ライブドア、会計ソフト参入

SPA!さんにまた取材していただき、本日発売のSPA!にコメントを載せていただいてます。
041116hyo.gif
(40ページ「検証 IT企業はやっぱりヒラ社員もオイシイ、のか!?」)
ご笑覧いただければ幸いです。今回は写真うつりも思いっきり悪いです。TT
コメントの引用も短いのでいろいろ誤解を招きかねない表現がありますが、お許しを。
(「証券会社は登録制なので、簡単に参入できず、他のネット事業より競争が緩やか」なんて表現を見たら、ネット証券の方からは、「全然緩やかじゃねーよ!」とツッコミが入りそうですが・・・。
あくまで、他のネットビジネスよりは、経済学的に見て超過利潤が発生する余地がある・・・ということですので、ご容赦を・・・。)
さて、本題ですが。
本日の日経朝刊に、ライブドアが会計ソフトの弥生を買収したという記事が載っていました。

ライブドア、会計ソフト弥生を買収——230億円、40万の顧客基盤活用
 インターネット関連企業のライブドアは、会計ソフト大手の弥生(東京・中央、平松庚三社長)を買収する。買収金額は約二百三十億円。弥生は中小企業を中心に全国で約四十万の取引先企業を抱える。ライブドアは買収でソフト販売事業を強化する。また弥生の顧客基盤をネット関連サービスに活用し、相乗効果を追求する。
 弥生の筆頭株主(出資比率は約九五%)となっている企業買収ファンド、アドバンテッジパートナーズ(東京・千代田)などと合意し、八日に契約した。
(中略)
 弥生の前身は米会計ソフト、インテュイットの日本法人で、二〇〇三年二月に経営陣による企業買収(MBO)で独立した。(中略)二〇〇四年七月期の売上高は六十六億円、営業利益が二十五億円。

これ、大変面白い!かもしれませんね。
会計ソフトというのは、まさに企業の「財布の中身」の情報をすべて知ることのできるソフト。Googleのlocal searchにポテンシャルを感じるのと同様の理由で、このソフトも知りえた情報をベースに、(Googleのlocal searchよりさらに)「カネ」に直結することを提案することができます。
(例えば、ベタな発想で一例を挙げれば、資金繰りが悪くなってきた企業の会計ソフトの画面に、商工ローンの広告が表示されるとか(笑)、不動産の量の割に保険料の額がでかい企業には、格安の保険を仲介するとか。)
また、以前にも申し上げたように、会計ソフトは記帳代行のマーケットとも密接な代替性があると考えられ、記帳代行をやってらっしゃる税理士さんのマーケットも、徐々にソフトウエアによって侵食されていっているわけですが、
ブロードバンド時代ですので、会計ソフトの質問ボタンをクリックすると、コールセンターの税理士がビデオで格安で相談に乗ってくれるというようなサービスが、数年後には現れるかも知れません。
ライブドアさんの買収した企業の中でも、格段にキャッシュを生んでいる事業ではないかと思いますが、プロ野球への出費もなくなったことですし、このキャッシュフローをただenjoyするのに甘んじることなく、「無料会計ソフト」(笑)とか、また、とんでもないことをやらかしていただけるんでしょうか。当面、会計ソフト関係の業界は大騒ぎでしょうね。
(ではまた。)

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週末、サーバーダウン

土曜日の昼過ぎ、サーバーが3時間ほどダウンしてました。その時間にアクセスいただいた方は申し訳ありませんでした。
原因を探ってみると、メールのスプールに超巨大なファイルがひっかかって、サーバーの容量をオーバーしたためと判明。
自分でそんな巨大メールを送った覚えもないし、誰かのイヤガラセかしらん、、、と思ってよく調べてみると・・・・
・・・うちの息子(小3)が、自分のゴルフのスイングのビデオの超巨大ファイルをメール添付で送ってきたためでした。orz
golf_video(s).jpg
容量も相当増設したので当面同じようなことはないと思いますが、Yahoo!やGoogleで複数キーワードの検索をしたりExcelで複雑な計算表を作ったりと、最近では、パパがパソコンをやってるのを後ろからじーっと見ていてなんでも覚えちゃうので(←親ばか)、そろそろちゃんと教育しないと危険ですねー。
小学生でも簡単にメール爆弾魔になれるという、ブロードバンド時代の恐ろしさ、ではあります。
(ではでは。)

