筒井せんせーファンのみなさま

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新聞記者の方からソフトバンクさんの決算について質問を受けてウェブをみていたら、(ちょっと前のものですが)こんなページを発見。
リーダーメッセージ、通信革命を支えたCTOの素顔
ソフトバンクBB株式会社取締役CTO 筒井多圭志氏

ネットワーク技術者たちの間で、筒井氏の名前を知らない者はいない。東京大学工学部に入学しつつも、京都大学医学部へ転部し、臨床医として免許を獲得したという異色の経歴。大学院とオーバードクターで、10年ほどの間AI(人工知能)の研究に没頭した後、出版したADSL技術に関する著作「ADSL-Asymmetric Digital Subscriber Line」(丸山学芸図書)では、その革命的な視点と緻密な分析で、当時の通信技術者たちに大きな衝撃を与えた。2000年、ソフトバンク孫社長の招きでADSLサービスの立ち上げに参画してからは、技術の総責任者として、当時は誰も実現できなかった世界最先端のフルIP広域ローカルエリア・ネットワークを構築。今回のBB Mailでは、ソフトバンクBBで数百人の通信技術者たちを統括するその筒井氏にインタビュー、孫社長をして「天才」と言わしめる技術者の横顔をレポートする 。

世の中、「頭のいい(人のやってることを分析したりケチを付けたりできる)人」は結構たくさんいるんですが、「誰も考えないようなすごいものを生み出せる人」ってのはそうはいなくて、筒井せんせーは、そういう数少ない人の一人ではないかと思います。
私も、90年代中盤に森ビルさんのマルチメディア都市研究会の事務局をやらせていただいているときにお会いしてから勝手に師と仰がせていただいてるんですが、「インターネット1996エキスポ」で、まだ大企業も128Kの専用線でしかインターネット接続してないような時代に、45Mという超ド級(当時)の回線を引いたラフォーレ原宿のセミナー会場で、壇上で一人漫才をしながらアメリカのサイトからソフトをダウンロード、その場でインストールして動かしながら、来るべきインターネット社会の解説をされたのを見て、感動のあまり鳥肌が立った記憶があります。
当時から、技術だけでなくアメリカのハイテク資本市場の動向にも注目されて、ITと株式市場が表裏一体となって社会を変えていく現在の日本の姿をもっとも明確に思い描いていた人ではないかと思います。
今の日本の世界一安いブロードバンド環境も、筒井せんせーの存在がなかったら実現していなかったんじゃないでしょうか。
一方、Amazonで検索すると、筒井せんせーの本は「ADSL—Asymmetric Digital Subscriber Line」一冊だけ。
前述の略歴では、京大医学部からいきなりADSLの著作に飛んじゃってますが、この間に、(確かNTT出版さんから出ていた)「幻の」マルチメディア社会論のご著書があったはずで、これを読んだ東大の月尾先生が感動して、筒井せんせーを関東に連れてこられた、と記憶しております。
ソフトバンクさんのホームページでは「その革命的な視点と緻密な分析で、当時の通信技術者たちに大きな衝撃を与えた」とされているこのご著書ですが、Amazonでの書評はすごいことになってます。

混沌を愛する人へ。
著者は伊那のADSL実験、郵政省の委員などを歴任したソフトバンクのADSL事業の実質的立役者のひとりです。この本には歴史的価値がありますが、他のレビューでも指摘されているように、技術的細目は「理解させよう」という配慮を欠いています。少なくともS/N比とかフーリエ変換とかz変換とかが何を意味するものかを知らない人には意味のほとんどない本です。かといってそれらが判る人が手を動かして記述を検証するには全くデータが足りません。悪くいえばこけおどし。
ただ、わかることを放棄して読むと、既存の電話技術や、イーサネットなどを含む通信技術における米国の業界地図などがおぼろげに見えてきます。2000年のネットバブル崩壊以後、通信技術は停滞しています。40Gbps 以上の高速通信技術の標準化の目処は立っておらず、著者が指摘した日本の立ち遅れも(ある程度は著者自身の活動によっても)解消されています。そんな現状におけるこの本の価値は、ADSLというより、そもそも通信技術とはナンなのか、を考える材料を与えてくれる点にあります。

