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週刊isologue(イソログ)
2015.01.05(第300号)
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■謹賀新年(2014年の「週刊isologue」総集編)
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あけましておめでとうございます。
今週は一年の最初なので、昨年の記事を一覧する「総集編」をお届けします。
今年も、何卒よろしくお願い申し上げます。
昨年のテーマは、
- 日本の新規IPO企業の資本政策
- 米国アクセラレーターの新投資スキーム「safe」「KISS」
- シード期の優先株「Series Seed」の研究
- 全米ベンチャーキャピタル協会契約ひな型の研究
- 日本の起業の起爆剤としてのLLC
- CYBERDYNEのdual class
- 中国企業WEIBOの上場と中国ビジネスの特性
- ケイマン諸島法人の特性
- Alibabaのビジネスモデルのスゴさ
- ファンド規制(適格機関投資家等特例業務)の問題点
- GoProのIPOと資本政策
- 手数料がかからない証券会社「LOYAL3」
- 「起業のエクイティ・ファイナンス」発売
- イーロン・マスク氏の華麗なる経歴とTeslaのファイナンス
- ウォーレン・バフェット(バークシャー・ハサウェイ)の資本政策
などでした。
詳細は、以下をご覧下さい。
(以下、リンクはブログでの紹介にリンクしています。)
いつもと同様、当然のことながら、これらは法的助言を行うことを目的とするものではなく、財務的な観点からの検討が中心です。実際の解釈や運用にあたっては、弁護士等の法律専門家の意見を参考にしてください。
以下、一覧:
週刊isologueでは、いつもは比較的テクニカルでマニアックなことを扱ってますが、年初ですので、Q&A方式で「起業の本質」について考えてみた号です。
目次とキーワード
Q1:「起業はリスクが高い」と聞きますが、やはり危険なのでしょうか?
Q2:失敗すると周囲から笑われますよね?
Q3:成功者の話を聞くことは役に立ちますか?
Q4:日本は起業に向かない環境なんじゃないでしょうか?
Q5:起業を煽るのは、けしからんですよね?
Q6:起業して失敗する人のことも考えないといけないんじゃないでしょうか?
Q7:どうしたら失敗しないで済むでしょうか?
Q8:起業家が賞賛される社会を作るべきですよね?
Q9:今の日本のベンチャー界はバブってますよね?
2013年の記事を一覧する「総集編」の回です。
2013年は、
- 2011年から2013年途中までの、上場した企業の資本政策
- 米国上場企業(ネット、バイオ等)の優先株式実務
- ソフトバンクのイー・アクセス取得からスプリント買収への流れ
- ソフトバンクの次の一手? T-Mobile買収を考える
- シード用の投資契約(「日本版convertible equity」)
- ベンチャー経営者の持分を増やす方法(「乙種普通株式」)
- ベンチャーのスピンオフ・MBOを成功させる方法
- 日本向け、新しいベンチャー投資ストラクチャー(「LLP-LPS」)
- ベンチャー政策、ベンチャー税制(「法人版エンジェル税制」)
- DELLのMBO
- Twitterの上場
- 世界のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)入門編
- Bitcoin、ウィンクルボス兄弟のBitcoin信託
- 飲食系ネットビジネス、アップデート
などをお届けしました。
昨年8月以降にIPOしたベンチャーの資本政策、前編です。
取り上げた企業
- N・フィールド
- サンワカンパニー
- オープンハウス
- エンビプロ・ホールディングス
- バリューHR
- エナリス
- システム情報
- ANAP
- M&Aキャピタルパートナーズ
- メディアドゥ
- じげん(+MBOのスキーム)
- アライドアーキテクツ
- ライドオン・エクスプレス
- オンコリスバイオファーマ
昨年8月以降にIPOしたベンチャーの資本政策、後編です。
取り上げた企業
- ホットリンク
- ブイキューブ
- エンカレッジ・テクノロジ
- オウチーノ
- 日本アクア
- シグマクシス
- アーキテクツ・スタジオ・ジャパン
- アビスト
- ウィルグループ
- ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ
(第252号)起業の起爆剤になるか!? LLCの活用について考える(基礎編)
政府の成長戦略において開業率を倍増させる目標を掲げていますが、その起爆剤として、米国等にならって、合同会社(LLC)を税務上パススルーにすることを考えてみました。
目次とキーワード
- 合同会社(LLC)とは?
- パススルーとは?
- LLPじゃダメなの?
- パススルー課税の計算例
- 「組合」とみなせば、最小限の改正で済むはず
- 組合の税務の位置付けの転換
- パススルー課税選択の届出イメージ
- 期末後の計算書提出イメージ
- 給与所得控除は、優遇し過ぎか?
- 税理士会は納得するか?
- 法改正に向けた準備
- 実際の申告イメージ
- 株式会社など他の法人にもパススルーを認める?
(第253号)Y Combinatorの新投資スキーム「safe」
今週は、米国シリコンバレーのスタートアップ・アクセラレーター「Y Combinator」が採用した「safe」という新しい投資スキームについて考えてみました。
「safe」は「simple agreement for future equity(将来の株式のためのシンプルな契約)」の略で、米国のエンジェルなどの投資で幅広く使われているconvertible noteが「負債」なのに対して、safeは「負債」ではないので、ベンチャーにも投資家にも、いろいろいいことがあります。
目次とキーワード
- 「safe」導入の経緯
- 「series AA」
- convertible note
- safeは負債ではなく、株式購入権(warrant)に似ている
- capとdiscountの復習
- safeの概要
- 「high resolution fundraising」は本当に機能してる?
- 投資家どうしの「deadlock」と国民性(?)
- 「safe」のひな形(なんてシンプル!)
- 次回増資時の転換条件
- 「Standard Preferred Stock」と「SAFE Preferred Stock」の使い分け
- 買収、IPO時の条件
- 清算時等の条件(「負債でないもの」から「負債」へ)
(第254号)シード投資スキーム「日本版safe」作ってみました
日本の法令、税務、会計の表示にあてはめて、safeの「日本版」を考えてみました。
シンプルなのが特性ですが、もしかすると全くシンプルに見えないかも知れません。(笑)
目次とキーワード
- (旧)convertible equityを日本の実務に落とし込む際に考えたこと
- 「日本版safe」の基本アイデア
→「行使価格ゼロ」の「会社法の新株予約権でない」株式等交付請求権(コールオプション)=「株式をタダでもらえる権利(有償)」 - オプションと呼ぶには性質が奇妙過ぎる?
