昨日も書きましたが、日興コーディアルグループの特別調査委員会の報告書を読むと、意外なことにEB債のスキームは後から考えられたのではなく当初から検討されていたということが分かってちょっとびっくり。
社債の詳細な要項や会計処理が決まらないのでドキュメンテーションが遅れてバックデートになってしまったわけですが、最初から「利益を出す」ということについてはNPIとNPIHとの間では合意があったと考えるほうが素直じゃないかと思います。
それであれば、要はドキュメンテーションの巧拙の問題であって、例えば、とりあえず最初の時点で、
「転換価格は○○円」
「(他のスキームを選択した場合には)、NPIHはEB債を額面で償還できる」
てなあたりだけでも決議して簡単にでも議事録に残しておいて、詳細は要項の変更決議を後でするとか投資契約書などで定めるとでもしておけば、粉飾扱いされることもなかったんじゃないかなあ・・・・(日本法の社債だと、そこまでフレキシビリティ無いかも知れませんが、どこぞの国の債券であればそのへんのフレキシビリティもありそうかも・・・)
・・・てなことを考え始めたんですが・・・・・・あまりに非建設的なので止めました。
そもそも、こういう制度のギリギリを突いて利益をでかく見せようという行為自体、私としては主義に合わないというか、あまり関わりあいになりたくないところでして。
証券会社としてどうかとか上場会社としてどうかというよりも、人の生き方として(脳や体に)よくない気がします。
経営は素直なのが一番ですね。・・・と無理やりまとめて、本日はこのへんで。
(ではまた。)
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私も自分のブログでNPIの取締役議事録バックデートによる日興CGにおける連結利益計上について批判を書きました。
当初からEB債もスキムの中にあったと私は思いますし、実際の姿は9月にEB債にすることを決定し、それを8月に遡及して適用することとしたと言うのが正しいと思います。
しかし、その上で評価益を計上しなければ、正しかったが、親子会社間の金融取引における利益計上は粉飾であると私は思います。実は今もベルシステム24の株式の90%以上をNPIが保有しているにもかかわらず、ベルシステム24及びBBコールを連結対象外としています。これについて、やはり問題であると私は思っています。
2度の書き込みとなってしまい失礼を致します。
本日発売の週間新潮の記事には、BBコールは2004年7月20日に東京メタリック販売からBBコールへと社名変更がなされ、資本金を1億円から51億円に増資し、目的にコールセンターの運営が追加されたと書いてあるのを読みました。2004年7月20日とは、ベルシステム24の第三者発行によるNPIH引受による増資、ソフトバンクBBとベルシステムの提携等一連のプレスリリースが出された日です。週間新潮の記事には、更にBBコールの資本金は現在資本金1億円であると書いてあります。ベルシステム24の現在の資本金は90億円であり、資本金のみで論じることは正しいことでないのですが、日興CGが2400億円をつぎ込んだ投資であり、それを連結対象外とすることは正当化できないと感じる次第です。しかも週間新潮の記事には、”「短期の転売を検討した事実はありません。(調査報告書は)間違っています。」(日興CG広報部)”とあります。
週刊新潮読みました。ペーパーカンパニーに近いものを500億円で売買していたことになるんでしょうか。ちょっと驚きました。そもそものBBコール買収と増資そのものに問題があったような気がしてきます。上場企業(当時のベルシステム24)の子会社が決算公告すらしてないのも異常です。そもそも決算公告すらしていないそれと今回の不正会計に、どれほどの因果関係があるか分かりませんが。記事を見て一番驚嘆したのは、ゴールドマン・サックスという会社の強欲さというか、凄さですが・・・。ソフトバンクも上手いことやったんですね。それにつけても、本邦企業のテイタラクといったら呆れるしかありません。この問題、まだ真相解明されていないように思います。