要旨
フジテレビが増配したのは、ライブドアとフジテレビが「株式交換」で落としどころを見つけるという可能性と関係あるか。(ないか。)
以下、本文
Nikkei Netの記事より。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20050315AT3L1505415032005.html
フジテレビ、今期大幅増配・株主に還元
フジテレビジョンは15日、2005年3月期に期末配当4400円(前期末の配当は1400円)を実施し、年間配当を5000円(前期は2000円)にすると発表した。年間配当の従来計画は1200円だった。昨年5月に株式1株を2株にする株式分割の効力が発生していることを考えると、大幅な増配となる。フジテレビでは今期の配当は配当性向を50%メドに決定したとしており、来期以降も株主還元の充実を図っていく。〔NQN〕 (16:37)
うーん。株価を上げようということだとは思うんですが・・・。
今回の、ライブドアとフジテレビの「大人の落としどころ」として、「株式交換によるニッポン放送の子会社化」という手があるんじゃないかなと思っていたわけです。
つまり、ライブドアからニッポン放送株を買い取ろうにも、現金で買い取るとすると、TOBに応じてくれた株主さんへの義理として、(ただでさえ今でも株主代表訴訟されちゃったりしてるわけですから)、5,950円以上の価格では買い取れない。一方、以前推定したように、おそらく、ライブドアさんは6,200円くらいの平均取得コストになっているから、それ以上安く売るわけにはいかない。
ところが、株式交換となると交換比率が前面に出て、いくらで評価したのかという実額は比率の裏にちょっと隠れます。キャッシュで買い取るよりは、価格をボヤかせられる効果がある。(かも)
ライブドアや村上ファンド等の既存株主には、フジテレビ株がわたるわけですが、結果としてそのフジテレビ株が、もとのニッポン放送株の取得価額より高く売れればライブドアも納得できる可能性はあります。
既にフジテレビとライブドアでほとんどすべての株式を持っているわけですから、ライブドアだけでも説得できれば、株式交換は確実に実行できます。少数株主に負担をかけるスキームでもない。
つまり、
と、なってるのを、
と、こうするわけですが。
ここで、例えばTOBをやっていた時点でのTOB価格(5,950円)とフジテレビ株の株価の比率で株式交換をすることにすると、TOBをしていたときよりもフジテレビの株が上がっていれば、ライブドアが投下した資金を回収することも可能になってきます。
ソトーやユシロのときと同様、配当を上げれば株価は上がる可能性が高いわけですが、「それによって企業の本質的な価値が上がったとは言えない」とも言えなくはないですから、そのへんの理屈を付けて交換比率を決定すれば、TOBに応じてくれた株主さんにも一応スジは通る。(・・・かも・・・ちょっと苦しいですが・・・。)
フジテレビ株主の観点からは相対的に悪い交換比率にはなるわけですが、焦土作戦だなんだという話よりは損害は少なくて済むでしょうから、フジテレビ株主に対しても経営判断としてはアリなのかな、と。株なので、キャッシュよりはプレミアムが付くのが通常でしょうしね。
ま、単にフジテレビ自体が買収されないように株価を上げとこ、とか、今まで株主重視の姿勢があまりになかったので反省して、という単純な話かも知れません。
思いつきで恐縮ですが。
(ではまた。)
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そのschemeでは、Livedoor は Fuji 株を市場で売却して
資金を回収するわけですか?
うーん。全額回収するのにどれくらい期間がかかるのやら。
というか、そんな scheme が public になった時点で、需給悪化を見越して
Fuji の株価が下がっちゃうように思います。
株価を上げておいて、もう1発MSCBを出して資金調達する、なんてことはないでしょうか?
(1回発行したら、ある程度、間を置く必要があるのでしょうか?すみません。全く無知です。)
というか、もともとTOB後は株式交換で100%子会社化の予定だったのだろうと思いますので、ライブドアがマジョリティを握っている状態でどのようにすれば、それを実行できるかが焦点ではないかと思っていました。(否決が出来るので)
ちなみに「村上ファンド売却、今後の『落としどころ』は?」(05/03/04)のコメントにて、私は「私は残された落し所の一つとして、ニッポン放送株をフジテレビ株に株式交換後、フジテレビによる自己株買い付け(金庫株)を妄想していますw これだと短期利得にならない?ので堀江氏も受けるかな。」と
ライブドアと裏で手打ちをしたかも含めて想像の域をでないのですが、フジテレビとしては株式交換の実現可能性は置いておいて、交換比率で優位とする目的と合わせて、オーソドックスな手法で大衆(or投資家)へのイメージ回復作戦に出たのかな?と思いました。
間違って途中で送信してしまいました。 ま、いいかw
ライブドアは最終的にフジテレビが欲しいわけですから、フジテレビ株が増えるこのスキームには飛びついてくるでしょうね。が、だからこそフジテレビ側はまずやってこないスキームだと思います(^^;
ところで、村上ファンドが2月中にニッポン放送株を売っていたことが明らかになっていたことについてですが、今回の報告書で減少した株数はおおよそ4,962,640株。これに対し、2月8日にトストネットで約定した50億円以上の取引のうち、8:23、8:24、8:46の取引高を合計すると4,977,690株。差額が1万株(0.04%)ほどありますが、これはひょっとしたら……と思ってしまいました。
磯崎さん、ご無沙汰でございます。しばらく地下に潜っていましたが、ようやく復活いたしましたので、お時間あればのぞいてみてください。
Mファンド保有が少なくなってるわね。(18.57%→3.44%)
LDとあわせて51%でプロキシーファイトとかって雰囲気なのかもしれないけど、
MファンドとLDはインサイダー取引にならないのかしら?