- A4用紙6枚程度の非常にシンプルな契約「だけ」で締結が可能!
- 登記も不要!
- DESできるか?DESは必要か?
- (フル)契約書案
- 「high resolution fundraising」対応(全株主の押印は不要)
- 次回増資と違う株価での発行(cap、discount)の問題、株式の種類
- 課題:こんな簡単でいいのか?そもそも使われるのか?
(第255号)ついに「dual class」資本政策を採用したCYBERDYNE社が上場へ
この回は、「CYBERDYNE株式会社」(サイバーダイン)が採用した「dual class」資本政策について見てみました。
目次とキーワード
- 新EDINETでの有価証券届出書の見方
- 定款の「企業理念」の記載は意味があるか?
- 日本の会社法で「dual class」をどう実現したか
- 単元株式数を変えるアイデア
- 普通株式と「B種」の違い
- 経済産業省の企業価値研究会の提言
- 東京証券取引所の「IPOの活性化等に向けた」リリース
- 「ブレークスルー条項」と「サンセット条項」
- 実際の経済的持分や議決権はどうなっているか?
- Googleなど米国のdual classとの違い
- ド赤字なのに超多額の資金調達
- 種類株式の命名慣習
- 外部株主はなぜB種を手放したか?
- 増資の推移
- この資本政策は「米国風」か?
- 「平和目的」はdual classの上場承認を容易にしたか?
- dual classのベンチャーは今後も上場するか?
(第256号)米国企業の「dual class」資本政策の実例を振り返る
「元祖」Google以降、米国でdual class(または3つのクラス)を採用したテック系企業の資本政策を振り返りました。
目次とキーワード
- 調達額(株主資本の部)
- 経営陣の持株比率
- 「創業者からの手紙」に書かれた決意
- 大手新聞社やウォーレン・バフェットも採用
- 学術調査の結果
- ガバナンスの強化
- Pandora(dual class無し)
- Groupon
- Zynga(”three class”!)
- Yelp
- Twitter(dual class無し)
- まとめ
(第257号)isologueは何を考えて来たか?(2004年編)
ブログの「isologue」は2004年3月4日から書き始めたので、この前の週に満10周年を迎えました。
私あまり過去は振り返らないタイプなのですが、この節目に、過去isologueで何を考えて来たのか、ファイナンス面を中心に振り返ってみました。
「中国版ツイッター」とも呼ばれる新浪微博(シナウェイボー、WEIBO)が米国市場に上場することになり、SECにFORM F-1を提出しました。
中国企業については今まで扱ったことがなかったと思いますが、超巨大企業「アリババ」も北米に上場も控えていますので、この回は、このWEIBOの上場資料を見てみました。
目次とキーワード
- 株主構成
- 会社の歴史と構造
- 財務諸表
- ケイマン法人(上場する企業)
- 香港法人(子会社)
- 中国法人(孫会社)
- 「VIE=Variable Interest Entity」
- ゲーム子会社
- ICPライセンス
- VIEを縛るための契約
- 貸付金に関する契約
- 株式の譲渡契約
- 貸付金の返済に関する契約
- 議決権行使に関する契約
- 株式の担保契約
- 独占テクニカルサービス契約
- 独占販売契約
- 商標使用契約
(第259号)中国でネットビジネスをやるとどんなリスクがあるか?(WEIBOの事例)
中国語がわからないとなかなか中国でのビジネスをするための知識は得られなさそうですが、米国での上場のための開示資料は、世界でも最も詳細に、かつ隠し立て無しにビジネスの中身を開示した資料の一つではないかと思います。この回はその中でも特に網羅的に開示されていると考えられるビジネスのリスク(RISK FACTORS)を見て、中国でネットのビジネスを営む場合のリスクについて考えてみたいと思います。
目次とキーワード
- 規制主体である行政機関
- Ministry of Industry and Information Technology(中華人民共和国工業情報化部)
- The Ministry of Public Security(公安部)
- Ministry of Culture(文化部)
- General Administration of Press and Publication(国家新聞出版総署)
- Ministry of Commerce(商務部)
- The State Administration for the Protection of State Secrets(中央保安委員会)
- SAFE(State Administration of Foreign Exchange、中国国家外貨管理局)
- State Administration of Taxation(税務総局)
- 各種ルール、通達
- The Rules on the Administration of Microblog Development(マイクロブログに関する北京市の規制)
- the Regulations for the Administration of Commercial Encryption(商用暗号に関する規制)
- the Judicial Interpretation on the Application of Law in Trial of Online Defamation and Other Online Crimes(誹謗中傷の解釈指針)
- 仮想通貨「Weibo Credit」
- The Notice on the Strengthening of Administration on Online Game Virtual Currency(仮想通貨に関する通達)
- the Filing Guidelines on Online Game Virtual Currency Issuing Enterprises and Online Game Virtual Currency Trading Enterprises(仮想通貨登録ガイドライン)
- 「Circular 56」(Rules for the Administration of Internet Audio and Video Program Services)
- Circular on Issuers concerning Strengthening the Administration of Foreign Exchange Business
- Notice Regarding the Determination of Chinese-Controlled Offshore Incorporated Enterprises as PRC Tax Resident Enterprises on the Basis of De Facto Management Bodies(外国法人の実質運営場所の判定に関する通達)
- 「Circular 601」(Notice on How to Understand and Determine the Beneficial Owners in a Tax Agreement、租税条約の適用を受けられる主体の決定に関する通達)
- Regulations on Mergers and Acquisitions of Domestic Enterprises by Foreign Investors(M&Aに関する規則)
- 「Circular 6」(Notice of the General Office of the State Council on Establishing the Security Review System for Mergers and Acquisitions of Domestic Enterprises by Foreign Investors、M&Aに関する通達)
- 「Circular 698」(Notice on Strengthening Administration of Enterprise Income Tax for Share Transfers by Non-PRC Resident Enterprises、低課税国やタックスヘイブンでの持分の譲渡を含む通達)
- 各種ライセンス
- Internet Content Provision License(ICPライセンス)
- Online Culture Operating Permit
- Value-Added Telecommunications Services Operating License
- 各種リスク
- 経済政策に関するリスク
- 為替リスク
- ストックオプションなどのインセンティブプランの登録に関するリスク
- 国外親会社の組織再編等の届出に関するリスク
- 国外送金、内部留保に関するリスク
- 法人税の減免措置の見直しに関するリスク
- ケイマン親会社が中国国内法人とみなされるリスク
- 付加価値税(VAT)に関するリスク
- M&A戦略に関するリスク
- 不動産に関するリスク
- 中国国内銀行破綻に関わるリスク
- 4大会計事務所(Big4)の中国での業務が米SECによってストップさせられそうになっているリスク
ケイマン諸島の持株会社(ペーパーカンパニー)は、いろんな場面で遭遇しますので、WEIBOの目論見書(F-1)に載っていた、ケイマン法人の定款を「鑑賞」してみました。
目次とキーワード
- ヘッダー部分
- 基本定款(memorandum of association)と付属定款(articles of association)
- ケイマン諸島法人の特別決議
- ケイマン諸島の会社法は米国人弁護士が作ってる?