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ネットによる紙の代替(オンライン証券六法平成17年度版)

ネットによる紙の代替で、証券六法(平成16年度版)が、どのくらいネット上のリソースで代替できるか、というのをやりまして、ごく一部の方にご好評いただきましたが、その平成17年度アップデート版をやってみました。
shoken_roppo_H17(s).JPG
16年度→17年度版の主な変更点は、
・電子開示等の一部追加
・証券仲介業者に関する規程の追加
・日本証券クリアリング機構の扱いが、第九編として「編」レベルに格上げ
・証券取引法の改正を受けて、「投資事業有限責任組合契約に関する法律」「同施行令」が、参考法令に掲載された
等になります。
それでは以下、ご興味のある方(あまりいらっしゃらないと思いますが・・・)はご覧ください。↓

続きを読む

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インボイス新株予約権の「売却スキーム」

9月18日に書いた「インボイスの新株予約権買取制度」の続きでもあり、昨日の続きでもありますが、インボイスさんの新株予約権の「売却スキーム」の期限も迫っているので、(まだ申し込んでないんですが)、至急、発送しないといけません。
売却スキームの申込フローは以下のように「自分で印刷するコース(上回り)」と「インボイスから郵送される書類を待つコース(下回り)」の2つの選択肢があります。
invoice_baikyaku(s).JPG
昨日郵送したのが、「新株予約権申込書」というやつなのですが、これに「売却スキーム参加希望欄」というのがあって、そこに署名捺印して参加証明をする必要があるのですが、
invoice_stockoption3.JPG
(図の赤枠内が、参加希望欄。)
それだけでは売却スキームには参加できなくて、別途、「売却キット」というやつを郵送しないといけないわけです。上の図で、「新株予約権申込書のご返送」から「下回りのコース」でいくと、インボイスさんから「売却キット」が郵送されてくることになると思うのですが、売却キットの返送期限が11/11日(必着)なので、ちょっとこれは間に合いそうもない。ということで、「上回りのコース」でインターネットでの「売却キット」の入手をすることにしました。
インボイスのストックオプション売却専用サイト(https://www.so.invoice.ne.jp/)にアクセスすると、以下のような画面が出てきますが、
invoice_baikyaku0(s).jpg
「売却キット ダウンロードページへ」をクリックすると、下記のように、株主番号と氏名、住所等を入力させる画面が出てきます。
invoice_baikyaku01(s).jpg
それらを入力して「ログイン」を押すと、下記の画面が表示され、
invoice_baikyaku1(s).jpg
「次へ」を押すと、同意を求める画面になりますので、これも、「同意する」を押すと、
invoice_baikyaku2(s).jpg
ログインIDやパスワードを記入した「売却スキーム」の説明書や「新株予約権売却申込書」がPDFで自動生成されるんです。
(ところが、このPDF、Acrobatの6がインストールされてないと画面が真っ白になって、何も表示されません。障害かと思って「インボイス「ストックオプション専用ダイヤル」というフリーダイヤルに電話すると、コールセンターのおねえさんが(あ、またその件ね)という感じで、「Acrobatの6をインストールしていただければ表示されます」というお答え。
ところが、Acrobat Reader5じゃなくて、Acrobat5[pdfファイルの作成もできるやつ]がインストールされてると、Acrobat6のreaderをインストールしてもダメなんですね。しかたなく、他のAcrobat5をインストールしてないパソコンでAcrobat Reader6をインストールして、PDFファイルをゲットしました。
ということで、なんだかんだで1時間くらいが経過。)
株主番号や住所・氏名などもすでに記入されているPDFファイルが、以下のような感じでできあがります。
invoice_baikyaku_moshikomi(s).jpg
これから、これに押印してポストに入れてきます。
(ではまた。)

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インボイスの新株予約権はいくらで売買されるのか?

