ハロウィンのプレゼントにも最適!「起業のファイナンス」 :-)

今月初めに出した拙著「起業のファイナンス

起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと
磯崎 哲也
日本実業出版社
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おかげさまで売れ行き好調なのはいいのですが、アマゾン等の書店で欠品が続いてご迷惑おかけしておりました(20日に大量に納品された第2刷も溜まった客注分で瞬間蒸発)が、明日3刷目が納品されますので、これでお手元に届き始めると思います。

 

「通常2-4週間以内に発送します」の表示はしばらく消えないしくみらしいですが、4刷目も直後に控えておりますので、遅くとも週明けには「在庫あり」の表示に戻ると思います。

追記(18:49):取次に3刷が納品されてアマゾンの表記が「通常5~7日以内」に戻りました!(明日アマゾンに入荷で、じきに「在庫あり」になる予定。)みなさんもう買っても大丈夫ですよ~

追記(10/23 12:25):3刷納品で ついにアマゾンの「起業のファイナンス」が「在庫あり」の表示に!みなさんガンガン買って頂ければ幸いです!

追記(10/24 23:55):またアマゾンの在庫が切れた…orz(「通常5~7日以内」表示に)

追記(10/25 02:00):そしてまた表示が「通常2~4週間以内」に逆戻り。でもすぐ4刷が入荷されると思います!

 

このオレンジ色の表紙、時節柄、帯をとってマジックで目と口を書いていただくと、おしゃれなハロウィンのプレゼントにもなる・・・かもしれないので、この機会に是非!

 

(ではまた。)

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週刊isologue(第81号)ヤフーのデータセンター(税務とビジネス編)

先週は、ソフトバンクからヤフーに譲渡されたデータセンター事業について、その沿革とスキームについて見てみましたが、今週は、

  • ヤフーの合併の実例に基づく組織再編税制のおさらい
  • 事業の中身はどのように分割されたのか?
  • 東京国税局による更正の内容
  • 「事業上の必要性」はあったか?(「NOAH」と「Yahoo!モバゲー」)
  • 買収価格は450億円は高過ぎるか?
  • 株式譲渡契約の「繰越欠損金否認時の修正条項」
  • 「特定役員引継ぎ要件」の使い方はどうだったのか?
  • なぜ(通信会社ではなく)ヤフーに売却されたのか?
  • まとめ(結局、ビジネス全体から見てどうか?)

といったあたりを考えてみました。

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丸善丸の内本店で「起業のファイナンス」刊行記念講演

丸の内の丸善本店さんで「起業のファイナンス」の刊行記念講演というのをやらせていただきます。

丸善丸の内本店 3F日経セミナールーム
2010年10月15日(金) 19:00から
定員100名様
要整理券(電話予約可)

 

 

丸善本店で同書をご購入いただくか、電話(お問い合わせ先はこちら)で予約していただいて、取り置きしてもらっていただくと「整理券」がもらえます。入場にはこの整理券が必要です。

講演は一時間弱程度を予定しております。
内容は(細かいところは本をお読みいただいた方が効率的だと思いますので)、本を読む際のポイントですとか、この本を書くにいたった経緯、現在の日本のベンチャー企業やファイナンスを理解するために必要な具体的事例などを取り上げる予定。

 

そして(…これがコッ恥ずかしいので今までブログで告知するのがためらわれていたのですがw)、講演後に(私としては生まれて初めての)サイン会なるものをやるそうでして・・・。

カバーをデザインしていただいた萩原弦一郎さん(「もしドラ」のデザインもご担当)に、急遽「サイン」をデザインしていただきまして、その初お披露目になります。
(いくつかデザインしていただいたのですが、私の名前は漢字だと画数が多いので、一番シンプルなやつを選ばせていただきました。)

講演はある程度慣れてますが、サイン会なんてのは生まれて初めてですので・・・かなりドキドキしております。(汗)

よろしくお願い致します。<(_ _)>

 

(ではまた。)

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週刊isologue(第80号)ヤフーのデータセンター(沿革とスキーム編)

