週刊isologue(第356号)なぜ「残余財産分配権3倍」のベンチャーは、うまくいかないのか?

(今回は、自己啓発本的なタイトルにしてみましたw )

いろいろな会社の相談を受けたり投資の検討をすると、時たま、「投資額の3倍」といった高い倍率の残余財産分配権が設定されている優先株式で資金調達している会社に出くわします。そして、(統計的な処理が行われていないので感覚的な影響を受けている可能性はありますが)、そういった会社は、なぜか、うまくいっていないことが多い気がします。

本日は、なぜそうなのか?について考えてみたいと思います。

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目次とキーワー

  • 「残余財産分配権」とは?
  • 米国の「3倍」と日本の「3倍」の違い
  • そもそもなぜ優先株式を使うのか?
  • 「1倍」と「3倍」、どっちが投資家に有利か?
  • ベンチャーの優先株式は「インセンティブ設計」である
  • 「高利の借金」と同じ効果
  • 負のインセンティブ、図解
  • 登記簿での「3倍」の条件の見分け方
  • 条件交渉での救済

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「Fintech」をどう考えるか?

先週のNHKの朝の連続テレビ小説「あさが来た」は、江戸時代から続く両替商(principal investment)が銀行(元本保証の他人資本による「預貸」)というビジネスモデルに転換し、「銀行の神様」渋沢栄一(三宅裕司)登場!という大きな節目の週でした。

そして今、欧州の金融当局などは、「この150年前に生まれた銀行という仕組みでは、今後はマクロ的に社会が必要とする資金を(中小企業や成長企業などを中心に)十分に供給することができなくなる」という問題意識を持っているようです。つまり預金は「マネー」そのものなので、銀行が破綻すると結局政府が資金を投入することになり、バーゼルIIIなどの規制もかけざるを得ないため、今後は、預金ではなく投資家のリスクによる(ソーシャルレンディング、ファンド等を用いた)資金供給方法にシフトしていかざるを得ない。すなわち「現在は銀行という業態が生まれたとき以来の150年に1度の大変革期である」という問題意識です。

「Fintech」という言葉をテクノロジー(シーズ)の側面からのみ捉えると「blockchain以外に、そんな大したネタあったっけ?」という気がするかもしれませんが、上記のように「ニーズ」と考えると、歴史的マクロ的に、そこそこ大きな話だと考えられる…かもしれませんね。

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週刊isologue(第355号)ストックオプションの「適正量」を考える(VC比率編)

今週は、「VCの保有する株式の比率とストックオプションの比率は、何か関係があるか?」ということを考えてみたいと思います。

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目次とキーワー

  • 2015年IPO企業の潜在株式割合データ(VC比率編)
  • 仮説
  • 地方企業等(自己ファイナンス型)と、急速グロース型
  • 株主にVCがいる企業、いない企業
  • リードVCがいるかどうか
  • VCの比率との関係

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週刊isologue(第354号)ストックオプションの「適正量」を考える(データ編)

「ストックオプションって、何%くらいが適正量なんですかね?」という質問をいただくことがよくあります。

引受主幹事証券さんの反応等を踏まえた今までの経験から、「VC比率にもよりますが、また海外のストックオプション・プールはもっと大きいことが多いと思いますが、日本だとだいたい発行済株式に対して10%くらいを、上場に影響を及ぼさない固めの数字として考えておけばいいんじゃないでしょうか?」といったお答えをすることが多いのですが、今回からそれを、ちゃんとしたデータに基づいて考えてみようと思います。

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目次とキーワー

  • 2015年のIPO企業のデータ(92社)
  • 潜在株式割合データ
  • 設立年数での並べ替え結果

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週刊isologue(第353号)ついに登場、監査等委員会設置会社のIPO

監査等委員会設置会社は指名委員会等設置会社よりシンプルなのはもちろん、従来の監査役会設置会社よりも、ある意味シンプルな面がありますので、ベンチャーにも十分お勧めできるのではないかと考えています。

「指名委員会等設置会社をもうちょっとライトにしたしくみにニーズがあるのでは?」ということは、私は2007年から言ってました(isologue「委員会設置会社制度改造論」ご参照)ので、昨年の会社法改正でこのような制度変更が行われて、感慨深いものがあります。

