき6,286.2731 円)
(ただし、第23 項および第24 項または第25 項によって変更されることがある。)(15)行使請求期間
平成17 年3 月25 日から平成17 年6 月24 日までとする。(17) 新株予約権の消却事由および消却条件
当社は、当社取締役会が必要と認めた場合には、本新株予約権の発行日の翌日以降、当社取締役会で定める消却日に先立つ1か月以上前に、新株予約権証券を当該消却日までに当社に提出すべき旨を公告し、かつ新株予約権原簿に記載された各新株予約権者に対して通知を行った上で、当該消却日に、本新株予約権1個あたり3,362,731 円にて、残存する本新株予約権の全部または一部を消却することができる。一部消却をする場合には、抽選その他の合理的な方法により行うものとする。(18) 新株予約権の譲渡制限
本新株予約権を譲渡するときは当社取締役会の承認を要するものとする。(24)行使価額の修正
平成17 年4月1日以降、毎週金曜日(以下、「決定日」という。)の翌取引日以降、行使価額は決定日まで(当日を含む。)の5 連続取引日(ただし、終値のない日は除き、決定日が取引日でない場合には、決定日の直前の取引日までの5 連続取引日とする。以下「時価算定期間」という。)の株式会社東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の毎日の終値(気配表示を含む。)の平均値に相当する金額(円位未満小数第2 位まで算出し、その小数第2 位を切り捨てる。以下「決定日価額」という。)に修正される。
なお、時価算定期間内に、行使価額の調整事由が生じた場合には、修正後の行使価額は、本新株予約権の発行要項に従い当社が適当と判断する値に調整(かかる調整は、公正で合理的なものでなければならない。)される。
5,950円で行使できるのは1ヶ月後の1週間だけ
まず誰しも、第(9)項の「新株予約権行使の際の払込金額」が5,950円なのが「カチン!」と来るわけです。直前の株価が6,800 円なのに、それより12.5%も安く(87.5%で)発行できるオプションなんてけしからん!というわけですね。
ただし、良く読むと、「(24)行使価額の修正」で、平成17 年4月1日以降、毎週月曜日に、前週金曜日までの5 連続取引日の終値の平均値に行使価格が修正されるわけです。(上限、下限無し。)
行使可能になるのが3月25日からですから、4月1日まで1週間しかありません。
つまり、5,950円で行使できるのは1週間だけです。
また、おそらく、フジテレビはこの第一週に約3,000億円もの大金を全部払い込んだりしないでしょう。(あと一ヶ月でそれだけの資金調達は無理っぽい。)
取得者側のコストで考えるとディスカウントは7.6%に過ぎない
仮に一部払い込んだとしても、先にフジテレビは1株あたり約336円を新株予約権に払っているわけです。5,950円と足すと6,286円。これは直前の終値6,800 円に対して92.4%であり、7.6%のディスカウントでしかありません。
しかも、合計6,286円で取得できるのは、発行決議の1ヶ月後の1週間だけなわけですから、それって、普通の増資(決議から2週間ちょい)よりちょっと払込までの期間が長い時価発行増資と同じとも言えます。ご案内のとおり、10%程度のディスカウントまでの増資は、判例や実務でも有利発行とはみなされてないようです。7.6%のディスカウントしかない1ヶ月先の増資は有利発行とはいいにくそうです。
2週目からのタイムバリューは相当小さい?