2月8日よりも前の時点では、Mファンド、LD共にニッポン放送株主でしょ?
そうすると、双方ともニッポン放送の会社関係者になるわけよね。
*
会社関係者には、当該上場会社等の役職員、帳簿閲覧権を有する株主、
法令に基づく権限を有する者、上場会社等との契約締結者などが含まれる。
*
で、こうも書いてあるのよ↓
*
なお、会社関係者から業務等に関する重要事実の伝達を受けた者、すなわち
第1次情報受領者も、その業務等に関する重要事実が公表された後でなけれ
ば、その上場会社等の株式、CBなど特定有価証券等の売買をしてはならない
ことになっている。
*
出展:http://www.nomura.co.jp/terms/a-gyo/innsaida.html
2月8日よりも前の時点で、5950円でTOBに応じている株主からすれば、
ニッポン放送関係者であるMファンドとLDから、重要事項であるTOB価格の
引上げに関する情報が事前に周知される前に、MファンドとLD間の間で、
ToSTNeT-1での取引が成立したことになると、その情報に触れる前
(たとえば前日)に5950円で市場で売っちゃった株主とすれば、不利益を
こうむったことになるわね〜。
堀江社長は外国人記者クラブでMファンドの件をコメントしてたし・・・。
LDとしては、偶然ToSTNET-1で取得していることになっているけど・・・。
ToSTNET-1で相対取引があったかどうかは、ともかく偶然買えるにしては
奇跡的に運が良いようにも思うけど・・・。
ちなみに、インサイダー取引に抵触する会社関係者で、上場会社等の帳簿
閲覧権を有する株主は、当該上場会社等の総株主議決権の3%以上を持つ
株主ね。
2月8日よりも前にのニッポン放送株の持ち株比率は以下。
Mファンド 18.57%(1月5日時点)
LD 5.4%(2月7日よりも前)
ニッポン放送の新株予約権差し止めの仮処分決定
ダメンズ・ブロガー復活です。更新が滞ったままだったのに、訪問してくれた方々どうもありがとうございました。さて、仕事その他忙しいことを言い訳にして、更新をさぼってきたぼくですが、ちょうどニッポン放送の新株予約権の差し止めの仮処分決定(以下「本決定」といい…
村上ファンドが持っていた株はどこにいったんでしょうかね?今3.44%持ってるみたいなのですが、何%以上持っていたら株主総会を開かせることができると聞いたのですが・・・。
10:50のトラックバックは、削除していただけますか(元の記事を誤って削除してしまい、再アップしたので、リンク先が存在しません。)。
taka-mojitoさん、
復活、おめでとうございます。楽しみに拝見して勉強させていただきます。ではでは。
極めてアバウトな想像ですが、ライブドアがなんとかかんとかニッポン放送株式の50%を取得したとしても(おそらく資金的にそれ以上は無理と想像)、フジとニッポン放送が株式交換されたら、それぞれの時価総額は6000億と2500億ですが、それぞれぞれの自社株式分を控除し、6000*0.8と2500*0.6で6300億、折角支配したと思ったらフジテレビの16%程度の株主になり下がってしまい、絶対受け入れがたいと思うので総会で反対するでしょう。(従来スタンスに変更が無い場合)
逆にフジテレビとしてはライブドアによる3階建て支配構造は排除したいので何とか実行したいはず。
すみません。株式交換の実務は経験が無いので根本から間違えてるかもしれません。
フジテレビジョンが株式交換でニッポン放送を完全子会社化するという話ですよね。
フジテレビがそれをやりたい理由のもう1つに、これが実行されるとライブドアはニッポン放送の過去の経営陣に対して株主代表訴訟できなくなる、というのもありますね。常々問題になっている話ですが。
まあこれをするにはニッポン放送でも株主総会の決議が必要ですから、いかにライブドアをだまくらせるかがポイントになるでしょう。ちなみにフジテレビは前回の株式分割の際に発行可能株式数も倍に引き上げていますから、新株発行余地はまだまだあります。
和解策としての株式交換なんでしょうけど、難しいわよね。
攻めるLDはすでに800億以上使ってるから、
やめたくてもやめられない状況でしょうし・・・。
無理やりでも子会社化して会計処理したうえで、できれば
株価をあげて、次のファイナンスを考えないといけない状況
なんじゃない?