- 誰がケイマン法人の設立事務をやっているのか?
- 「PO Box 957, Road Town, Tortola」、再び!
- 会社の目的
- 会社の権利能力
- 有限責任性
- 発行株式数
- 「exempted company」
米国デラウエア法人で基本定款(certificate of incorporation)と言っていたものは、ケイマン(英国法系)では「memorandum of association」、デラウエア法人で付属定款(bylaws)と言っていたものは、ケイマンでは「articles of association」と呼ぶようです。
この回はその「付属定款」の方を研究してみます。
目次とキーワード
- 付属定款の章立て
- 付属定款と株主総会決議
- 中国-ケイマン企業のみなし清算条項
- 種類株式内容変更の決議
- 優先株式の転換
- 残余財産分配の定め
- まとめ
(第262号)ケイマン法人の研究(その3:Baidu.com)
この回は、Baiduの概要や、全体像が中心です。
目次とキーワード
- Baidu.comの概要
- 李彦宏(Robin Yanhong Li)氏のイケメン度
- Baiduグループのストラクチャー
- 大株主と経営陣
- Integrity Partners
- Peninsula Capital
- Greg Penner氏
- 各ラウンドの資金調達
- 基本定款(memorandum of association)の構成
- 額面、授権株式数
- dual classの採用
- 付属定款(articles of association)の目次
(第263号)ケイマン法人の研究(その4:Baidu.com)
この回は、米国で上場している実質中国企業で形式的にはケイマン諸島法人のBaidu.com(百度)の定款の株式の規定について見てみました。
目次とキーワード
- 株式の規定の概要
- 普通株の内容
- 普通株の配当、残余財産の分配等
- 普通株の議決権
- Class B普通株からClass A普通株への転換
- ケイマンの「転換」→償還(redemption)と発行(issue)
- 日本での税務上の取扱いは大丈夫か?
- ドラッグ・アロング権
- 優先株の内容
- 優先配当
- 残余財産分配権
- 優先株の転換
- 転換価格の修正
- 優先株の議決権
- 拒否権
- 取締役指名権
- まとめ
(第264号)もし日本のベンチャーがケイマン法人だったら(1)
日本で活動するベンチャーもケイマン法人を使うことで「制度間競争」などが起こらないかなあと考えて、日本のベンチャーがケイマン法人を使う際に、具体的にどういった問題が考えられるのか、将来改善される可能性があるのかについて、考えてみました。
目次とキーワード
- 日本で活動する場合のストラクチャー
- ケイマン法人で上場できるのか?
- 米国の事例
- 日本の事例
- 資金調達にプラスになるか?
- 税務申告や決算公告
- 会計(連結)
- まとめ
この回は2014年第1四半期にIPOしたベンチャーを中心とする会社の資本政策について考えてみました。(第1四半期といいつつ、もう5月ですので、4月に上場した6社もリストに入ってます。)
目次とキーワード
- アキュセラ・インク(Acucela Inc.)は米国ワシントン州法人
- エンバイオ・ホールディングス
- ジャパンディスプレイ
- みんなのウェディング
- CYBERDYNE
- ディー・エル・イー
- エスクロー・エージェント・ジャパン
- トレックス・セミコンダクター
- 西武ホールディングス
- フィックスターズ
- 他
中国のネットの巨人「Alibaba」がついに米国で上場することになりました。
ついにベールを脱いだこのAlibabaを、上場のための開示資料(F-1)から見てみたいと思います。
目次とキーワード
- やはりケイマン法人
- 実質的支配のスキーム
- Alibabaグループ全体のストラクチャー
- 取締役が3名しかいない!(含む孫さん)
- Alibabaの歴史(ソフトバンクとYahooとの関係)
- 株主構成を見て愕然!
- 財務状況
- (おまけ)アマゾン上場時の目論見書(S-1)
この回は、Alipay(アリペイ=支付宝)のAlibabaからの切り離しという「謀反」に伴うドタバタの結果が、どうなったかを、具体的な契約内容や定款から見てみたいと思います。
目次とキーワード
- Alipay問題
- Alipay切り離しの経緯
- Alipay切り離しは重大な忠実義務違反?
- Alipayとの契約の全体像
- ビジネス面の契約(創業者側に著しく…?)
- 知財、ソフトウエアサービスに関する契約
- ストックオプション等の返還契約
- Alibaba従業員に対するAlipayへのインセンティブに関する契約
- Alipayのデータ供与契約
- アドミ系サービスに関する契約
- この契約締結の影響
- 定款から、Alipay問題を探る
- 基本定款の概要
- 付属定款の概要
- 低い創業者の持株比率
- Yahooの議決権
- ソフトバンクの議決権
- 両社の議決権行使
前回に引き続き、(おそらく)Alipay問題のドタバタの落としどころとしてソフトバンクやYahooがどのような権利を勝ち得て、定款にどのように反映されているかを見てみました。
目次とキーワード
- 定款の概要
- Yahooとソフトバンクの議決権の行使の制限
- Preemptive Rights(新株優先引受権)
- 株式の譲渡
- 取締役の指名(上場後のYahoo!は?)