さらに、翌週(4月4日)からは、前週の平均「時価」でしか行使できないわけです。これ以降は、(ライブドアのMSCBとは違い)ディスカウントもついてません。つまり、翌週からのオプションバリューはほとんど無いんじゃないでしょうか。
フジテレビとしては、つまり4月4日以降は、株の取得コストは結局1株当たり「時価+336円」かかってしまうわけですね。つまり、(流動性とかマーケットインパクトを考慮しなければ)、「市場と同じ値段で株が買えるというだけの権利」に、1株あたり336円も払わせられるわけです。結果としてフジテレビとしては市場における「時価」より合計取得コストが(有利どころか逆に)高くなっちゃう・・・。
もちろん、浮動株が少ない現状では、そもそも市場で買える株数が限られるわけですが、そういう流動性リスクをオプションバリューとしてどう組み込むかですが・・・。(あまり、見たことがないですね・・・。)
しかも、(フジテレビとニッポン放送が「グル」だと考えればあまり関係ないとも言えますが)、第(17)項の発行会社のコールオプションと第(18)項の譲渡制限条項も、理論的なオプション価格を大きく下げる要因ではあります。
というわけで、このオプションって(詳細に三項ツリーモデル等で精緻な計算をするまでもなく)、「有利」と主張するのはかなり難しいと言えるんじゃないでしょうか。
(っていうか、誰か以上のような内容のこのオプションを一株当たり336円で買いたいって方、いらっしゃいますか?)
(1ヶ月後の株価にもよりますが、現時点で。)
同様に、「これを発行したおかげで株価が下がった」とか「株価を下げるためにこれを発行した」というのも厳しいかも知れないですね。純資産倍率(PBR)が1近辺の会社ですし、新株予約権だけ発行して株を発行しなかったら、一株当たりの価値は高まりこそすれ安くはならないはず。フジテレビ側は、まだ行使するどころか引き受ける旨の機関決定すらしてないわけですし。
というわけで、裁判所では、有利発行以外の論点で争われるんじゃないかと想像いたします。つまり、「安く発行はしてないかも知れないが、フジテレビに大量に新株予約権を発行するのはズルい」という主張が認められるかどうか、ではないかと。
(ではまた。)
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>誰か以上のような内容のこのオプションを一株当たり336円で買いたいって方、いらっしゃいますか?)
みんな買いたいんじゃないかな?
少なくとも小分けにして売ってくれるなら自分も買いたいなぁ。
10%以内は有利発行にならないとかいう前例も、それ自身がおかしいと思います。
そりゃ、公募ではどうやっても資金調達できないような崖っぷち会社が、
資金繰りに窮して仕方なく10%ディスカウントしてどっかに第三者割当増資をするとか、
従業員や役員のモチベーションアップのため新株割当権を無償でちょこっとだけ
発行するなどのケースであれば、(既存の株主の利益のため)
有利発行にあたらないと見なす余地はあると思います。
しかし、今回(ニッポン放送)のようなケースは明らかに既存の株主の利益
を考慮していないように(ぱっと見)思われます。
5%ディスカウントだから楽勝OK、10%だからすれすれOK、15%だとアウト!
なんて判断が実務で定着したり、ましてやルールとして明文化されたりなんかしたら
それこそコーポレートガバナンスの死だと私は思います。
【まとめ】ニッポン放送の新株予約権について
ニッポン放送の新株予約権をめぐっては、ルールに違反しているかどうか、が大きな争点となっています。
まとめエントリをやっている割には精査が足りませんでした<自分
というわけで、こちらのエントリを追加&TB張りましたので、ご報告まで。
追伸:ここでお金がないはずのフジテレビが、国内勢の証券会社相手にMPOをやって3月中に新株予約権を全部行使していたら、それはそれで面白い気がします。
アンケートの信憑性は?
アンケートの信憑性は?