「インボイスの新株予約権申込証、来ました」で書きましたとおり、インボイスの新株予約権申込証が手元に来ていたのですが、ぼんやりしてるうちに、申込期限(「11月8日必着」)が間近に迫ってました。
ということで、あわてて申込証を投函。
invoice_futo(s).JPG
インボイスさんは、先日(11月1日)、「ソフトバンク・グループとの包括事業提携についてのお知らせ」も発表し、その中には、

�.その他
ソフトバンク・グループは、当社が発行する新株予約権について、11月12日に行われる入札に参加することを検討中です。

という情報も盛り込まれていたので、11月2日(火)には株価もちょっと上昇。(前日比+1,170円、6.8%増)
行使価格が実質22,300円(うち、行使手数料210円)ですから、11月1日終値17,200円比では約23%も行使価格から低かったわけで、「誰も行使しない」→「資金が入らない」→「事業運営に支障」→「ますます株価が下落」という負のスパイラルに入る可能性があるわけですが、ソフトバンクというカードがここで出てきたわけですね。(当然、この[新株予約権申込期間の]タイミングでの発表を狙ってたんでしょうね。・・・だとしたら、すごい演出力・・・。)
ソフトバンクはインボイスをどう値踏みするか?
一方、ソフトバンクさん側に立つと、この新株予約権の入札で、「いくらで指す」のか?というのも興味深いところです。
ちゃんとオプション価値を計算する場合、今後のボラティリティ(変動)をどう考えるのかが一つ大きな課題。過去6ヶ月くらいのインボイスの株価のヒストリカルなボラティリティを採用すれば、それはそれはすごく高いボラティリティになるでしょうから、新株予約権のオプション価値も非常に大きく想定できるところですが、
invoice_chart20041104(s).gif
(出所:Yahoo!ファイナンス)
一方で、平成17年3月期第1四半期末の自己資本(株主資本)は5,130百万円、一株あたり株主資本6,898円77銭ですから、新株予約権の行使により50億円以上の資金が集まるようだと、株価は22,000円の壁を越えることができず、新株予約権の価値としても低いものになってしまうような気もします。
また一方では、ソフトバンク自らが営業協力することで、インボイスの企業価値を上げることもできるわけです。
(ややこしいですね。)
一般株主の行動
今、私の興味のあるところは、上記の、「新株予約権の売買価格がいくらになるのか」、ということの他に、以下の通りです。
(1) どのくらいの株主が、この新株予約権を申し込んだのか?
(申し込まないと新株予約権はもらえない。現在のように株価が行使価格割れしてる状況では、特に小口の個人投資家などには「どーせあがらんだろう」という気持ちも働くかもしれません。)
(2) どのくらいの株主が、売却スキームに申し込んだのか?
(売却スキームに申し込まなくてもいいのではありますが、今後、新株予約権の行使期間内に一度も株価が行使価格を上回らないだろうと考えれば、新株予約権現金化のチャンスは今回しかない。ただ、非常に手続きが複雑なので、「面倒」と思う人も多そう。)
(3) どのくらいの新株予約権が売却に回されるのか?
(売却スキームに参加しても、一部だけ売却でもOK。)
(4) 実際に最終的にどのくらいの数の新株予約権が売買されるのか?
(一度売却を申し込んでいても、最終的に、ウエブや携帯電話から売却の取り消しや売却希望株数の引き下げ等が可能です。前項の売買価格の水準にもよると思いますが。)
(5) 今後、行使期間内(平成17年9月30日まで)に、株価が行使価格以下なのに新株予約権を行使しちゃう(アホな?)人がどのくらいいるのか。
等。
「人為的」に行使を促せるのか?
以前(10月26日に)、「rudy」さんから前述のエントリーに対して、コメントをいただいておりました。
(お返事遅れてすみません・・・。)

私もインボイスの新株予約権申込書が先日郵送されました。(中略)
まずこのスキームはインボイスとしてはWIN−WIN Situationではないかと思います。
9月27日以降インボイスの株価は行使価格より値上がりしておりません。株価を下値水準で抑えておいてSO権利を得た投資家(一般的には個人)の行使意欲を無くし売却スキームに誘導しているのではと察します。売却スキームでは証券会社等の第3者がこの新株予約権を売主から購入し、その購入価格は需要と供給のバランスにより決定されるとありますが、恐らく500円とかかなり安い価格帯ではないかと思います。