- 取締役の権利・義務(委員会の設置)
- 取締役に関する手続き
- 定款の変更
- 議決権行使の制限(VOTING CUT-BACK)
- どのような経緯でこういうことになったのか?(推測)
(第269号)Alibaba上場へ!(エコシステム(生態系)編)
この回は中国ECの巨人「Alibaba」のエコシステム(生態系)の側面を掘り下げてみました。
個人的にAlibaba関連で興味があるのは、
- ソフトバンクや米Yahoo!が、いかにして今のような高い持株比率を持つに至ったかなどの資本政策的側面
- Alipayに関する紛争
- ソフトバンクや米Yahoo!が、どのような定款の条項や契約でAlibabaをコントロールしてきたのか
- 徹底的にAPIをオープンにして、周囲にサードパーティーの「生態系」を作り上げるといったビジネス面
といったあたりだったのですが、その最後の項になります。
目次とキーワード
- 急成長するAlibabaのサービス
- Alibabaが形成する生態系(ecosystem)
- APIの解放
- 決済、物流、アフィリエイト、ソフトウエア、その他のプロフェッショナルサービス
- 8億アイテムの商品・サービス
- 1日のユニークビジター1億人
- マーケ効果測定ツール、ERP、CRM
- 物流データ:配送センター利用率、配送ルート計画、発注量予測等を提供
- 形成される巨大なネットワーク効果
(第270号)「適格機関投資家等特例業務の見直し」のパブコメについて
別途ブログ(「ファンド規制に対して反対します!」)にも書きましたが、現在、ファンド等の規制の改正案が金融庁から発表され、パブコメが募集されています。
この回の週刊isologueでは、独立系ベンチャーキャピタル等有志で作成したパブコメ案と、その前提となる金融庁案について考えます。
(いつもと同様、これは法的助言を行うことを目的とするものではなく、ファンドの運営者にどのような影響があるかを考えるためのものです。実際の解釈や運用にあたっては、弁護士等の法律専門家の意見を参考にしてください。)
目次とキーワード
- 金融庁改正案の内容
- 金融商品取引法(適格機関投資家等特例業務とは)
- 金融商品取引法施行令の改正案
- 金融商品取引業者等に関する内閣府令の改正案
- 個人の要件
- 法人の要件
- パブコメ案
- 対象となるファンドの範囲案
- 内閣府令に追加する投資家の類型案
- (1) ファンド等の元業務執行組合員等、業務執行組合員等の役員・元役員
- (2) 金融商品取引所に上場されている有価証券の発行者の役員及び元役員
- (3) 金融商品取引所に上場する有価証券の発行者が提出した有価証券届出書に株主又は新株予約権者として記載された個人及び法人
- (4) 金融商品取引所に上場している有価証券の発行者が最近1年以内に提出した有価証券報告書に大株主として記載された個人及び法人
- (5) 公認会計士、弁護士、司法書士、行政書士、税理士
- (6) 会社の設立、増資、新株予約権の発行、新規事業の立上げ、株主総会又は取締役会の運営、買収若しくは発行する株式の金融商品取引所への上場に関する実務に、当該会社の役員・従業員若しくは当該会社と契約関係にある者又はその役員・従業員として通算1年以上携わった経験がある者
- (7) 改正案と上記各号に該当する法人並びに個人及びその2親等以内の親族が直接・間接に議決権の過半数を保有する法人
私は(おそらく世間のみなさんの多くも)、「これで影響を受けるのは、個人から出資を受ける零細なファンドだけだろう」と考えていたのですが、本文で検討するとおり、かなり儲かっている日本の中堅企業、上場オーナー企業の資産管理会社、海外の有名巨大ファンドなどからの出資も条件によってはダメとも読めるので、もしかすると、想像以上に大変なことになるんじゃないかという気がしてきました。
短時間でさっと見ただけのものなので考え違いもあるでしょうし、いつもと同様、当然のことながら、法的助言を行うことを目的とするものではなく、ファンドの運営者などにどのような影響があるかを考えるためのものです。実際の解釈や運用にあたっては、弁護士等の法律専門家の意見を参考にしてください。
目次とキーワード
- 金融商品取引法、施行令、内閣府令の関係
- 出資できる者(施行令改正案)
- 金融商品取引業者等
- ファンドの運用者
- 上場会社
- 資本金5千万円超の株式会社等
- 外国法人
- 個人
- その他法人
- 金融商品取引業等に関する内閣府令の改正案
- ファンド運営者の役員、使用人、親会社等、など
- 「保有する資産」には現金はカウントされない!
- 個人の要件
- 法人の要件
- 施行令でOKな法人の子会社等
- 資産管理会社
- 外国ファンド
- LLPや民法上の組合からは出資できない?
- 上場会社株式も資産管理会社の資産の対象外になることも?
- 米国の投資家の要件との比較
- 勧誘方法の日米の格差は拡大(Rule 506改正)
(第272号)「GoPro」の開示資料で見るベンチャーファイナンスの奥の手
たまにはハードウェア・ベンチャーについても見てみようということで、この回は、上場準備中のGoProが開示した開示資料を見てみました。 (やっぱ、イケメンで親がファイナンスのプロだと強いですねー、といったお話ですw。)
目次とキーワード
- 公募の概要
- 「dual class」
- 役員と年齢層
- CEO/会長のNicholas Woodman氏のプロフィール
- 「同族」っぽい株主構成
- ベンチャーファイナンスの大成功例
- 創業初期の「口約束」と資本政策の失敗?
- 繰越欠損金も消えて無い段階で配当
- 貸借対照表から見て、GoProは「メーカー」なのか?
- 売上は減少中?
(第273号)GoProのIPOと新ビジネスモデルの証券会社
今週は、GoProのIPOの申請資料でふと見つけた、新しいビジネスモデルの証券会社について取り上げてみたいと思います。
目次とキーワード
- LOYAL3についてのGoPro目論見書における記載
- 手数料無料の株取引
- 10ドルからの「(株数ではなく)金額ベースでの」取引
- 業規制
- 資金調達額
- 「金融業」というより「ロイヤリティ・サービス」?
- なぜマーケティングに使えるか?
- マネジメントチーム
- 取扱い銘柄は世界的に著名な企業ばかり
- なぜ手数料を無料にできるのか?
- LOYAL3のビジネスモデルの構造
この回は、シリコンバレーのスタートアップ・アクセラレーター500 Startupが7月3日に発表した新投資スキーム「KISS」について取り上げます。
従来のconvertible noteをよりシンプルに修正した上で、シリコンバレーを中心にシード・ラウンドで投資をする投資家に不利な側に振れすぎていた条件を、ちょっと投資家側に引き戻し、投資家が飲みやすい条件に落ち着かせようという試みといった感じでしょうか。
目次とキーワード
- 発案者のプロフィール
- 「KISS」とは何か?
