週刊isologue(第76号)ベンチャー企業としての日本振興銀行

日本振興銀行が先週金曜日2010年9月10日に、金融庁に対し、預金保険法第 74条第5項に基づき、「その財産をもって債務を完済することができない」旨の申出を行い、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分(「管理を命ずる処分」)を受けました。(つまり平たく言うと破綻しました。)

今週はこの日本振興銀行について取り上げたいと思います。

いろいろ解説記事も出てきていますので、今回は、開示されていることから何が言えるのかということと、そもそもの根源に立ち返って、日本振興銀行のビジネスモデルやモニタリングの構造からして、最初からこうなる運命だったのかどうか、といった点を考えてみたいと思います。

 

今週の目次とキーワード

  • 日本振興銀行の経営状況
  • EDINETでの大量保有報告書等の開示
  • EDINETでの親会社等状況報告書の開示
  • 親子会社関係の解消の経緯
  • 株主の状況(垣間見えた株主数と大株主の推移)
  • 財務内容
  • 日本振興銀行のビジネスモデル
  • 「銀行という名の(儲からない)商工ローン業者」
  • 「B/S貸方小口モデル」とモニタリング
  • 誕生時からそもそもうまく行かない事が運命づけられていた?

 

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「本当に使えるウェブサイトのすごい仕組み」(+スキャン[自炊]による速読法)

ツイッター等で盛り上がっていた佐々木さんの新著、「本当に使えるウェブサイトのすごい仕組み

 

本当に使えるウェブサイトのすごい仕組み
佐々木 俊尚
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 144
おすすめ度の平均: 5.0

5 単なる人気サイトの紹介に
留まらないまさに「仕組み」の話

 

を出版元の日本経済新聞社出版社さんから送っていただきました。

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書評:「変わる会計、変わる日本経済」 石川純治著 日本評論社

「週刊経営財務」の2010年6月21日(No.2971)号に掲載していたただいた駒澤大学経済学部 石川純治教授のご著書「変わる会計、変わる日本経済」著 日本評論社

 

201009121647.jpg
石川 純治
日本評論社
売り上げランキング: 210189
おすすめ度の平均: 5.0

5 会計批判として、
引き続き秀作

 

に関する書評です。
(3ヶ月弱経ちましたので、そろそろWebにも載せさせていただきます。)

 

石川教授については、このブログでも何度かご紹介させていただきましたが、表層的な会計の規則を負うのではなく、「会計の本質」とは何かを考えてらっしゃるところが非常に引きつけられるところではないかと思いますし、そういう本質を考える能力や態度というのは、まさに今後のIFRS時代に必要とされるものじゃないかと思っております。

 

以下、掲載した書評を引用いたします。

 

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週刊isologue(第75号)「死なない時代」をファイナンス的に考える(試論)

このところ100歳を超える高齢者の所在不明問題が話題になっています。
戸籍上約200歳になる方まで「発見」されていますが、もちろん、現代の環境下ではそんな方が存在すると考えられるわけがありません。

一方で、遠い未来を考えてみると、「人間」の寿命はどこまで伸びるのでしょうか。

 

今週は、いつもの週刊isologueとはちょっと趣を変えて、こうした人間の生命の長さを飛躍的に伸ばす技術革新が起こるような、超長期の未来を考えてみたいと思います。
ただし、対象は 「死なないこと」を実現するための技術的な考察というよりは、「死なないこと」が個人の人生設計や、社会全体の年金問題等にどのような影響を与えるのか、社会的・ファイナンス的な側面としたいと思います。

 

目次とキーワード:

  • 想定する技術的変化
  • 死因順位統計から考える
  • 遠い未来には「すごい」ことが起こってもおかしくない
  • 今後100年の方が技術革新が速い理由
  • 世代別に見た「死なない」世界への到達の可能性
  • 「死」の効用
  • 「死なない」関連事業のビジネスモデル
  • 社会的影響・倫理観

 

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週刊isologue(第74号)「週刊isologue」の2010年1月から8月までの総集編

残暑お見舞い申し上げます。

今週は2010年以降の記事を一覧する「総集編」をお届けします。
(リンクはブログでの紹介にリンクしています。)