先週末10月8日に、「Yahoo! JAPAN、福島県白河市に環境対応型の大規模データセンター建設を決定」、というプレスリリースが出てました。

日本経済新聞の同日の記事によると、

ヤフー、福島県に大型データセンター 「クラウド」拠点に
ヤフーは福島県白河市に大型のデータセンターを建設する。2012年3月の完成を目指す。数万台規模のサーバーを格納し、ネット経由でソフトやシステムを提供する「クラウドコンピューティング」事業を強化する。(中略)

第1期の投資額は数十億円規模で来年春の着工を目指す。サーバーを格納する「ラック」と呼ばれる専用棚を1棟で約600台収納できる。6棟・3600ラックまで拡張すれば国内最大級になる。(以下略)

とのことであります。

ヤフーのデータセンターと言えば、今年6月30日に、

ソフトバンクIDC ソリューションズ株式会社合併に関する 更正・決定通知書の受領について(pdf)

というプレスリリースが出ており、東京国税局から、データセンター事業会社の合併に関して、国税(附帯税を含む)、地方税(延滞金を含む)合せて約265 億円の追徴税額の発生を見込んでいる旨が書かれています。

同プレスリリースによると東京国税局は「本合併等を事業上の必要性から積極的に進めたものとは認められない」等と指摘し、ヤフーはこれに猛反発しています。

 

こうした税務上のトラブルがあるという予備知識の下で上記の福島のデータセンター建設のリリースを読むと、東京国税局側の考え方をする人は、

  • 事業上の必要性をアピールするために無理して追加投資してるんじゃないか?

と疑うかも知れませんし、ヤフーにシンパシーを感じる人は、

  • 上記の日本最大級のデータセンターなんてものを無理して作るなんてことは無いでしょ?
  • 「税務署のおっさん達は「クラウド」ビジネスの将来性を理解してないんじゃないの?
  • こんな曖昧な基準で更正決定されては、他の会社や経済全体にも萎縮効果が出てしまうのでは…

といったことを考えるかも知れません。

 

当然ですが、ヤフーや東京国税局などの方々と異なり具体的で詳細な資料に当たれるわけではありませんが、今回は、開示情報や報道等から分かる範囲で、この取引の全貌を考えてみたいと思います。

今週はまず、この合併対象となった「ソフトバンクIDC ソリューションズ株式会社」という会社の波瀾万丈な「一生」と、行われた組織再編のスキームの全体像を考え、次週、経済的・税務的にそれらをどのように考えることができるのか、について考えます。

 

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(ではまた。)

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「起業のファイナンス」広告載りました

先月末に発売開始した拙著「起業のファイナンス」の記事が、本日の日経2面下に出てます。
(あちこちの書店で品薄気味で、ご迷惑おかけしてます。
 <(_ _)>。)

 

201010080617.jpg

 

起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと
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同じ広告内右下の「チャイナクライシスへの警鐘 2012年 中国経済は減速する

チャイナクライシスへの警鐘 2012年 中国経済は減速する
柯 隆
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の筆者の柯隆さんは、シンクタンク時代の同僚ですね。ごぶさたしてます。

 

そういえば、今、ベストセラー&ロングセラーになってる「20歳のときに知っておきたかったこと

 

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義
ティナ・シーリグ
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おすすめ度の平均: 4.0

3 ひとは「ストーリー」に
  感銘を受ける
3 これを読んだ感想で、
  貴方の立ち位置が判ります。
4 さすがです
4 T字型の人材
5 全ての年代の方の可能性
 を広げる

 

の訳者の高遠裕子さんも、シンクタンク時代の同僚(同じ部)であります。

 

(ではまた。)

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週刊isologue(第79号)「起業のファイナンス」発売記念号

先月末に発売となった「起業のファイナンス」ですが、みなさんに大きな反響をいただきまして、本日なんと増刷が決まりました

どうもありがとうございます!

 

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ということで、本日の週刊isologueは通常とはちょっと趣向を変えまして、この本の「序章」の全文をご紹介させていただきます。

序章では、なぜ今この本を書こうと思ったか、ベンチャーの「生態系」を育てることがなぜ重要か、といったことを書かせていただいております。

まだご覧になっていない方には内容を読んでいただいて、面白そうであればご購入を検討いただければ幸いです。:-)

 

■序章 なぜ今「ベンチャー」なのか?