- 増える「convertible xxxx」の派生形
- 「debt」(貸付金型)と「equity」(返済不要型)
- Y Combinatorのsafeとの違い
- 2つのバージョンのどちらが使われるか?
- 投資スキームのネットワーク外部性
- 次回ファイナンス時の取扱い
- 「Shadow Series」
- 「適格ファイナンス」の呼び方いろいろ
- 買収時は「倍返し」だ!
- 「acquhire」の場合の利益相反
- 期限到来時の取扱い
- 「Series Seed」の引用
- 返済期限が来ても必ず返済しなくてはならないとは限らない
- 最恵国待遇(「MFN」) と調達のスピード
- 一定以上の額を投資した投資家の権利(Major Investor Rights)
7月10日に、拙著「起業のエクイティ・ファイナンス」
目次とキーワード
- ベンチャーを取り巻く環境の進展
- ベンチャー活況の理由
- 現在のベンチャー環境の課題
- M&Aがベンチャー生態系の変化を加速する
- M&Aはなぜ徐々にしか増えないか?
- M&Aの加速効果
- ベンチャー生態系の中で今、何が起こっているか
- 起業とイノベーションとベンチャーの関係
- 企業は実は結構入れ替わっている
- 起業を支えるファイナンス
- 日本のベンチャー投資は米国の歴史をなぞる
- ベンチャー・ファイナンスではタイムマシン経営が成り立つ
- ベンチャーにもチャンスがある
- エンジェルは「これから」登場する
- 本書の構成
- 順当に成長するベンチャーのファイナンス
- 株主構成の是正が必要な場合のファイナンス
- ベンチャーキャピタルのストラクチャー
- ベンチャーの未来ビジョン
- ひな型を用意
この回は2014年第2四半期にIPOしたベンチャーを中心とする会社の資本政策について考えてみました。
(第2四半期ですが、7月に上場した3社も含めています。)
取り上げた企業
- トレックス・セミコンダクター
- 西武ホールディングス
- フィックスターズ
- 東武住販
- ニュートン・フィナンシャル・コンサルティング
- ムゲンエステート
- フリークアウト
- OATアグリオ
- ポバール興業
- メドピア
- レアジョブ
- VOYAGE GROUP
- 鳥貴族
- イグニス
- 他
この回は、米国でベンチャーキャピタルにどのような投資規制が行われているのかについて検討しました。
目次とキーワード
- 投資規制の国別全体像
- 米国の投資家の要件との比較
- ドッド=フランク法からの適用除外
- SECによる「venture capital fund」の定義
- 「venture capital strategy」とは何か?
- 用語の定義
- 独立系ベンチャーキャピタリスト等の案との比較
この回は、今年上半期の記事を一覧する「総集編」です。
(第279号)シード投資スキーム「日本版safe」(登記・税務編)
以前この週刊isologue第254号で、米国シリコンバレーのスタートアップ・アクセラレーター「Y Combinator」が採用した投資スキーム「safe」を日本にあてはめた「日本版safe」を考えました。
(第274号では、500 Startupの新投資スキーム「KISS」について考えてみました。)
この回は、この日本版safe(または日本版KISS)のような、シンプルな日本版のシード投資スキームの実現可能性について、登記や税務の観点から、さらに考えを進めてみたいと思います。
目次とキーワード
- 「日本版safe」の基本的位置付け
- 「safe」による株式の発行は登記できない?
- 「DES」による迂回方法
- 「1円増資」方式
- 税務上のリスクを考える
- 税制適格ストックオプションの条文
- 税制非適格ストックオプションの条文
- ストックオプションの税制の条文の解釈
- 税制適格ストックオプションは、無償発行に限られない?
- 「有償発行なら、必ず税制適格」ではない
- 証券でない場合には、時価発行でも税制非適格?
- 税務上のリスクは、通常のストックオプションよりは小さい
- まとめ
「ものづくり系ベンチャー」に視線が集まっている昨今ですので、今週は(今まで私も一度見ようと思って見れていなかった)Teslaの開示資料と、その前提となるイーロン・マスク氏の起業家としての経歴、資産形成について考えてみました。
概ね、「『ものづくりベンチャー』が今後来るのは間違い無いだろうけど、そこで必要なものは、日本お得意の『ものづくり力』というよりは、『ビジョン構築力』『ファイナンス力』といったものじゃないのか?」といった話になってます。
目次とキーワード
- Teslaまでのイーロン・マスク氏の資産形成
- PayPal上場時の株主構成
- Tesla上場時の株主構成
- マスク氏が一番資産を形成したのは、どの会社でか?
- マスク氏は「創業社長」なのか「投資家」なのか?