常識的にはそんな感じではないかと私も思います。

いずれにしよこの新株予約権は無償で配布された訳ですから投資家にしてみれば現物株は保有しているものの、この新株予約権はいわば配当みたいなものであり、売却すればそれなりの金額が獲得できます。一方第3者の証券会社等はこの新株予約権を安値で購入する訳で、仮に株価がこのまま低迷すれば証券会社等にしても行使できないため実損を被ります。しかしここがトリックでもしインボイス側と証券会社等側との間にデキレースが存在して現在の株価を意図的に操作しているとしたら株価は11月12日以降行使価格を越えて上昇することになるでしょう。そうすれば証券会社等は行使価格で行使し、すぐ売却すれば利益が得られる反面、インボイスも行使価格での資金調達が可能となります。

今回の申込で取得される新株予約権の量にもよると思うんですよね。
自己資本の何倍もの行使価格分の新株予約権が潜在株式として存在してたら、かなり、株価の重しになると思います。(適法性にかなり疑問がありますが)仮に誰かが一時的に相場を行使価格以上に釣り上げたとしても、ちょっと行使が進んで売られるとまた下がる、という繰り返しになる可能性の方が高いのではないかと思います。

仮に思うように売却スキームが進まず、投資家が新株予約権の行使をする意向であれば上記同様株価を引き上げ行使させることにより資金調達が可能となります。つまり本SO権利はインボイス側にとってなるべくなら証券会社等と協調し合い安定的な資金調達を望んでおり、行使期間内にダラダラと一般投資家が行使するのはコスト的および資金調達の安定性の面からも望まないのではと考えます。インボイスにとって最悪なシナリオとは期待している個数の行使が行われないことであり、証券会社等であれば必ず行使に応じる等の暗黙の了解が出来れいればこその売却スキームだと考えます。

確かにソフトバンクさんなどが、一括で行使する可能性もあるかも知れませんね。そうすると、前述と逆に、「資金が入る」→「事業運営が順調に」→「ますます株価が上がる」という正のスパイラルに入る可能性も無くはないかも知れません。(個人的にはあまりそうなる気もしないのですが・・・。)
仮に例えばソフトバンクさんが新株予約権をまとめて行使するにしても、あまり株価が行使価格を下回ってるときには、行使価格で行使して株式を取得する説明が付けにくいんじゃないかと思いますので、少なくとも株価が行使価格の数%下くらいまでには回復しないとRudyさんのおっしゃる「安定的な資金調達」も難しいのではないかと思います。
(以上、[いつもそうですが]、あくまで私の個人的見解であります。)

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銀行のリスク管理状況、知ってます?(2)

先日のエントリー、「銀行のリスク管理状況、知ってます?」で引用した三井住友銀行さんのリスク管理について、の補足です。
本職の方がいっぱいいらっしゃると思うので私が解説するのもおこがましいのですが、以下、簡単な用語解説等。(引用部分が、三井住友銀行のホームページの記述。)

市場リスクを統合して管理するためにVaR(バリュー・アット・リスク)手法を用いています。VaR とは一定の確率の下で被る可能性のある予想最大損失額のことで、SMBCのVaR モデルは過去1 年間のデータに基づいた市場変動のシナリオを1 万通り作成し、損益変動シミュレーションを行うことにより最大損失額を推定する方法(モンテカルロシミュレーション法)を採用しています。この方法は、オプションリスクを伴う商品のリスク測定に優れており、デリバティブ取引等を活発に取引するトレーディング業務のVaR 算出に極めて有効な手法です。