  • ベンチャーをやるには「イメージ」が大切だ
  • 不況時は起業のチャンスかもしれない
  • 「資金調達がいらない起業」が増えている
  • 資金調達にはノウハウが必要
  • 起業の情報が不足している
  • 「成功しないこと」は「失敗」ではない
  • 日本は起業する人に冷たい国か?
  • ベンチャーの「生態系」を作り上げることが必要
  • 本書の内容と構成

本書の内容と構成

 

第1章「ベンチャーファイナンスの全体像」では、まずベンチャー企業とは何か、なぜ株式で資金調達をするのか、日本のベンチャーの資金に関連する全体像、などを見ていただきます。

 

第2章「会社の始め方」では、起業をするのにスタート時の設計が最も重要であること、どんなゴールを目指すかを考えること、など会社設立の基本的な話をしたあと、会社設立の実際や現物出資などについて話します。

 

第3章「事業計画の作り方」では、事業計画がどういうものかということについて説明します。事業計画は分厚いものを作れば作るほどいいわけではありません。また、事業計画を通じて、ベンチャー企業が成功するというのは、そもそもどういうことか、についても考えてみます。

 

第4章「企業価値とは何か」では、ベンチャーファイナンスにおいて核となる概念「企業価値」について考えます。「企業価値とは何か」についてイメージが持てれば、ベンチャーのファイナンスもわかるし、ファイナンス全体が理解できるといってもいいかもしれません。

 

第5章「ストックオプションを活用する」では、ベンチャー企業の最大の武器の1つである「ストックオプション」について勉強します。
ストックオプションとは何なのか、ストックオプションをどう使えば効果的なのか、ストックオプションで陥りやすいミスは何か、などについて考えます。

 

第6章は「資本政策の作り方」です。
ベンチャー企業は、資本政策で失敗する例が多いので、非常にもったいないのです。ベンチャーにおける資本政策がなぜ重要なのか、資本政策はどうやって策定すればいいのか、どういう失敗が多いのか、いい資本政策とはどのようなものか、などについて考えてみましょう。

 

第7章は「投資契約と投資家との交渉」です。
投資家は、株主となって一緒に会社を経営する「仲間」になる人ですが、投資してもらう過程では利益が相反しますので、交渉が必要になります。投資を受けるまでのプロセスがどのようになっているか、投資契約のどんなところに気をつけなければならないか、などについて考えます。

 

第8章「種類株式のすすめ」では、アメリカでは「優先株(Preferred Stock)」としてベンチャー投資の常識になっているのに、日本ではまだ活用が進んでいない「種類株式」について、どういった場合に役に立つのか、なぜそれが必要になるのか、について考えてみます。

(ではまた。)

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おかげさまでビジネス書1位獲得!「起業のファイナンス」

昨日から発売を開始した拙著「起業のファイナンス」ですが、みなさんにツイッターやブログ上で反響をいただいたおかげで、Amazonのビジネス書部門で1位を獲得させていただきました。どうもありがとうございます!!

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初の単著:「起業のファイナンス」出ました!

私の初めての単著で「起業のファイナンス」という本を書きました。

 

起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと
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本日(30日)よりアマゾンで発売開始し、明日より書店店頭にも並ぶようになります。
(すでに一部書店では店頭に並んでいます。)

 

今までも起業に関連する本はたくさんあったと思うのですが、起業してから上場(またはバイアウト)するまでに、投資家とどういった交渉をしながら、どのように資金を調達するかといった全体像「お金」の面からイメージがわくように解説した本というのは、あまりなかったんではないかと思います。

 

この本で最も述べたかったことは、(個別のベンチャー企業の方の役に立つことはもちろんですが)、日本のベンチャーの「生態系」をもっと発達させる必要がある、ということです。

日本は戦後、銀行の融資(間接金融)で急速に復興を遂げましたので、社会の体質やモノの考え方が全体的に「銀行っぽく」なっちゃってます。
つまり、銀行の資金は基本的には「まず絶対に潰れない」対象にしか融資できませんが、高度成長時代はとっくに終わり、時代は「今まで誰もやったことが無いようなこと」にチャレンジすることが求められています。
そして、優秀な人々をそこに呼び込むには、失敗しても経営者が個人保証で立ちいかなくなるといったことが無い「リスクマネー」が必要になります。