- Teslaの上場後の株価推移
- 上場時の財務諸表
- 最近のTeslaの業績
- まとめ
以前、週刊isologue第274号「500 Startupの新投資スキーム『KISS』登場」という回で、7月3日に発表された500 Startupの新投資スキーム「KISS」の概要を見てみましたが、この回は「KISS」の実際のひな型Debt Version(貸付金型)について考えてみました。
目次とキーワード
- KISSの概要
- 貸付版(Debt Version)のひな型
- ヘッダ部
- 本文冒頭部
- 定義
- KISSの転換
- 会社、投資家の表明保証
- 一般条項
今週は、先週の500 Startupの新投資スキーム『KISS』の「Debt Version(貸付金型)」に続いて、Equity Version(エクイティ型)のひな型を見てみました。
目次とキーワード
- エクイティ版(Equity Version)のひな型
- ヘッダ部
- 本文冒頭部
- 定義
- KISSの転換
- 会社、投資家の表明保証
- 一般条項
- まとめ
今週は、米国のシード・アクセラレーターY Combinatorと500 Startupsが考案した「safe」「KISS」という2つのシード投資スキームを比較してみました。
目次とキーワード
- safeとKISSのひな型
- 本文冒頭部
- 「シリーズ」の概念
- 次ラウンドで優先株が発行される場合
- 転換価格
- 株式の種類
- 上場する場合
- M&Aの場合
- 清算の場合
- 「満期」の概念があるか
- 最恵国待遇(MFN)条項
- 情報受領権等
- 大口投資家としての権利の継続
- まとめ
この回は、日本の個人投資家のみなさんが大好きな、世界最大の投資会社であるバークシャー・ハサウェイの開示資料等を見てみました。
日本ではウォーレン・バフェットの投資手法や投資哲学に関する書籍などが広く読まれていますが、同氏の運営する会社、バークシャー・ハサウェイの財務内容や資本政策、コーポレート・ガバナンス等について見たことがある方は意外に少ないのではないでしょうか。(というか、私は今まで気になってはいつつも、見た事がなかったです。)
目次とキーワード
- (これはすごいw)90年代風デザインの同社ホームページ
- 資本政策
- 途中からdual classを採用
- 「今どきのネット系dual class」との相違点
- クラス毎の株主数
- 議決権は株価に影響するか?(バークシャーのケース)
- Googleの「three class」の株価(AとC)の違い
- 財務内容
- 役員(コーポレートガバナンス)
- ビル・ゲイツ氏の(逆に)驚くべき社外取締役報酬
- バフェット氏とゲイツ氏の持株と議決権
(第285号)シード期の優先株「Series Seed」の研究(その1)
この回は、シリコンバレーでシード期用に開発された優先株の”ひな型”、「Series Seed」について研究してみました。
目次とキーワード
- 「Series Seed」優先株とは
- 開発者
- 開発者の所属法律事務所
- 前提となるベンチャーの環境変化
- 「オープンソース化」
- Series Seedの体系
- タームシートひな型の内容
- タイトル、冒頭部
- 発行する証券の種類
- 発行総額
- 投資家名
- 株価
- 残余財産優先分配権
- 普通株式への転換
- 議決権
- ドキュメンテーション
- 財務情報の受領権
- 次回ラウンドへの参加権
- 取締役の人数
- 費用
- 次ラウンド以降の権利
- 経営陣関連
- 法的拘束力のある条項
(第286号)「Series Seed」の研究(その2:「カプセル化」された契約書)
この回も、シリコンバレーでシード用に開発された優先株の”ひな型”「Series Seed」の契約書についてみています。
アメリカの契約書は日本の契約書より「プログラムっぽい」ことが多いと思いますが、このSeries Seedの契約書は、不肖私が今まで見た英文契約書の中でも最も「カプセル化」や「オープンソース」といったプログラム(コーディング)文化の影響を受けているものじゃないかと思います。
目次とキーワード
- 「カプセル化」+「オープンソース」でチェックの負担を軽減
- 投資契約書の構造
- 契約書本文
- Exhibit A: 定義(DEFINITIONS)
- SCHEDULE 1:投資家及び経営株主の一覧
- 契約条項(EXHIBIT B: AGREEMENT TERMS)
- サインページ(SIGNATURE PAGES)
- まとめ
(第287号)「Series Seed」の研究(その3:契約書条項前編)
この回は、シリコンバレーでシード用に開発された優先株の”ひな型”「Series Seed」の契約書の核心部分「EXHIBIT B」(AGREEMENT TERMS=契約の条項)についてみています。
目次とキーワード
- 「EXHIBIT B」(契約条項)の構成
- PURCHASE AND SALE OF SERIES SEED PREFERRED STOCK.
(この「Series Seed」の優先株の発行等) - REPRESENTATIONS AND WARRANTIES OF THE COMPANY.
(発行会社側の表明保証) - REPRESENTATIONS AND WARRANTIES AND COVENANTS OF THE PURCHASERS.
(投資家側の表明保証) - COVENANTS OF THE COMPANY.
(発行会社の遵守事項)
(第288号)「Series Seed」の研究(その4:契約書条項後編)
この回も前回の続きで、シリコンバレーでシード用に開発された優先株の”ひな型”「Series Seed」の契約書の核心部分「EXHIBIT B」(AGREEMENT TERMS)についてみています。
目次とキーワード
- 「EXHIBIT B」(契約条項)の構成(再掲)
- 5.譲渡制限及びドラッグアロング権
- 株式の処分の制限
(Limitations on Disposition) - 上場時等の制限
(“Market Stand-Off” Agreement) - ドラッグ・アロング権
(Drag Along Right) - ドラッグ・アロング権の例外
(Exceptions to Drag Along Right) - 6.次ラウンド以降の投資参加権
- 7.取締役の選任
- 普通株主に指名された取締役
(Common Board Designees) - Series Seed優先株主に指名された取締役
(Series Seed Board Designees) - 双方の合意で指名された取締役
(Mutual Consent Board Designees) - 8.一般条項
(第289号)「Series Seed」の研究(その5:定款前編)
この回は、シリコンバレーでシード用に開発された優先株の”ひな型”「Series Seed」の定款変更案についてみています。
目次とキーワード
- 冒頭部分(変更の旨)
- ARTICLE I: NAME.(名称)
- ARTICLE II: REGISTERED OFFICE.(本店所在地)
- ARTICLE III: DEFINITIONS.(定義)
- ARTICLE IV: PURPOSE.(目的)
- ARTICLE V: AUTHORIZED SHARES.(授権株式数)
- A. COMMON STOCK (普通株)
- 1.General. (全般)
- 2.Voting. (議決権)
- B. PREFERRED STOCK(優先株)
- (次週に!)
- ARTICLE VI: PREEMPTIVE RIGHTS.(新株引受権)
- ARTICLE VII: STOCK REPURCHASES.(株式の買戻し)
- ARTICLE VIII: BYLAW PROVISIONS.(補助定款)
- A. AMENDMENT OF BYLAWS.(補助定款の変更)
- B. NUMBER OF DIRECTORS. (取締役の定員数)
- C. BALLOT. (票)
- D. MEETINGS AND BOOKS.(会議体及び書籍)
- ARTICLE IX: DIRECTOR LIABILITY.(取締役の責任)
- A. LIMITATION. (責任限定)
- B. INDEMNIFICATION. (免責、費用)
- C. MODIFICATION.(変更の影響)
- ARTICLE X: CORPORATE OPPORTUNITIES.(会社の機会)
(第290号)「Series Seed」の研究(その6:定款後編)
この回は、シリコンバレーでシード用に開発された優先株の”ひな型”「Series Seed」の定款変更案(完結編)です。
この回は、核心の優先株の定義について、です。
目次とキーワード
- B. PREFERRED STOCK(優先株)
- 1. Liquidation, Dissolution, or Winding Up; Certain Mergers, Consolidations and Asset Sales.(清算、解散、合併、資産売却等)
- 2. Voting.(議決権)
- 3. Conversion. (株式の転換)
- 4. Dividends. (配当)
- 5. Redeemed or Otherwise Acquired Shares.(株式の償還等)
- 6. Waiver.(権利の放棄)
- 7. Notice of Record Date.(登録日)
- 8. Notices.(通知)
(第291号)全米ベンチャーキャピタル協会契約ひな型(タームシート編その1)
この回から、全米ベンチャーキャピタル協会の投資関係契約書のひな型を見ています。
今まで、Safe、KISS、Series Seedといった、シード向けのシンプルなひな型を見て来ましたが、この回のは、より本格的で複雑なドキュメント群となります。
第1回はタームシートのひな型から。
目次とキーワード
- ひな型全体の構成
- 250ページのボリューム!