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目次とキーワー

  • 監査等委員会設置会社とは何か 
  • 日本のコーポレート・ガバナンスの歴史
  • (意外にも?)ISSも推奨
  • 取引所、引受証券会社の対応
  • 「あんしん保証」の事例

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週刊isologue(第352号)謹賀新年(2015年の「週刊isologue」総集編)

あけましておめでとうございます。
今週は一年の最初なので、昨年の記事を一覧する「総集編」をお届けします。
今年も、何卒よろしくお願い申し上げます。

昨年のテーマは、

  • 全米ベンチャーキャピタル協会契約ひな型(完結)
  • アリババ株分離で、ソフトバンクの米Yahoo!買収はあるか?
  • 上場前後の資本政策(2015年第1四半期、第2四半期)
  • Facebookの株式インセンティブプラン
  • ザッカーバーグのストックオプション
  • ベンチャー投資会社「Alphabet」に生まれ変わるGoogle
  • Squareの上場と「魔のSeries E調整条項」
  • 「起業のエクイティ・ファイナンス」改良版

などでした。

詳細は、以下をご覧下さい。
(以下、リンクはブログでの紹介にリンクしています。)

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週刊isologue(第351号)上場前後の資本政策(2015年第4四半期:後編)

今回も、2015年第4四半期にIPOしたベンチャーを中心とする会社の資本政策についてです。

取り上げた企業

  • あんしん保証
  • ロゼッタ
  • ベルシステム24ホールディングス
  • ネオジャパン
  • インベスターズクラウド
  • 鎌倉新書
  • ラクス
  • ダブルスタンダード
  • オープンドア
  • フリュー
  • アークン
  • マイネット
  • ビジョン
  • ソネット・メディア・ネットワークス
  • ソーシャルワイヤー

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週刊isologue(第350号)上場前後の資本政策(2015年第4四半期:前編)

今回は、2015年第4四半期にIPOしたベンチャーを中心とする会社の資本政策についてです。

今年の第4四半期に上場したのは以下の企業です。

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本日は、AppBankからゆうちょ銀行までを取り上げます。
(「あんしん保証」以降は、また来週。) 

 

取り上げた企業

  • AppBank
  • グリーンペプタイド
  • GMOメディア
  • パートナーエージェント
  • バルニバービ
  • 日本郵政
  • かんぽ生命保険
  • ゆうちょ銀行

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週刊isologue(第349号)ザッカーバーグの「全財産寄付」

Facebookのザッカーバーグ氏が5兆円以上になる(ほぼ)全財産を寄付することにした、と発表したことについて、「すばらしい」「いや、偽善だ」といった議論が巻き起こりましたが、今回はこの件について、開示資料から考えてみたいと思います。

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目次とキーワー

  • ザッカーバーグ氏のFacebookへの投稿
  • SECへの開示
    • 寄付等の期間 
    • 寄付等の方法 
    • 寄付等の量 
    • 寄付等の目的
    • 実現の手段
    • 目的実現のためのentity
    • ザッカーバーグ氏の関与 
    • 売却の予定量
    • 売却の方法とインサイダー取引規制
    • 売買等の開示
    • 開示日時点でのザッカーバーグ氏の持株数 
  • ザッカーバーグ氏の持株数の推移
    • 上場時の株主構成
    • 大量保有報告書でみるザッカーバーグ氏の持株
    • 他の株主からの議決権行使委任分は大幅に減少
  • ザッカーバーグ氏はいつまで過半数の議決権を保てるのか?
    • Class A普通株とClass B普通株の議決権
    • 発行済Class A、Class Bとザッカーバーグの議決権
    • 議決権推移のシミュレーション

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週刊isologue(第348号)改良版「経営者持分の是正法」

今回はシード期からアーリー期における「経営者持分の是正法」の改良版についてです。

これは拙著「起業のエクイティ・ファイナンス

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第5章「経営者の持分を是正する乙種普通株式」に書いた、劣後株を使ってシード期からアーリー期のベンチャーの経営者の持分を是正する方法を、その後の実務で使ってみて、一部改良するものです。

 

目次とキーワー

  • 資本構成の是正の必要性とは
  • ストックオプションで是正を行う方法の問題点
  • 無償のストックオプションを使う方法
  • 有償ストックオプションを使う方法
  • 「乙種普通株式」を使った是正方式
  • 乙種普通株式発行の例
  • 乙種普通株式の課題
  • 今回の改良点(ややこしさを低減)

 

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