しかし、銀行1行の「ワンストップ」で済む融資と異なり、株式で資金調達するには、起業家の他、投資家(ベンチャーキャピタル・エンジェル、事業会社等)、弁護士、公認会計士(監査法人)、税理士、司法書士、証券会社、証券取引所等、実に様々な人のサポートが必要になってきます。

ウサギとライオン2種類だけで自然界が回っているのではないのと同様、「自然な」ビジネスの世界も極めて多くの主体が関与しているわけです。

そして、起業しようという人やベンチャーに就職しようという人が増えないと、そうした専門家やサポーターなども食っていけませんし、そうしたサポーターがいないとベンチャー企業も成長できません。

このように「卵とニワトリ」なところがあるので、「それ、即効性のある景気刺激策なの?」と聞かれればそうではないと思います。
しかし、停滞する日本経済を再び活気のある社会に戻すためには、まさにこのベンチャーが重要。
ベンチャーというと「何か特殊な会社」と思われるかもしれませんが、ベンチャーというのはつまりは、社会の中で新しい需要や供給が自発的に生み出されるしくみのことであり、ベンチャーがうまくいく社会は、つまりは経済が活性化し成長できる社会だと考えられるわけです。

新しいことは既存企業の中でやってもいいわけですが、例えば、今なら世界的にはとても通用しないような生ぬるい企画書が会議で通っているといった領域の大企業が、そうした新興企業達からの猛烈なチャレンジを受ければ、それがその企業にも刺激になり、経済全体が活発になっていくはずです。

 

というわけで、この本は、これから起業を考えている方、資金調達して急成長しようとしている方だけでなく、ベンチャー企業をサポートできる専門家の方々や政治家や官僚の方々等にも幅広く読んでいただければと思います。
学生や専門家の卵の方にも、 社会の動きや会社法、税務などの全体像をつかんでいただく役に立つのではないかと思います。

 

ご興味を持っていただけましたら、下記のリンクからどうぞ。

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【目次】
第1章 ベンチャーファイナンスの全体像
第2章 会社の始め方
第3章 事業計画の作り方
第4章 企業価値とは何か
第5章 ストックオプションを活用する
第6章 資本政策の作り方
第7章 投資契約と投資家との交渉
第8章 種類株式のすすめ

 

【内容と構成】
第1章「ベンチャーファイナンスの全体像」
ベンチャー企業とは何か、なぜ株式で資金調達をするのか、日本のベンチャーの資金に関連する全体像、など。

第2章「会社の始め方」
起業をするのにスタート時の設計が最も重要であること、どんなゴールを目指すかを考えること、など会社設立の基本的なことに加え、会社設立の実際や現物出資などについて。

第3章「事業計画の作り方」
事業計画とはどういったものかについて説明。
事業計画は分厚いものを作れば作るほどいいわけではありません。事業計画を通じて、ベンチャー企業が成功するというのは、そもそもどういうことか、についても考えてみます。

第4章 「企業価値とは何か」
ベンチャーファイナンスにおいて核となる概念「企業価値」。
「企業価値とは何か」についてイメージが持てれば、ベンチャーのファイナンスもわかるし、ファイナンス全体が理解できるといってもいいかもしれません。

第5章「ストックオプションを活用する」
ベンチャー企業の最大の武器の1つである「ストックオプション」について。
ストックオプションとは何なのか、ストックオプションをどう使えば効果的なのか、ストックオプションで陥りやすいミスは何か、などについて考えます。

第6章 は「資本政策の作り方」
ベンチャー企業は、資本政策で失敗する例が多いので、非常にもったいないのです。
ベンチャーにおける資本政策がなぜ重要なのか、資本政策はどうやって策定すればいいのか、どういう失敗が多いのか、いい資本政策とはどのようなものか、などについて考えてみましょう。

