銀行の証券仲介業解禁決定!

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非常に小さい記事ですが、

改正証取法が成立(本日 日本経済新聞朝刊4面)
 銀行への証券仲介業解禁や、不公正な取引への課徴金などを盛り込んだ改正証券取引法が二日、参院本会議で賛成多数で可決、成立した。金融庁が今国会に提出していたもの。(中略)
証券仲介業の解禁は、証券会社への株式売買の取り次ぎや顧客の勧誘を金融機関に認めるという内容。十二月一日から施行する。

映画の予告編的に言うと、
(カメラ、古ぼけた扉の鍵穴にズームしていく)
NA:「70年間眠り続けたあの怪物が・・・今、よ・み・が・え・る〜」
(鍵穴からのぞくと、暗闇の中に赤く光る目が・・・)
SE:「キシャーーーッッ!」
NA:「12月1日、日本が震撼する〜」
ってな感じでしょうか。
というわけで、今国会での成立は厳しいんじゃないかというウワサも一部ありましたが、さすが金融庁(様)、(実質)ユニバーサルバンキングの時代が日本にやってきます。
銀行のオンラインバンキングのホームページで株も取引できるというようなことになれば、かなりフツーの人まで株の取引を始めて、相当な量(数年で百兆円規模!?)の資金が預金から株式市場にシフトすることも十分考えられます。
ご参考図:
financial_assets3.JPG
出典:日本銀行調査統計局の「資金循環の日米比較:2003年4Q」
一方で、こんな法律も成立。

(続き)企業に株券の廃止を義務付ける株式ぺーパーレス化に向けた商法などの改正法も成立した。

今、公開しようとしている会社は、株券の印刷費払うのがバカみたいですね。
(ではまた)
ご参考エントリー:
「証券仲介業とは何か」https://www.tez.com/blog/archives/000010.html
「グリーンシートの『本当の意味』」https://www.tez.com/blog/archives/000008.html
「ネットVS金融」https://www.tez.com/blog/archives/000007.html
以下、ご参考資料:
(出典:参議院ホームページ
日程第一〇 証券取引法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
日程第一一 株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
  右の両案は、財政金融委員長から委員会審査の経過及び結果の報告
  があった後、押しボタン式投票をもって採決の結果、賛成一七〇、
  反対一七にて可決された。
証券取引法等の一部を改正する法律案(閣法第八三号)(衆議院送付)要旨
本法律案は、内外の経済・金融情勢の変化に対応し、市場機能を中核とする金融システムを改善・強化する必要性にかんがみ、証券取引における課徴金制度の導入及び証券取引等監視委員会の検査範囲の拡大による市場監視機能の強化並びに銀行等の金融機関の証券業務の範囲の見直しによる有価証券の販売経路の拡充を行うとともに、有価証券の対象範囲の拡大、目論見書制度の合理化、最良執行義務に係る規定の整備等、所要の措置を講ずるものであり、その主な内容は次のとおりである。
一、証券取引法等の一部改正
 1 投資事業有限責任組合契約に基づく権利、投資事業有限責任組合契約に類似する組合契約に基づく権利等を有価証券とみなして、証券取引法の投資者保護等に係る規定を適用する。
 2 一定の有価証券に係る目論見書制度の合理化を図り、目論見書の交付を受けないことについて同意した一定の者については、目論見書を交付しないことができる。
 3 有価証券報告書等の虚偽記載等による損害賠償請求権の規定を整備し、虚偽記載等の公表日前後の平均価額の差額を一定の範囲内で損害額と推定する。
 4 証券会社に対して、証券取引に係る顧客の注文を最良の条件で執行する義務(以下「最良執行義務」という。)を課すほか、最良執行義務の履行に関して、所要の規定を整備する。
 5 銀行等の金融機関が証券会社等との間で株式等の売買の媒介等の業務を営むこと等を解禁する。
 6 証券取引法上の違反行為を行った者に対して、課徴金を課する制度を設けるほか、課徴金の賦課の対象となる違反行為、課徴金額の算定方法及び課徴金の賦課手続等について、所要の規定を設ける。
 7 証券会社等、外国証券会社の支店等及び金融先物取引業者等に対する検査権限の証券取引等監視委員会への委任について、その範囲を拡大するほか、社債等登録法等に基づく検査権限を新たに証券取引等監視委員会に委任する。
(以下略)
株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律案(閣法第八四号)(衆議院送付)要旨
本法律案は、より安全で、効率性の高い証券決済制度等を構築していく必要性にかんがみ、株式、新株引受権、投資法人が発行する投資口その他の有価証券に表示されるべき権利等(以下「株式等」という。)の取引に係る決済の合理化を図るため、株式等を振替制度の対象に加えるとともに、株券不発行制度の整備を行う等、所要の措置を講ずるものであり、その主な内容は次のとおりである。
一、社債等の振替に関する法律の一部改正
 1 社債、国債等の振替による権利移転を規定する現行の法律を改正し、振替の対象となる有価証券に株式等を加える。これに伴い、法律の題名を「社債、株式等の振替に関する法律」に改める。
 2 株券不発行会社(株式の譲渡制限会社を除く。)の株式で振替機関が取り扱うもの(以下「振替株式」という。)についての権利の帰属は、振替口座簿の記載又は記録により定まることとし、振替株式について振替手続等の整備を行うほか、権利行使等について商法の特例となる規定を設ける。
 3 新株引受権、投資口等についても、株式と同様の振替が行えるよう規定を整備する。
二、商法の一部改正
1 会社は、定款で株券を発行しない旨の定めをすることができることとし、その会社の株式の移転は、取得者の氏名及び住所を株主名簿に記載又は記録しなければ、第三者に対抗できない。
 2 株式の譲渡制限のある会社は、株主の請求がない限り株券を発行することを要しない。
 3 株主名簿の閉鎖期間を廃止する等その他所要の規定の整備を行う。
三、その他
 1 この法律は、公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、株券不発行制度の整備のための二及びその他所要の改正については公布の日から一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
 2 「株券等の保管及び振替に関する法律」(以下「保管振替法」という。)に基づく保管振替株券に係る株式を、一の施行日に振替株式とする等の特例措置を設けるとともに、保管振替法を廃止する。
 3 その他所要の規定の整備を行うとともに、経過措置等を定める。
金融機関の証券仲介業務、12月から解禁——証取法改正案成立へ。
2004/06/02日付日本経済新聞 朝刊 4面
(本文略)
【表】証券取引法改正案のポイントとそれぞれの施行時期
▽2004年12月1日
○金融機関への証券仲介業解禁
○投資信託目論見書の内容合理化
○組合型ファンドの投資家保護強化
▽2005年4月1日
○不公正取引などへの課徴金制度創設
▽2005年7月1日
○証券会社への検査を証券取引等監視委員会に一本化

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1 thoughts on “銀行の証券仲介業解禁決定!

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