リーマンのMSCBの転換価格も300円に下方修正されてる
わけだし・・・。(ほんとにおいしいわね。)
今回の外資規制がらみあたりがどうなってるのか心配なスキームな気がするのですが?
そのあたりどうなんでしょうか?
増配すれば、期末の配当取りで「一時的に」株価は上がる。
でも、現金が流出するだけだから企業価値は下がる。
ま、ライブドア流の錬金術よりはちょっとましね。
ライブドア VS フジ そして村上、胸突き八丁
本当に胸突き八丁になってきました。お互いにです。
現在のキーポイント
1.ライブドアは議決権ベースで49.8%を握っている(昨日日経報道)。これを発行済み株式シェアーに引きなおすと46.25% に相当、すなわちあと3.75%で50%に到達する。
2.しぎ..
フジの対抗策として、パックマンを仕掛けた場合について考えたんですが…。
リーマンのCBを買取ると言う手はないのでしょうか?
ニッポン放送増資にしても、資金使途としてCBを揚げるとライブドアとしても自社株・社債購入がニッポン放送の資産価値を毀損するとは主張できないでしょう。
経営権にしても、ニッポン放送ではなく、ライブドアのなので認められるように思います。
全転換行えば、最大で40%余りの議決権があり、市場では実質的には下限転換額をも下回る価格になると思います。
そうなれば、過半数まで買い進めたとしても+αの資金はしれています。
今回の増資額と同等もしくは以下に抑えれるのでは?
株価下落の損失は発生しますが、そこは上場廃止(90%以上で廃止として仮定)のニッポン放送株は資産上は額面価格相当とされ、売却価格もそれに準じた評価額になり、後は売却させるように持って行けばいいと思います。
フジが買戻し再上場すれば、現在の株価相当は確保出来ると思われ、CBの損失も
かなりペイ出来るか、もしくは+に持っていくことも可能かも。
リーマンは利鞘獲得が目的である以上、長期戦の現状で償還または転換するにしても
時間とリスクが掛かるよりは、フジに売却して、確定された方がメリットがあるのでは?
等と一般人が考えましたが、専門家の方々はこの考えについてどうお考えでしょか?
女子アナの証券化 うっちーLLC、アヤパンLLCなど
ライブドア ついに議決権ベースで50%超 取得した模様。 ←こちら
フジテレビも企業防衛手段として大幅増配らしい。←こちら
クラウン・ジュエルとか焦土作戦いう手段を使って、ニッポン放送の持っているポニーキャニオンの株を売却し、ニッポン放送
ファイナンス理論の常識からすれば、配当は企業価値に中立のはず。株価上昇を狙って増配を発表し、しかも狙い通り上がってしまった。なかなか理論通りにはならないものですね。
パックマンディフェンスも面白いねぇ。
リーマンに時価に上乗せして買うって言ってやりゃ喜んで売るだろうよ。
発効要領見る限りじゃ予約権に譲渡制限条項は無いように思われるし。
ニッポン放送株式を取り戻した暁には、ライブドア株式はインデックスにでも買い取ってもらってさ。
二束三文にしかならんだろうけど。
フジテレビも守ってばかりいないで、積極的に攻めるべきだよ。
一旦ニッポン放送の経営権を握ったら、ライブドアはフジの3%弱の株式を取得すれば、フジが頑張って集めたニッポン放送株の議決権を無効に出来るので、フジの立場は未だ非常に脆弱だと言えましょう。また、ニッポン放送の増資を決議し、フジの持ち分を希釈するのも可能になりますので、LDとしてはフジとの株式交換等に応じるインセンティブは全く無い様に見えるのですが…
村上ファンド、ニッポン放送株の大量売却を公表
15日予想通り村上ファンドによるニッポン放送株の大量売却が公表されました。このよ
フジテレビとライブドアの行方
とりあえずの村上ファンドの保有株式数が発表されました。3.44%位だそうです。一方、ライブドアの議決権ベースの株式数が48%程度と、合わせると51%に達する見込みが出てきた模様。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye1151737.html
やるなぁ…。さすがファンド会社…