第7章「投資契約と投資家との交渉」
投資家は、株主となって一緒に会社を経営する「仲間」になる人ですが、投資してもらう過程では経営者と利益が相反しますので、交渉が必要になります。投資を受けるまでのプロセスがどのようになっているか、投資契約のどんなところに気をつけなければならないか、などについて考えます。

第8章 「種類株式のすすめ」
アメリカでは「優先株(Preferred Stock)」としてベンチャー投資の常識になっているのに、日本ではまだ活用が進んでいない「種類株式」について、どういった場合に役に立つのか、なぜ それが必要になるのか、について考えてみます。

 

(ではまた。)

 

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週刊isologue(第78号)「イケてない」例から考えるベンチャー企業の資本政策

よく、
「イケてる資本政策とはどういうものですか?」
とか
「イケてる資本政策の立て方を教えてください」
というご質問をいただきます。

しかし、これはちょっと答えにくい質問です。

資本政策というのは、株式やストックオプションの発行、公開等を考慮して、必要な金額が調達できるか、公開時の持株比率は妥当な水準か?等を考慮する戦略、またはそのアウトプットのことです。

資本政策は、資本政策だけを考えて導出できるものではありません。
下図のように、事業がどういったビジネスモデルなのか、最初から売上や利益が十分得られるのか/時間がかかるのか、先行投資が大量に必要なのか/そうではないのか、リスクがどの程度あるか、初期から高い企業価値で評価してもらえるのか、といった様々な点が関わってきます。

 

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図表.事業計画と事業(企業)価値、資本政策

 

はじめから利益がどんどん出て、設備投資もその他の先行投資も不要な事業であれば、必要な資金が少なくなりますから、自ずと無理の無い資本政策になる可能性が高くなります。
一方、大量の資金を必要とする事業であれば、かなり投資家とハードにネゴしないと、望ましい資本構成にはならないかも知れません。

このため、資本政策だけを見て「これがイケてる資本政策だ!」というのは難しいわけですね。

 

ただし、イケてない資本政策の「フラグ」(サイン)というのはいくつかあります。

今回は、上場前の粉飾決算が明らかになって破産、上場廃止となり、今月15日に社長の奥村裕氏が金融商品取引法違反で逮捕された「株式会社エフオーアイ」の例を取り上げ、上場時に提出された有価証券届出書等から資本政策を考えていきたいと思います。

 

今週の目次&キーワード:

  • エフオーアイの概要
  • 「株主の状況」からスタート
  • 資本政策表を推定する
  • 「イケてない」フラグ(徴候)
  • 資本政策とモニタリング
  • まとめ

 

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(ではまた。)

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週刊isologue(第77号)ベンチャー企業の監査役(小さい会社編)

非上場会社の社長や経営陣の方に「ここだけの話、監査役って何する人なのかイマイチよくわかんないです」と告白いただくことがよくあります。

また、社長ならまだしも、やってる監査役自身が監査役が何をするかわかっていないケースも実は非常に多いのではないかと思います。

 

上場企業などの大きな企業の場合には、「理想的なコーポレートガバナンスのあり方は?」といった観点から理論的に機関の形を考えて行けばいいですが、小さな企業の場合には「どのくらいのコストがかかるのか」「監査役になってくれる人が見つかるのか?」といった点も非常に重要です。

こうした小さい会社のコーポレートガバナンスや監査役をどうすればいいのかという資料や書籍は、不勉強であまり存じません。

このため今回は、非上場企業の中でも小さめの会社、すなわち、

  • 会計監査人を置いてない(資本金が5億円未満で負債も200億円未満)
  • もちろん会計参与も置いていない

という会社を中心に、「監査役」という存在をどう考えればいいのかを考えてみます。

 

今週の目次とキーワード:

  • そもそも今や監査役は必須じゃない
  • 取締役会も必須ではない
  • 取締役1人で会社を始めればいいか?
  • 監査役の業務をイメージする方法
  • 機関設計が「取締役会+監査役」の会社
  • 監査役が行う会計監査
  • 会計監査権限の監査役の仕事
  • 監査役がいる会社は「監査役設置会社」か?
  • 監査役の権限は意外に強い
  • 監査役の限定を外す場合に注意

 

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(ではまた。)

 

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