アント・キャピタル・パートナーズ株式会社代表取締役会長で一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会会長の尾崎一法氏が平成27年4月7日に逝去されました。
尾崎さんとは、昨年10月から今年1月にかけて開催されたファンド規制に関する金融審議会ワーキンググループにおいて、傍聴者を含め100名以上は出席者がいるんじゃないかという超アウェイな雰囲気の会場の中、ベンチャーキャピタル側の委員として一緒にベンチャーキャピタルの重要性を説いたご縁がありました。
今年1月19日の審議会WGの最終回は事前には、体調が悪く入院していて来られない予定と伺っていたのに出席されていたので、「あれ?入院されていたのでは?」と伺ったら、「今日来ないわけには行かないからね」と、ベンチャーキャピタルの立場からの発言をされて最後を締めていかれました。WG終了後の立ち話で、「いや実はガンでね」という話を初めて伺って驚いた次第です。
(実際に具体的な法案を見るまでは、まだ予断を許しませんが)、他の委員や事務局のみなさん、その他の方々のご理解やご尽力にも恵まれて、この金融審議会「投資運用等に関するワーキング・グループ」の報告書は、冒頭でベンチャーキャピタルの必要性がうたわれ、悪徳業者の活動は困難にしつつも、真面目に活動をしている普通のベンチャーキャピタルへの影響は最小限に抑えられた、大変素晴らしいものになったと思います。(もしこの金融審議会ワーキンググループが開かれず、昨年5月のパブリックコメント案のまま法案が通ってしまっていたら、独立系ベンチャーキャピタルの1号ファンドや、海外ファンドから出資を受ける国内のベンチャーキャピタルは、全滅しかねないところでした。)
4月7日、青山のカフェで雑誌の取材を受けていて、尾崎さんのご活躍の話をしているちょうどその時に、テーブルに置いたiPhoneの画面に、尾崎さんが亡くなられたというFacebookのメッセージの通知が表示されたので大変驚きました。最後に私なんぞにもお別れの挨拶に来ていただけたのかと思って涙が込み上げてきました。
文字通り、命を削って日本のベンチャーキャピタルの発展にご尽力されたと思います。
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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