- 米国のVC法務の市場規模は200億円?
- 事務局はどんな弁護士?
- ひな型の著作権
- タームシートの概要
- タームシートの内容
- 定款に関する事項
- 配当
- 残余財産優先分配権
- non-participating
- full participating
- cap on Preferred Stock participation rights
- みなし清算
- 議決権
(第292号)全米ベンチャーキャピタル協会契約ひな型(タームシート編その2)
この回も、全米ベンチャーキャピタル協会の投資契約のひな型のタームシートひな型の続きを見ています。
目次とキーワード
- 優先株主の拒否権
- 普通株への転換権
- 希薄化防止条項
- IPO時の普通株への強制転換
- 「pay to play」条項
- 償還条項
(第293号)全米ベンチャーキャピタル協会契約ひな型(タームシート編その3)
この回も、全米ベンチャーキャピタル協会のタームシートひな型の続きを見ています。
第3回のこの回はタームシートの完結編。
目次とキーワード
- STOCK PURCHASE AGREEMENT(投資契約)
- 表明保証
- クロージングの前提条件
- 弁護士と費用
- INVESTORS’ RIGHTS AGREEMENT(投資家の権利に関する契約)
- 登録可能な証券
- 投資家の要求による登録
- フォームS-3
- 抱き合わせ(piggyback)登録
- 費用
- ロックアップ
- 契約の終了
- 「マネジメント権」及び情報受領権
- 将来ラウンドの投資への参加権
- 投資家が選任した取締役の事前承認事項
- 経営陣の競業避止等義務等
- 経営陣等の秘密保持契約、知財取扱関連契約
- 取締役会関係
- ストックオプション
- キーマンへの保険の付保
- RIGHT OF FIRST REFUSAL/CO-SALE AGREEMENT(先買権/共同売却権契約)
- VOTING AGREEMENT(議決権行使契約)
- 取締役会のメンバー名等
- ドラッグ・アロング権
- 会社の売却権
- OTHER MATTERS(その他)
- 創業者株式
- 既発行の優先株
- 独占交渉権、秘密保持
- 有効期限
- 別添A:pre(投資前)post(投資後)の資本政策表
この回は、2014年第3四半期にIPOしたベンチャーを中心とする会社の資本政策について考えてみます。
(第2四半期の回にすでに取り上げた、「VOYAGE GROUP」「鳥貴族」「イグニス」を再掲し、10月、11月に上場した会社も含めています。)
取り上げた企業
- VOYAGE GROUP
- 鳥貴族
- イグニス
- ジャパンインベストメントアドバイザー
- ロックオン
- リアルワールド
- AMBITION
- ジェネレーションパス
- リボミック
- FFRI
- ヤマシンフィルタ
- GMOリサーチ
- セレス
- オプティム
- アルファポリス
- エラン
- SHIFT
- 他
(第295号)全米ベンチャーキャピタル協会契約ひな型(投資契約書編その1)
この回も、全米ベンチャーキャピタル協会の投資契約のひな型を見ています。
この回は、個別契約書に入りまして、投資契約書編のその1。
目次とキーワード
- 投資契約書の全体像
- 投資契約書の冒頭部
- 投資の概要
- Series A優先株の発行
- クロージングと株券の交付
- 株式の追加発行
- 資金使途
- 用語の定義
(第296号)全米ベンチャーキャピタル協会契約ひな型(投資契約書編その2)
この回も、全米ベンチャーキャピタル協会の投資契約のひな型を見ています。
この回は、個別契約書に入りまして、投資契約書編のその2。
目次とキーワード
- 会社側の表明保証
- 発行会社の設立及び資格
- 資本構成
- 資本構成の概要
- ストックオプション・プール
- 投資直後の資本構成
- 買収時等の取扱い
- 税務上の事項(409A)
- 違反の不存在
- 子会社
- 株式発行の手続き
- 株式の発行の有効性
- 政府の許認可及び届出
- 訴訟等
- 知的財産権
- 違反の不存在
(第297号)全米ベンチャーキャピタル協会契約ひな型(投資契約書編その3)
この回も、全米ベンチャーキャピタル協会の投資契約のひな型を見ています。
この回は、個別契約書に入りまして、投資契約書編のその3。
目次とキーワード
- 会社側の表明保証(続き)
- 借入等に関する契約の不存在
- 役職員等との利益相反取引の不存在
- 証券の登録権と議決権
- 発行会社の資産
- 財務諸表
- 財務諸表作成日等以降の重要な変化の不存在
- 従業員に関する事項
- 税務申告に関する事項
- 保険に関する事項
- 従業員との契約
- 許認可
- 発行会社の文書
- 税務(83(b) Elections)
- 税務(Real Property Holding Corporation)
- 環境及び安全に関する法律関係
- 中小企業株式に関する特例関係
- 投資家への開示
- Small Business Concern
- 海外汚職行為防止法関係
- 個人情報関係
- 投資家側の表明保証
- 投資家の権限
- 投資家自身の勘定での取引
- 発行会社からの情報の受領
- 譲渡制限についての理解
- 取引市場が無いことについて理解していること
- 注意事項
- 適格投資家(Accredited Investor)
- 外国投資家
- 一般勧誘(General Solicitation)が行われなかったこと
- 他の投資家の意見の不参照
- 居所
- コンバーチブルノートの転換
- 投資家の払込みの義務
- 発行会社側の表明の有効性
- 発行会社側の義務の履行
- 確認書の交付
- 許認可等の取得
- 発行会社顧問弁護士の意見書の交付
- 取締役会の構成
- 責任限定契約の締結
- 投資家の権利に関する契約の締結
- 優先引受権/共同売却権に関する契約の締結
- 議決権行使契約の締結
- 定款の届出
- 法務担当役員の確認書
- 会社法上の手続き等
- 最初のクロージング時における最低発行株式数
- 経営に関与する権限
- 「SBA」関連事項
- 先買権違反の不存在
- 発行会社の払い込みの前提条件
- 投資家側の表明保証の有効性
- 投資家の義務の履行
- 許認可等
- 投資家の権利に関する契約の締結
- 優先引受権/共同売却権に関する契約の締結
- 議決権行使契約の締結
- 最初のクロージング時における最低発行株式数