何をいいたいのかわからん
ADSLがまだ日本に普及していない頃、その内容を理解したくて読んだ。
が、著者が何をいいたいのかさっぱりわからん。
技術の書であればそのように、産業、政治の書であればそのように書くべき。技術の書としてみると、読後に「ADSLとは何ぞや」に対する答えのイメージが私の中に何も残っていない。時間を費やした徒労感だけが残った。
以上、数年後の今でも怒りが残る。(後略)

すでに新本は取り扱ってませんが(廃刊?)、「ユーズド商品:67円より」ってのは、嫌がらせの一種でしょうか(苦笑)。
Googleで検索しても、ろくなもんがでてきません。
98年当時のメーリングリストのアーカイブ例

はじめて投稿します。
(中略)
今後のシステム構築の参考にさせて頂こうと、このMLを読ませて頂いております。
今までも時には不毛な議論もあり、うんざりする事もありましたが、
今回の筒井多圭志氏の数々の発言は黙って見過ごせなく思います。
(中略)
筒井多圭志様、貴方には感性というものがないようですね。
作品ではなく商品でしょうが、勘違いもいい加減にして欲しい。
(あなたの職業でしょう)
講義を「作品」と認識する事に薄ら寒いものを感じます。
(中略)
さてここで筒井多圭志様にお願いです。
うっとおしいので、2度とこのMLに投稿しないで欲しい。
(技術的な質問に対する貴方の脳天気かつ不適切な回答も見苦しいので見たくありません。)

90年代の後半は、筒井せんせーがあちこちのメーリングリストでこうした「問題発言」をされるののファンで、その「おっかけ」をやってました。
そういえば、私自身が運営していたメーリングリストでも、あまりに不規則発言を繰り返されるので、管理人権限で一度unsubscribeさせていただいたことを思い出しましたが。(爆笑)
その他、web上で見られる主だったリンク
日本電信電話(株)の指定電気通信設備に係る接続約款案への再意見書
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/japanese/telecouncil/iken/ntt9811_r57_2.html
長期増分費用モデルの見直し案
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/japanese/group/denki/PDF/001018d56107.pdf
Yahoo!BBユーザーの個人情報は451万件が流出、ソフトバンク孫社長が謝罪
http://journal.mycom.co.jp/news/2004/02/27/017.html
情報通信政策フォーラム(ICPF): 第9回セミナー議事録
http://www.icpf.jp/archives/2006-05-10-1936.html
 
世界というのは、こういう「天才」が変えていくものなんでしょうね。
Here’s to the crazy ones (YouTube)

Think Different(Wikipedia)

Here’s to the crazy ones.
The misfits.
The rebels.
The troublemakers.
The round pegs in the square holes.
The ones who see things differently.
They’re not fond of rules
And they have no respect for the status quo.
You can praise them, disagree with them, quote them,
disbelieve them, glorify or vilify them.
About the only thing that you can’t do is ignore them.
Because they change things.
They invent. They imagine. They heal.
They explore. They create. They inspire.
They push the human race forward.
Maybe they have to be crazy.
How else can you stare at an empty canvas and see a work of art?
Or sit in silence and hear a song that’s never been written?
Or gaze at a red planet and see a laboratory on wheels?
We make tools for these kinds of people.
While some may see them as the crazy ones, we see genius.
Because the ones who are crazy enough to think that they can
change the world, are the ones who do.

(ご参考まで)

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6 thoughts on “筒井せんせーファンのみなさま

  1. 筒井せんせーは誰の肩に?

    私が勝手に「おっかけ」をやらせていただいている磯崎哲也さんの「isologue」に、日本のADSL普及の立役者、筒井多圭志さん(「せんせー」をつけるべき…

  2. 懐かしく思い出しました。
    あの頃は、楽しかったですね。
    ADSLって何ですかと、皆が言っていた頃。

  3. おげんごですか。
    うそざきしぇんしぇいも
    あいかわらず、むずかしいことおっしゃられてますね。
    びびびっっとわかるおはなし
    おねがいしますね。
    つついせんせいは、なにかおもしろいおはなしをおかんがえになってらっしゃるんでしょうか。
    ちかごろは、さっぱりストック
    さりていらっしゃるようですね。

  4. どもども。なんとか元気でやっております。
    maspy先生も、お元気そうでブログもやってらっしゃるんですね。
    (ではまたー)

  5. ひさびさでーす(゚Д゚)ノ ァィ
    この前でつねー、奈良でオフ夫に
    いってきましたぁ☆彡
    あのでつねー
    結構身近にいるお(謎)
    であであ゚+。v(。・ω・。)v゚+。