「VCの作りかた(組合契約編)」の途中ではありますが、連休中の特別編ということで、先週4月28日に経済産業省から発表された「「攻めの経営」を促す役員報酬~新たな株式報酬(いわゆる「リストリクテッド・ストック」)の導入等の手引~」をベースに、日本版のrestricted stockについて考えてみたいと思います。
この手引は、上場企業の事例やヒアリングをもとに、上場企業の手続きを前提に作られているようですので、明示的には書いていないものの、上場企業の役員のインセンティブを念頭に作られたものだと考えられます。
しかし(もちろんそうでない上場企業もあるものの)、日本で一般的な、「新卒で採用されてずっと固定給中心で40年近く働いて役員になったけど、慣例ではあと数年で役員も退任」という大企業の役員にちょっとやそっとの株式インセンティブを与えても「攻めの経営」なんてしてくれる気はあんまりしません。(というか、従業員からたたき上げで役員になったような人は、会社の命令とあらば株式インセンティブを与えなくても「攻めの経営」をするんじゃないかと思うので、もしそうだとしたら、株主の立場からすれば株式を差し上げても無駄ですよね。)
このため、むしろそういった株式インセンティブが最も効果を発揮するのは、急成長している上場前のベンチャーが大物の人材を幹部クラスとして呼んでくるような場合ではないかと思います。ということで、この「日本版リストリクテッド・ストック」が、どういった性質を持つものなのか、ベンチャーにおいてストックオプションなどと、どう性質が違うのか、といったことについて考えてみたいと思います。
目次とキーワード
- 日本版restricted stockについての資料
- インセンティブ手法の類型
- 「法的論点に関する解釈指針」
- 株主総会における役員の報酬に関する決議
- 仮想払込みにあたるか?
- 会計上のイメージ
- 決議のイメージ
- 税務上の処理イメージ
- 種類株式方式と契約方式
- 海外のプラクティス
- 法人側の課税
- 個人側の課税
- まとめ
ご興味がありましたら、下記のリンクからご覧いただければ幸いです。
(ではまた。)
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