- 一般条項
- 保証の有効期限
- 承継
- 準拠法
- 副本
- 見出し
- 通知
- 仲介フィー
- クロージング費用の負担
- 訴訟費用の負担
- 契約書の変更
- 契約の分離可能性
- 権利行使の遅延
- 完全合意
- National Securities Markets Improvement Act
- 紛争の解決
- 追加増資のコミットメントの不存在
- 利益相反の適用の除外
- 創業者の表明保証のひな型
- 創業者の表明保証
- 利益相反契約の不存在
- 訴訟等
- 株主としての契約の不存在
- 表明保証
- 法的係争
- まとめ
(第298号)全米ベンチャーキャピタル協会契約ひな型(株主の権利編その1)
この回も、全米ベンチャーキャピタル協会の投資契約のひな型を見ています。
ひな型の順番では次は定款ですが、定款については過去いろいろな会社のものを取り上げて来たので、この回からは、株主の権利に関する契約(Investors’ Rights Agreement)を見てみます。
目次とキーワード
- 株主の権利に関する契約の全体像
- 株主の権利に関する契約本文
- 契約書前文
- 定義(Definitions)
- 登録権(Registration Rights)
- S-1登録権
- S-3登録権
- 登録の例外規定
- 発行会社の登録時の義務
- 幹事証券会社からの要請
- 会社側の登録義務
- 株主側の情報提供義務
- 登録に関連する費用
- 登録の遅延
- 責任の免除
- 証券取引法上の報告
- 契約締結後の登録権についての制限
- ロックアップ(”Market Stand off”)条項
- 譲渡制限
- 登録権の終了
- 情報受領権及びオブザーバー出席権(Information and Observer Rights)
- 財務諸表の提出
- 投資家による調査
- オブザーバー出席権
- 情報受領権の終了
- 機密保持
(第299号)全米ベンチャーキャピタル協会契約ひな型(株主の権利編その2)
この回は、全米ベンチャーキャピタル協会の投資契約のひな型の、「株主の権利に関する契約(Investors’ Rights Agreement)」後編です。
目次とキーワード
- Rights to Future Stock Issuances(将来の株式の優先引受権)
- 最初のオファーをもらう権利
- 通知(Offer Notice)
- 既存株主の引受け
- 新投資家の勧誘
- 適用除外証券
- 割当分を全額引受けなかった投資家へのペナルティ
- 「後出し」方式
- 既存株主へのIPO時の公募株式の割当
- 優先引受権の終了
- その他の義務(Additional Covenants)
- D&O保険
- 従業員との契約
- 従業員インセンティブの株式
- 適格中小企業株式
- 投資家から派遣された取締役の承認事項
- 取締役会関係の義務
- 合併等による包括承継者の義務
- 弁護士費用
- 取締役の責任限定等の順位
- 投資家の競合会社への関与
- 海外腐敗行為防止法関連
- 特約事項の終了
- 一般条項(Miscellaneous)
- 譲渡等による承継
- 準拠法
- 副本
- 見出し
- 通知
- 契約書の変更
- 契約の分離可能性
- 株主グループごとの集計
- 追加される投資家
- 完全合意
- 紛争の解決
- 権利行使の遅延
- 競合他社への投資
- まとめ
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(以上)
以下、目次一覧:
(第252号)起業の起爆剤になるか!? LLCの活用について考える(基礎編)
(第253号)Y Combinatorの新投資スキーム「safe」
(第254号)シード投資スキーム「日本版safe」作ってみました
(第255号)ついに「dual class」資本政策を採用したCYBERDYNE社が上場へ
(第256号)米国企業の「dual class」資本政策の実例を振り返る
(第257号)isologueは何を考えて来たか?(2004年編)
(第259号)中国でネットビジネスをやるとどんなリスクがあるか?(WEIBOの事例)
(第263号)ケイマン法人の研究(その4:Baidu.com)
(第264号)もし日本のベンチャーがケイマン法人だったら(1)
(第270号)「適格機関投資家等特例業務の見直し」のパブコメについて
(第271号)適格機関投資家等特例業務の改正案と投資規制の日米比較
(第272号)「GoPro」の開示資料で見るベンチャーファイナンスの奥の手
(第274号)500 Startupの新投資スキーム「KISS」登場
(第279号)シード投資スキーム「日本版safe」(登記・税務編)
(第280号)イーロン・マスク氏の華麗なる経歴とTeslaのファイナンス
(第281号)500 Startupの新投資スキーム「KISS」(その2)
(第282号)500 Startupの新投資スキーム「KISS」(その3)
(第283号)シード投資スキーム「safe」と「KISS」の違い
(第285号)シード期の優先株「Series Seed」の研究(その1)
(第286号)「Series Seed」の研究(その2:「カプセル化」された契約書)
(第287号)「Series Seed」の研究(その3:契約書条項前編)
(第288号)「Series Seed」の研究(その4:契約書条項後編)
(第289号)「Series Seed」の研究(その5:定款前編)
(第290号)「Series Seed」の研究(その6:定款後編)
(第291号)全米ベンチャーキャピタル協会契約ひな型(タームシート編その1)
(第292号)全米ベンチャーキャピタル協会契約ひな型(タームシート編その2)
(第293号)全米ベンチャーキャピタル協会契約ひな型(タームシート編その3)
(第295号)全米ベンチャーキャピタル協会契約ひな型(投資契約書編その1)
(第296号)全米ベンチャーキャピタル協会契約ひな型(投資契約書編その2)
(第297号)全米ベンチャーキャピタル協会契約ひな型(投資契約書編その3)
(第298号)全米ベンチャーキャピタル協会契約ひな型(株主の権利編その1)
(第299号)全米ベンチャーキャピタル協会契約ひな型(株主の権利編その2)
(ではまた。)
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