スターウォーズ Episode IIIを見てから、うちの奥様は「クリステンセン様〜」状態。
レオ様→ヨン様と来て、今回、めでたくヘイデン・クリステンセン様ファンと相成られました。
「IIではまだダサかったけど、IIIはいいわあ〜」だそうです。
今週(2005.7.4)号の日経ビジネス(別冊の方)にクリステンセンのインタビューが。
といっても、こちらはクレイトン・クリステンセン教授。
身長203cmとは存じませんでした。「アナキン」というよりは「チューバッカ系」かも、ですね。
曰く;
米国では人材の流動性が高く、優秀な人材が大企業だけでなくベンチャー企業にも行き渡る。それが米国のダイナミズムを生んでいる。しかし、日本はそうではない−。よく、そんなことが言われるでしょう。でも歴史を学んでください。米国の産業と経済が本格的に始動した1880年頃から1970年代まで、大多数の米国人は大企業で働いていたのです。誰もがゼネラル・エレクトリック(GE)やRCA、ゼネラル・モータース(GM)で働きたいと望みました。ベンチャー企業は少なく、ベンチャーキャピタルという産業も存在しませんでした。
そこへ、日本企業が市場の下の方から参入して攻撃してきたのです。米国の大企業は市場の上へ上へと逃れ、成長が止まり、従業員のレイオフが始まりました。そして、余った人材の行き場を確保するためにベンチャーキャピタルが誕生したのです。それが結果的に、流動性が高くて柔軟な社会システムを確立することにつながった。それを強いたのは、ほかでもない日本だったのです。
実物市場でなくファイナンスの側面から見てみると、75年には同時に証券の自由化が行われ、80年代のM&Aラッシュ等を経て、徐々に現在のようなコーポレートガバナンスが確立してきたわけです。
ライブドアのニッポン放送買収も、よく「80年代の米国のようだ」と言われました。確かに、今の日本がそもそも米国の20年前の姿だ、と考えれば、「日本ではまともな経営者は出てこない」とか「日本の土壌ではまともなVCは現れない」なんて悲観的な見方をしてる人も、「これから登場するんだ」という前向きな気持ちになれるかも知れませんね。
同様に80年代頃からソニーが革新的でなくなったとして曰く;
この問いに対する答えを持っていたのは、ミッキー・シェルホフ氏でした。25年にわたってソニーアメリカの会長を務めた人物です。ボストンからニューヨークへ飛んだ私は、ソニーの変調を示すいくつかの証拠を見せ、「80年頃に何かが起こったのではないですか」と聞きました。彼は、「ああ、それなら簡単な話ですよ。80年代頃までは、新製品の発売に関する最終決定は、すべて、盛田昭夫氏(故人)が下していたのです」
この後、ソニーにMBAが入ってきて過去のデータしか見なくなっていったという(ソニーのMBAのみなさんには災難な)批判になるのですが、もし、確かにマネジメントが過去のデータに頼ったことがソニー変質の主要因であり、企業にはクリステンセンの言うような破壊的なマネジメントが必要だとすると、コーポレートガバナンスとは、「独裁者を生まない仕組み」ではなく、「イケテる(”破壊的”な)独裁者を生み続ける仕組み」なのかも知れませんね。
(ではまた。)
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いつも楽しく読ませて頂いております(ラジオの投稿みたいですね)。このコラムの最後に磯崎さんが使われている”コーポレートガバナンス”のことばの範囲が、とってもしっくりくるような気がしました。企業統治という訳語のせいかもしれませんが、最近、違和感を感じることが多くなってきました。勤める企業にて、この創造的破壊の価値を長期間に渡って企業文化にビルトインできないかという壮大な実験の種を撒いてみているのですが、どうにもこうにもなかなか理解されず(MBA的にも、創業者的リーダーシップ論的にも)、難しさを感じています(もちろん、面白さの源泉なのですけど)。そんな視点で、ロイターのfounders share(http://about.reuters.com/ar1998/items/reuters_162.html)等を眺めている昨今です(ちょっと筋違いかもしれませんが)。
♪たかが…
元歌は以下の9曲目。または「大吟醸」の3局目。
パラダイス・カフェ
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紛糾したとはいえ、総会も終わり、一区切りつきましたね。
去年の分とあわせて、みゆきさんに〆てもらいましょうか。…
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[を] 大企業には優秀な人がたくさん埋もれているを読んで。 典型的な大企業出身者の自分からすると、こういったタイトルの記事には深く考えるところが多くあります。 特に日本においては、人材の流動性が米国に比べると低く、未だに優秀な人材が大企業に多…
ということは、ソニーの今後はくだらぎさんが独裁者になれるかどうかにかかっているのかな。落ちたかのように見えて、実は可能性は残ってますもんね。