本日から運用が始まった、セブンイレブンの電子マネー、「nanaco」を(早速)使ってみて、「電子マネービジネス」に関する考え方がちょっとだけ変わった、というお話。
結構前からCMやニュースでたくさん見ていたので、とっくに運用開始されているのかと思ったら、店員さんの対応も初々しい。(ケータイをリーダーにかざそうとしたら、レジのパートのおばさんが、「あれ?カードはお持ちじゃないですか?」なんて言ってる。)
よく見るとなんと本日朝6時から開始じゃないですか。(たぶん、その店の一番乗りであります。)
カードをもらわないといけないのだと面倒だと思ってたんですが、今朝見たCMで「おサイフケータイ対応」とやっていたので、ホームページからケータイでQRコード
を読み込んでアプリをダウンロードし、住所・氏名などを登録すると、あっという間に登録完了。
交通系やコンビニなど、各種電子マネーが続々と登場してますが、こうしたマネー的なサービスというのはネットワーク外部性が働くことが容易に想像されるので、
「おそらく、SUICA[交通系カード]とEdyなど2方式くらいに集約されていくのではないか?」
「コンビニ1社でしか使えない電子マネーなんか普及する余地はないんじゃないか?」
と漠然と考えていたのですが、意外なほどあっさりと登録できてしまったので、ちょっと考えが変わりました。
SUICA、PASMOにせよEdy、nanacoにせよ、すべてSONYのFeliCa の上に実装されているので、(カードの枚数がどんどん増えていくならともかく)、1台のケータイの上に各種電子マネーが載ってくるのであれば、「アプリケーション層」としての電子マネーの方式にはさほど強い「ネットワーク外部性」は働かないのかも知れません。
(もちろん、「物理層(〜ミドルウェア的な層)」である”FeliCa”+”おサイフケータイ等”には、かなり強力なネットワーク外部性が働いているかと思います。)
一方で、SUICAに2万円、Edyに3万円、nanacoに1万円、ビックカメラのポイントが5千円分といった感じで、どんどん1台のケータイに金銭的価値が蓄積されて、なんだかんだで10万円くらいになったとすると、「おサイフ」に入ってる金額としては、ちょっと高額ではありますね。
個人的感想としては、
「10方式の電子マネーが共存する、というのはちょっと厳しいけど、2方式しか生き残れないというほどでもない。4方式くらいはイケる?」
といった感じであります。(今のところ。)
以前から本ブログでも予想していました通り、毎日の「物理的な」利用に紐付けられた交通系カードはカード型電子マネーとしてやはり強かったわけですが、逆に、ネットワーク外部性の形成に極めて重要な「どこでも使える(はずの)」「色の付いてない」EdyやDCMXなどをいまいち使う機会が少ないことから考えても、最大手コンビニという「物理的」スペースに紐付けられた「色の付いた」カードというのは、結構、イケるのかも知れません。
(ではまた。)
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確かに
「Suica、Pasmo、Edyで寡占になりそうなのに何故参入?」
と思っていたんですが…
確かに会社の近くのコンビニがセブンだとポイント溜める効率は良い。
毎日使うという点で強いかもしれませんね。
それでも携帯が財布という概念に一抹の得体の知れなさを覚えてしまう私は古い人間なのでしょう(^^;
私はナナコは個人情報の取り扱いが怖くて登録する気になれません。
買い物履歴は一生残りダイレクトメールも好き勝手に送られいくらでも増やせる
関係企業には個人情報垂れ流しな規則に見えるのですが。
磯崎さんはあまり気にならないですか?
nanacoの登録時には名前と電話番号だけでいけました。
ぼくは東京在住ですが、
サービス開始の4/23の時点では住所も書かせていたようですが、
数日後に名前と電話番号だけでよくなって、
あまりにお手軽なので勢いで登録しちゃいました。
登録料300円でしたが、「今登録すると200ポイントつく」、
というような話もあったのも後押しになりました。
# なんかセブンイレブンの回し者みたいですね。。。
私も携帯で、Suica・Visa Touch・Edyを使用しています。
非接触型の機能ゆえ、スキミングされやすいのでは?という不安はありますが(Felicaロックは掛けています)。
nanaco導入店ではEdy等も使えるみたいなので、自分はいらないかな。
基本は、どのカードが自分にとって一番お徳?(ポイントとか)・・というところでしょうか。
技術的にはわかりませんが、電車系・クレジット系・プリカ系・会員カード系の4種類になるのでは?
いつも読ませていただいておりますが、初めて投稿します。
私もいばらさんと同じで、流通業を営む会社の100%子会社が発行する電子マネーというところに違和感を覚えます。発行者の側から見れば、ポイント発行の”将来債務”よりも、利用履歴のほうがよっぽど便益があるはずで、一消費者として危険を覚えます。
かといって、ビットワレット社が個人情報について繊細に取り扱っているかどうかの確信は持てませんが、私はEdyのユーザーですし、「20日、30日は5%OFF♪」のために某小売系のクレジットカードも多用しています。
消費者って案外経済合理的ではないですよね。
書き込みの中で、いくつかの電子マネーをおさいふケータイで並存していらっしゃるようですが、レジはどうやって、EdyなのかNanacoなのかを読み分けているのですか?使用時に自己申告しているんですか?シロウトな質問ですみません。
なにはともあれ、ナナコとワオンの将来が気になります。
nanacoカード
セブンイレブンのnanacoカードを作ってみた。 磯崎さんのエントリーに触発され…
初めまして、ヴィンセントと申します。
前々からトラックバックが反映されず??です(^^;)
電子マネー、ずいぶん便利そうですね。
東京→名古屋に引越したせいか、電子マネーへの意識が薄れてしまいました。「PASMO」という大きな存在がないと、電子マネーでも意識レベルで地域間格差が生じるのではと思います。
今、Edyしかない広島“電子マネーとしてのICカードの現状”
isologue(イソログ) の 磯崎 哲也 先生が、セブン-イレブン・ジャパン
いつも読ませていただいております。
久々に書けそうなネタでしたので書いてみましたが、ヴィンセントさんが書いたような地域間格差ぽい愚痴になってしまいました。
[ニュース][日記・コラム・つぶやき]今、Edyしかない広島“電子マネーとしてのICカードの現状”
isologue(イソログ) の 磯崎 哲也 先生が、セブン-イレブン・ジャパンの電子マネー「nanaco(ナナコ)」に関連して >nanacoを使って…