 

詳細は、以下をご覧下さい。

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週刊isologue(第73号)未公開会社の資金調達と募集のあるべき姿

先日、日本証券業協会から「新規公開前に行われる不適切な自己募集を規制するための『有価証券の引受け等に関する規則』等の一部改正について(案)」という文書が公開されました。

その変更案の内容は、平たく言うと
未公開株詐欺を防ぐために、未公開の段階で個人株主向けに募集をした会社は原則として上場できない
というものでしたが、これは詐欺の抑止効果も期待できない上、未公開会社の資金調達を著しく阻害することにもなると、多くの批判が行われました。

〆切の今年7月1日までに370件ものパブコメが集まり、協会は翌7月2日に、7月20日に予定していたこの規則の施行を延期するとともに、この案の取扱い等についてあらためて議論をすることになりました。
(協会のプレスリリースはこちら。)

 

しかし、この規制については協会が公式にまだ「完全にやめます」と決定したわけではないようですから、問題がこれで終わった訳ではありません。
この改正案に反対のパブコメを送っていただいた方も、まだ安心していただいては困るわけです。

 

この改正案は、未公開株詐欺を減らそうと知恵を絞った結果出て来たものだと思いますし、未公開株詐欺が存在するという問題はまだ無くなっていません。

そして、今回のような多くの人の反対を招く改正案が俎上に登ったということは、未公開会社の株式による資金調達の実態が(証券のプロ中のプロであるはずの日本証券業協会の方々にすら)知られていない、ということがあると思います。

これは、決して日本証券業協会の方々を非難したりイヤミを言っているというわけではありません。
そのくらい、日本では未公開株式に関する実情が知られていないということだと思うのです。

このため、今週は、日本の未公開会社の資金調達の現状と、日本の今後を考えて、未公開会社の資金調達をどう考えていけばいいのか、ということについて整理してみたいと思います。

 

今週の目次とキーワードは以下の通りです。

  • 協会の改正案についての現状
  • 未公開株式募集の問題の本質
  • 例で考える規制の問題点
  • 借入の問題点
  • 個人保証の問題点
  • 無担保無保証の借入金だったらいいか?
  • 優先・劣後関係から考える
  • 調達方法別の規制
  • 株式会社(株式)の場合の規制
  • 「集団投資スキーム」の場合の規制
  • 米国の「Regulation D」をそのまま日本に輸入すればOKか?
  • 日本に必要なのは、未公開株投資への規制ではなくサポートである

 

以下、最後の結論部分だけ、こちらにも掲載しておきたいと思います。

 

■日本に必要なのは、未公開株投資への規制ではなくサポートである

前述のとおり、未公開株式への投資というのはちゃんとやろうとすると極めてややこしいのですが、プロがこれに適法に関わることが非常に困難になっています。

本来、未公開株式の資金調達には、最も(上場株式よりもさらに)専門家のアドバイスが必要なのに、誰もタッチできないようになっているというのは本末転倒ではないでしょうか?

ベンチャー企業に必要なのは、(「資金」の「量」ではなく)、まさに、そうした的確なアドバイスや、交渉への援護射撃です。

例えばですが、こうした中堅中小企業の実務に関わる専門知識を持つ弁護士・税理士・公認会計士、第二種金融商品取引業や金融商品取引法63条の特例業務のベンチャーキャピタル等、できるだけ幅広い人を適格と考えて、ベンチャー企業の資金調達を大っぴらに手伝えるように(つまり「セーフハーバー」に)してやることで、日本のベンチャーの起業は活発化する可能性があるのではないでしょうか?