「大西 宏のマーケティング・エッセンス」2005年02月27日のブログを読んで以下の通り「んっ?」と思った。
「んっ?」〓:
さて、世間の風はどうなっているのかですが、若手経営者の会である日本青年会議所(JC)の
メン…
この新株予約券は行使せずに取り消しすれば全額払い戻しされる条件になっているかと思います。つまり、リスクは一株当り336円の1週間の金利分だけであり、その時に市場価格が6287円を上回ってなければキャンセルすればよいだけでは無いでしょうか。
ある意味ほぼゼロ円のオプションを欲しくない人間がいるとは思えません。
訴訟における真実†例の有利発行の話に絡めて
昨日の夜寝て、朝目が覚めてIsologueを開いてびっくり
一日に3本の記事が・・・一読者としては嬉しいものの、書く方は大変だろうなぁ、と、思ったり・・・
それぞれとても内容の濃い記事なので、内容については付け加えることも特にないのですが(・・・というよりも、諸…
MITCHIEさん曰く:
「ある意味ほぼゼロ円のオプションを欲しくない人間がいるとは思えません。」
プレミアムが0円のオプションでも、その価値が0円だったら欲しがる人も少ないのでは。
この新株引受権は何時でも消却されうるので、せっかく株の市場価格がコールの行使価格を上回って新株引受権で鞘が稼げると思ったら「残念でした!この引受権は消却されました!」とニッポン放送にやられて絶対儲けられないのがオチでしょう。
しかし、これは引受権を第三者が行使しようとするケースで、何故かフジが行使しようとした場合は消却される確率は小さい様にみえるのですが… (汗
兎も角、”arm’s length”観点からは説明出来ない、「特殊」な関係が有るカウンターパーティー同士の面妖なプライシングですね (笑
Apricotさん、
>5%ディスカウントだから楽勝OK、10%だからすれすれOK、15%だとアウト!
なんて判断が実務で定着したり、
これは幸か不幸か定着してるようですね。ライブドアのMSCBも10%ディスカウントして発行してますし、以前ご紹介した野村證券さんのMPOもすべて10%以内のディスカウントです。
なので、今回の新株予約権発行の是非の論点は「有利発行かどうか」ではなく、「著しく不公正な発行かどうか」他のほうになると思います。
MITCHIEさん、
>この新株予約券は行使せずに取り消しすれば全額払い戻しされる条件になっているかと思います。
ニッポン放送側からのコールオプションはついてるんですが、新株引受権者側からのプットオプションはついてないんですね。
もちろん、「ニッポン放送とフジテレビは”グル”だ」と見れば、実質的にプットオプションが付いてるのと同じとも言えますが、そのあたりを裁判所がどう判断するか、ですね。
とーますさんもコメントありがとうございました。
・・・と思ったら、 MostlyVowelsさんにもコメントいただきました。ありがとうございます。
ちなみに、消却は「いつでも」ではなく、1ヶ月前に公告しないといけないようです。
ではでは。
メディアって
ここ2,3日メディアのライブドアの堀江社長に対する番組内での接し方が変わってきた。
ライブドアが要望したのか。
フジテレビがやり過ぎだと思っているのか。
堀江バッシングをやめようと思ったのか。
良くわかりませんが、先々週にTVにでてる時よりは扱いが全.
ライブドア、フリーぺーパー発刊を検討 02/17
★ライブドア、フリーぺーパー発刊を検討(朝日)
ヤスlogさん経由。
これは知らなかった。
リクルートとも喧嘩するつもりだったんでしょうか。
と思ったら、違うな。
現在の構想では、同社のウェブサイト上で展開している「ライブドア・ニュース」の記事のほ
1、この新株予約権は前文に書かれている通り、支配権防衛の為ですので
名簿が閉鎖される4月1日からの修正条項には意味がないと考えた方がいいでしょう。
2、新株予約権をオプションとしてみて、本来オプション価格として適切かどうかが議論がされるべきだと思います。
適正であるだろう価格が800円なら、半額以下のディスカウントになるように思います。
もっとも・・・・現在の株価から5%廉いだけだから新株予約権の価格は無償とする・・・
という異常に有利な第三者割当が、実際大量にあるのは事実ですし、裁判になると、どうしても新株入手した結果の値段の有利不利で議論されてしまうだろとは思いますが
3、新株予約権のオプション性。
まず、新株予約権そのものが株価オプションと等価です。
次に、新株予約権の払込までは フジテレビ側は権利だけを持ちます。
つまりこれもオプションと等価です。
新株予約権の価格は既に決まっていて、3月23日に権利行使出来るわけです。
さらに、この新株予約権を行使して、取締役を牛耳った後で、不要になった新株予約権を、
(17) 新株予約権の消却事由および消却条件によって消滅させる事が可能です。
つまり、3番目のオプション(事後消滅)が付いているのです。
この3段階のオプションが付いていますから、
3月23日発行〜4月1日の新株予約権としてみると割高に見えても
その前に3月23日までの権利(既に価格が決まっている)も考えると、800円以上の価値があると思います。
>あと一ヶ月でそれだけの資金調達は無理っぽい ←4,720 個あるので議決権で多数派を作るのに必要なだけ行使すればいいのです
一連の騒動をきっかけに、愛読させていただいてます。
株の法律論など、面白く拝見しておりますが、
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/business/cx.html?d=28fuji51516&cat=7&typ=t
これをみると、改めて、法律的な是非論以前に、堀江氏と日枝氏では、そもそも、土俵が
違いすぎて、相撲にならないのではと。まず、話している言語から全く違うようです。
これはちょうど、
娘の彼氏が家に遊びに来て、自分の娘と
「さっき見た“パンツ”さぁー・・・・」
などと話しているのを聞きつけたお父様が、
「『パンツ』の話など、臆面もなくしおって、けしからん。絶対許せん。」
と怒り心頭に発した、といった笑い話のレベルなのではないでしょうか?
