本日の日経朝刊は、いろいろおもしろい記事があるのですが、
(「個人投資家に株買いやすく」(3面、isologueバックナンバー投資単位の引き下げとボラティリティ参照)、「資産担保証券の市場整備」、「公的資金返済金融庁は複雑」、「市場外取引で免許交付(ほふりクリアリングに)」(以上7面)、「セプテーニ、トライコーンを子会社化」(16面 セプテーニ過去最大の買収とのこと)等)
横浜銀行の転換社債が、「120%コールオプション条項」がついていてちょっとヒネってあって面白いです。
CB全額株式転換へ 公的資金完済、前倒し視野」(7面)
横浜銀行は六日、転換社債(CB)六百億円を額面で繰り上げ償還できる権利が発生したことを明らかにした。投資家にとって額面償還は不利なため、株式への全額転換が急速に進む公算が大きい。転換後は自己資本比率が〇・九%程度上がる見通しで、財務面で余裕のできる同行が公的資金を今年度中に完済する可能性も出てきた。
横浜銀は二〇〇一年十一月に六百億円のCBを発行。東証での株価の終値が転換価格(四百二十円)より二〇%高い価格(五百四円)を二十営業日連続で上回った場合に銀行の判断で繰り上げ償還できる権利(コールオプション)が発生する条項を盛り込んでいた。
横浜銀株の終値は三月十日に五百五円を付けてから高水準を維持。二十営業日目に当たる六日も六百六十六円と基準値を上回り、権利行使条件を満たした。横浜銀が権利行使に踏み切る可能性を考慮すると、CBの保有者は額面(百円)での償還を待つよりも、転換価格の四百二十円で普通株に転換し、市場売却した方が有利になる。(以下略)
決議時の公告(平成13年11月1日)
http://ir.nikkei.co.jp/data/pdf/20011101/01110001.pdf
転換価額修正公告(平成15年7月28日:525円→420円)
http://ir.nikkei.co.jp/data/pdf/20030728/03070144.pdf
この公告、ホームページのプレスリリースでも、新聞の記事検索でもリリースされていないようですが、決議時の公告にあるように、この転換社債には120%コールオプションのほかに、株価が20日連続で転換価格を下回ると転換価格を最大20%まで引き下げるという条項もついていて、その適用を受けて転換価格を(ひそやか?に)引き下げていたんですね。
株価推移(Yahoo!Japan Finance)
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=8332.t&d=c&k=c3&z=m&h=on
今回のリリース
http://www.boy.co.jp/topics/040406.pdf
平成13 年11 月16 日発行の株式会社横浜銀行120%コールオプション条項付第4 回無担保転換社債(転換価額下方修正条項および転換社債間限定同順位特約付)につきまして、管理委託契約証書第1条(7)号(ホ)に基づく120%コールオプション条項の要件が本日平成16年4 月6 日に充足され、今後当該転換社債の全部を額面100 円につき金100 円で繰上償還する権利が当行に生じたことをお知らせいたします。
当行が本条項に従って権利を行使する場合には、当該権利発生日より15 日以内かつ当該償還日に先立つ30 日以上60 日以下の期間内に必要な事項につき公告をおこなうこととなりますが、当行が当該権利を行使するか否かは現時点では未定であります。
(本日は、これにて。)
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