詐欺抑止効果には限度がありますが、専門家が企業の増資に立ち会うことが常態となれば、適正なファイナンスが実行される度合いは高まるのではないかと思います。
それぞれの職業における法律や倫理規定等とも照らし合わせる必要がありますが、いい手である可能性があるのではないかと思います。

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アゴラ連続セミナー「ベンチャー企業のファイナンス講座(上級編)」

(遅ればせながら、こちらでも告知させていただきます。)

1月に行ったアゴラ連続セミナー「起業家のためのファイナンス講座」は大変ご好評いただき、「次回、上級者向けにもっと具体的な講義をしてほしい」といったご要望もいただきました。

1月の講座は、これから起業した前後の起業家の方を対象の中心としたものでしたが、今回は「ベンチャー企業のファイナンス講座(上級編)」と題して、ベンチャー企業を支える、そうしたある程度知識のある方や専門家の方々(ベンチャー企業のCFO、経理・財務部員、税理士、公認会計士、司法書士、弁護士、行政書士等の方々、その他ベンチャー関係のコンサルタントの方々など)を中心としたセミナーにしたいと考えております。

内容は、前回のものと異なり、実際にスプレッドシート等を使って、事業計画、資本政策等、起業家のためのより実践的・専門的にファイナンスの知識をお伝えし、ベンチャー企業のファイナンス実務の業務に繋げられるようにしたいと思います。

■講義内容■
・事業計画の立て方と企業価値
・ストックオプションはどう設計するか?
・資本政策、投資家との交渉の実際
・種類株式、投資契約
等の内容を、4週に分けて講義する予定です。

■開催のご案内■
日時:2010年9月8日、9月15日、9月22日、9月29日(毎週水曜)18:30〜20:30
会場:会場:T’s渋谷フラッグ(地図 行き方
定員:30名(先着順で締め切ります)

■受講料■
一般…120,000円/学生60,000円
☆早期割引あり☆
8月27日までのご入金については下記の通りとなります。
一般…100,000円/学生50,000円

■お申し込み方法■
まずはお申し込みフォームからエントリーをお願いいたします。
フォームに記載の口座へのご入金確認を以てお手続き完了となります。
入金数が定員に達し次第受付を締め切らせていただきます。

(ほぼ同じ内容ですが、アゴラにも案内があります。)

 

よろしくお願い致します。

 

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週刊isologue(第72号)Intel・ARM・Apple – プロセッサの戦いを財務的に見る

ここ数年、「ウィンテル」(すなわち米Microsoft社のWindowsとIntel社製のCPU等を組み合わせたパソコン等)の時代が終焉したといった記事をよく見かけます。

しかし(仮に本当に終わるとして)「ウィンテルが終わる」ということは、WindowsとIntelが両方終わることを意味するんでしょうか?
Windowsは無料のOSなどの攻撃にさらされていますが、IntelはPCだけでなくAppleのMacなどにも採用されていますし、競争構造が大きく異なるように思えます。

そこで今週は、(Windowsはさておいて) Intelの時代が終わりつつあるのかどうか、今後のプロセッサの市場の競争がどうなっていくのか等について、財務的な観点から眺めてみたいと思います。

 

今週の目次&キーワード:

  • 各社の株価推移
  • 時価総額比較で見る実力
  • Intelの業績(PC、サーバー向け等、セグメント別含む)
  • AMD、ARMの業績
  • まとめ

 

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週刊isologue(第71号)防衛産業を財務的に考える(ロッキード・マーティン社)

日本の夏は、広島、長崎、御巣鷹山、お盆、終戦記念日と、防衛・航空機産業を考えさせられるイベントが続きますので、今週も「防衛産業を財務的に考える」シリーズとさせていただきました。

今週は、世界防衛関連企業No1のロッキード・マーティン社を取り上げてみたいと思います。

今週の目次とキーワード:

  • ロッキード・マーティン社の概要
  • ロッキード事件
  • セグメント別売上
  • スカンクワークスの規模
  • 国別セグメント売上

 

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週刊isologue(第70号)防衛産業を財務的に考える(世界編)

今週の「週刊isologue」は、先週に引き続いて、世界全体に目を移して防衛産業を見回してみたいと思います。

今週の目次とキーワードは以下の通り。

  • 日本の「防衛関連」企業の世界の中での位置付け
    三菱重工、三菱電機、川崎重工、NEC、富士通
  • 戦略コンサルティングファームが防衛産業?
  • 米防衛費予算のものすごさ
  • 国別のランキングと開発費コスト戦略

 

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