これほど理解に差があると、どう転んでも良い結果にはならないような気がします。
それこそ良識のあるアドバイザが必要なのでしょうね。
ライブドアとニッポン放送の株主
フジの「新株発行権」について、ここ数日批判されてるように見えます。 既存株主の利…
一度聞いてみたかったこと
>MPOのディスカウント率がMax10%になっている理由知っている人いる?
(知らなくても教えてあげない。)
有利発行と不公正発行の違いを言える人いる?
(商法読んでね。)
ところでライブドアのガバナンスって何?
村上ファンドとグリーンメーラーの違いは何?
(グリーンメーラーって知ってる?)
有利発行と不正発行
新株(予約権)発行について、今までのエントリーでは「不公正発行にあたるか」という…
磯崎様
ところで、今回の争点はニッポン放送の株式が、現行発行株式の倍以上発行することが一番問題では無いですか?
また、新株予約権について単に威圧をかけるだけで行使しない(24日のコメントにも書きましたがフジテレビの資金がない)
ものを発行しただけで、実質株式になっていなければ、議決権はライブドア側にあるわけで、
もしもこのまま株主総会を迎えたとしたら、ニッポン放送とフジの構想も水の泡になるんじゃないかと思っています。
ただ、問題なのはライブドアがニッポン放送を買収するためにMSCBを発行したことについて、
他社買収のためのMSCBと言うのは、法律的に許されるのか否か?
(許されそうな気がしますが)
更には、万一フジテレビ側がニッポン放送を意地になって大金を用意して株式を買い付けた場合、
市場の株式の希薄性において、同意できる内容なのかどうか?
はたまた、フジから得た資金ならびに、フジが資金を集める方法について、適切な措置を講じることが出来るのかどうか。
ライブドアだからニッポン放送買収のためにMSCBもできましょうが、万一フジテレビが同じ理由で
MSCBをかけた場合フジの株主へのリスクがどうなるか。その辺を考えないといけないのかも。
まとめとして
・フジ、ニッポン放送側の弱みは、単にお金がないこと。(たぶん)
・ライブドアの弱みは、リーマンブラザーズにわたっているMSCBの行使の仕方。
・また、今回の騒動において、買収が何らかの理由で阻止された場合。
今後の国内外での他社買収の意向にどういう影響を及ぼすか。
or 買収された結果においては、完全買収では無い場合、ニッポン放送の持つ
フジテレビの株式の行方はどうなるのか?
などなど、素朴な疑問がございます。
**********************
下記は前回のコメント
1.ニッポン放送の株価対策の怠慢じゃない?
2.フジテレビがいくら虚勢をはってもニッポン放送を巨額で買収したあとどうするの?
3.フジテレビ今お金ないんじゃないの?
4.マスメディアってBlogやネット放送局で尻すぼみ事業なんじゃないの?
5.今回のライブドアとフジ系抗争で損するのは株主なんじゃないの?
6.テレビなどが落ち目なんだから、さして両者ともこだわらなくてもいいんじゃないの?
7.政治家と一発屋対決は面白いけど、後に残るのは不毛の荒野にならない?
8.法は最低の倫理。常識が変わる世の中では法整備が遅れるのはあたり前だから、
お互いに頑張って世の中を作ればいいんじゃないの?
法律家でないわたしには非常に違和感の覚えるはなしでした。
10%とかの数字のみで有利かどうか判断するのでしょうか?
ある特定の人(会社)しか買えないものなら有利と判断するのが、あたりまえに思っていたのですから。そんなに有利でないのならだれにでも買える新株予約権を売り出せ!と個人的にはおもいます。
それから、村上ファンドが触れている他の2点についてはどうなのでしょう?
その点も法律的に見るとどうなのでしょう?ますます気になります。
ゆっくり市場価格を吟味しながら行使できるだけでも十分有利発行でしょう。
そもそも法定で争われてないだけで10%以下のディスカウントも既存株主にしたら十分、有利発行でしょう。争う気が起こるか起こらないかの線であって、有利なことは間違いないでしょう。個人的には村上ファンドの見解がもっとも的を得ていると思います。
こんな大量の新株予約権を持ってたら、とにかく売りいれて、値が下がったら行使。買い入れて上がったら売る。見たいな事もその気になれば出来ちゃうでしょ。
今回の件を認めたら悪用する企業も出てくるでしょうし、日本の市場が駄目になるでしょ。
そういう点を考慮して判断してもらいたいもんです。
新株予約権は有利な発行?
最近ライブドアネタばかり書いていてチョット(T_T)な感じなのですが。磯崎哲也氏のブログに、今回の件は「有利発行ではない」という記事が載っていたので、ちょっと今回の件について一考したいと思います。(こ…
新株予約権は有利な発行?
最近ライブドアネタばかり書いていてチョット(T_T)な感じなのですが。磯崎哲也氏のブログに、今回の件は「有利発行ではない」という記事が載っていたので、ちょっと今回の件について一考したいと思います。(こ…
今回の新株予約権の有利さ(?)を考えるために、
以下のようなニッポン放送株に対する単純なオプションを考えてみます。
・ 3/31のみ権利行使可能なヨーロピアン・コールオプション
・ 権利行使価格は 5,950円
これを、2/23の時点で評価すると、最低でも(IV≒0でBS式で計算しても)850円程度にはなります。
で、今回の新株予約権は、少なくとも3/31には5,950円で権利行使可能なわけで、
(この時点では取消(消却)をされる心配もないし)
上記の単純なオプションよりは、理論価格は高くないとおかしいと思われます。
なので、今回の新株予約権は最低でも850円の価値があると考えられます。
よって、336円という発行価格は「有利」だと考えられます。
商法で言うところの「特に有利なる発行価額」なのかどうかまではわかりませんが、
やはり一般投資家の目には、不公正に感じますよね。
#ライブドアやフジテレビなどのMPO(MSCB)にも同様の不公正さを感じます。
こういった法律関係に精通されている方々は、××法の第△条に基づく請求なんだとか、
×条○項の要件は満たしていないとかといったところにやはり目が行く
のだろうとは思いますが、「有利発行」も「不公正発行」も、根底に流れる既存株主保護
や株主間の公平の確保、取締役会の権限の制限や株主に対する義務などといった理念は共通のはずです。
せっかくの機会なので、日本の証券市場や企業統治が良くなる方向に進めばいいなぁ。
と一投資家として思っています。
砕氷船ライブドア:週刊アカシックレコード050217
■砕氷船ライブドア〜週刊アカシックレコード050217■05年2月8日、ライブドアはニッポン放送(LF)の筆頭株主になり、LFの子会社ポニーキャニオンの販売する、フジテレビなどの番組ソフトを支配下に置いた。このソフト群はある業界にとっては何兆円もの価値が
>フジテレビのMPO
いまさらながらですが、IR情報を見てきました。1月に800億のMSCBを発行しているんですね。
ニッポン放送のことに足をとられすぎました(反省)
http://www.c-direct.ne.jp/japanese/uj/pdf/10104676/00029547.pdf
手数料を0.1%ぐらいと仮定した場合、1株あたりの予算が6,000円となるので、1300万株(予定していた株数ですね)を取得できる計算になります。
30%ぐらいまですでに買い進んでいる、と仮定した場合400億弱ぐらいの予算が残っています。(25%から動いていなかったら、480億ぐらい)
>こういった法律関係に精通されている方々は、××法の第△条に基づく請求なんだとか、
>×条○項の要件は満たしていないとかといったところにやはり目が行く
実際の裁判所の判断はそうじゃないです。
おそらく、「よく理解できないから、一応適法な手続きを踏んでるものを認めておこう」とか、その程度だと思いますよ。ここで話題になってるデラウェアでの裁判例と日本の裁判例(特に最高)を比べるとそうとしか思えないですね。
ちなみに「有利発行」の場合は特別決議なんかなくっても無効にされません。
条文上ははっきりと必要だとされているのに・・・ それなりの理屈こねてますがおかしいですよね
LDの訴訟代理人が、不公正発行だけでなく、有利発行も、株価操縦まで振ってきましたね。案外抜け目ないなぁという印象です。私見では、フジに勝ち目はないと思います。堀江の「メディアを殺す」発言等もあり、LD=堀江個人がメディアを支配する事への危惧は相当なもんだと思いますので、この「殺す」発言が裁判官の心証にどう影響するかは、注目に値するところですが、それを割り引いたとしても、あの新株引受権を正当化することは出来ないと思います。なだならフジ産経の利益を超えて株式市場における一般投資家をゴミ扱いするようなもんで、社会的法益を侵害するものとして重大だからです。これを差し置いて、報道の公共性中立性などと、自己弁護する姿は醜いとしかいいようがありません。
ニッポン放送の新株予約権発行問題
2月18日に「ライブドアの時間外取引」を書いて以降、フォローしていなかったので完全に出遅れているのですが、対抗措置として行われた新株予約権発行について。
毎日新聞に「新株予約権:ニッポン放送とライブドアの言い分は」、「ニッポン放送株:ライブドアVSフジ …
ライブドア 再・・・
さて、ライブドア。大分出来高が減ってきました。ピーク時の5分の1位。大分ちょうちんにのっかった個人投資家がいることが証明された形です。本番はここから! リーマンはおそらくまだ大多数転換しないでもっていますね。出来高の薄いところを集中的に売ったほうが下げ…
有利発行なのか、否か。磯崎さん家と堀古さん家。
なかなかついていくのが大変である。
切込隊長のコメント(63)にあった堀古英司氏のレポートへのリンク。なるほど。
もっとも新鮮だったのは、その前のレポートの「ポイズン・ピル」が「既存株主にやさしい」んだ、ということが述べてあったことだ。
磯崎さんは…
基準日後の新株発行は総会時に議決権を有しないと解されないのが通説と思われます(280条ノ38第2項、旧341条ノ6第2項参照)。
とすると、行使期間が、平成17 年3 月25 日から平成17 年6 月24 日となっておりますが、行使期間は、事実上31日までの7日間しかなく、6月24日までとしたのは少数説でも一応争えるように念のため程度のものだと考えます。
そのように考えると、新株予約権を発行した理由がわかると思います。
真の理由がわかると思います。
でした。失礼しました。
いつも興味深く拝見してます。
素朴な疑問なのですが、当初行使価格5950円で全部権利行使すると株数が定款枠いっぱいになる設定でしたよね。4月以降、市場株価が5950円を下回った場合は全部転換すると定款枠超えちゃいますが、問題ないんでしょうか。
『企業は誰のもの・・・?/堀江流にNO!ニッポン放送社員が声明』
◆ニッポン放送の経営権をめぐるフジテレビとライブドアの争奪戦に関し、ニッポン放送は3日、「社員一同」との署名で「フジサンケイグループに残るという現経営陣の意思に賛同し、ライブドアの経営参画に反対する」との異例の声明を発表した。ライブドアによるニッポン放閃..