VaR(バリュー・アット・リスク)
有価証券や為替など、市場リスク等のあるポートフォリオ(資産の組み合わせ)を一定期間保有すると仮定した場合に、ある一定の確率の範囲内(信頼水準あるいは信頼区間という)で、マーケットの変動によりどの程度損失を被り得るかで市場リスクの大きさを表すもの(金額)。
VaRは第二次BIS規制案において金融機関の市場リスク管理手法として採用が推奨されてますし、当然、銀行以外のポートフォリオの管理にも使えます。
基本概念としては、下図のような感じで、例えば1%の確率でしか起こらないであろう損失はXX億円、というように決定されます。
VaR.GIF
モンテカルロ・シミュレーション
実際には、単純に価格が上下に変動するだけでなく、デリバティブ等、一定の条件で引っかかってリニアにリスクが動かないものもありますので、大量で複雑なポートフォリオを持つ金融機関では、「強気ケース」「標準ケース」「弱気ケース」といった単純なケース分けでは、リスクを管理しきれません。というわけで、一定の想定の下に、乱数を発生させて価格等を変動させ、大量のケースを作り出して、それの確率分布を見るわけです。
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(出所:構造計画研究所。Crystal Ballによる表示例)
ちなみに、Amazonで「VaR」がタイトルに入った在庫のある和書は下記のみの模様。
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また、為替変動リスク、金利変動リスク、株価変動リスク、オプションリスクなどの要因別のリスクカテゴリーごとにBPV(ベーシス・ポイント・バリュー:金利が0.01 %変化したときの時価損益変化)など、各商品のリスク管理に適した指標と統合的なリスク指標であるVaR を併用してきめ細かなリスク管理を行っています。

BPV(ベーシス・ポイント・バリュー)
イールドカーブ(金利のグラフ)が全体に1BP(べーシスポイント 0.01 %)変化したときの時価損益変化のこと。
参考URL:三菱信託銀行 デリバティブ取引の基礎知識 金利リスクの管理方法
http://www.mitsubishi-trust.co.jp/hojin/shisan/derivative/deri10.html

SMBCでは、経営戦略に基づいて設定された市場リスク資本極度と整合的かつ保守的にVaR の総量枠(ガイドライン)を設定しています。また、VaR の値が市場の急変などによりガイドラインを超過する恐れがある場合には、臨時ALM 委員会を開催するなど、対応策を事前に協議する体制としています。さらに、市場営業部門以外が保有する政策投資株式などの市場リスク、主要子会社が保有する市場リスクについても統合リスク管理部で一元管理しており、定期的にVaR を算出し、取締役会や経営会議において経営陣に報告しています。
SMBCでは定期的にストレステスト(数年に一度起こるかどうかの事態を想定したシミュレーション)を行い、不測の事態に備えています。

VaRというのは、あくまで「確率論的に」ある確率のもとで発生しうる最大の損失のことなので、当然、すごく低い確率では損失は発生しえますし、確率といっても、すべてのリスクを考え合わせているわけではないわけで。
例えば、VaR的なリスク管理の考え方の限界としてよく引き合いに出されるのがLTCMの破綻のケース。市場で売買が成立するという前提での確率を考えていれば、そもそもその前提が崩壊した場合には、確率でものを考えること自体が意味をなさなくなるわけです。
(ご参考:例えば下記の本。「天才たちの誤算—ドキュメントLTCM破綻」)
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SMBCで採用している内部モデル(VaR モデル)については、定期的に監査法人の監査を受け、適正と評価されています。

(ちなみに、(よく存じないのですが)、このVaRモデルについての監査というのは、任意の監査ということなんでしょうか?法定監査?・・・・法定監査の場合、根拠条文等は?)
ある銀行の方は、「モデルの中身はあまりよくわからないみたいなのに、乱数の発生回数だけに妙にこだわる監査法人もありますね〜」てなことをおっしゃってました。:-)
一般論として、メガバンクのリスクを管理するモデルが「適正」かどうかというのを判断するというのは、相当な技量が要求されるのではないかと思います。(「相当と考えられる」、というくらいの判断をするのと、「適正だ」とか「妥当だ」、というのとでは、判断に必要とされるスキルのレベルがかなり異なるでしょうね。)
参考:金融検査マニュアル(預金等受入金融機関に係る検査マニュアル)P91以降が市場リスク関連。
http://www.fsa.go.jp/manual/manualj/yokin.pdf

また、モデルから算出されたVaR と損益との関係を検証するバックテスティングを実施しており、下図の通りSMBCのVaR モデル(片側信頼区間99.0 %)は十分な精度を有しています。

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上記の図は、「VaRモデルが『XX億円のリスク』と判断した場合には、その損失に収まる確率が、想定した確率の範囲にちゃんとおさまってますよ」というのを、実際の損益のデータと比較してプロットした図ですね。
(本日はこれにて。)

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企業はいつから「公(おおやけ)」になるのか

ある経営者の方曰く:
「会社を起こしたら、たとえ社長が100%株を持っていたとしても、会社は公の器なのだと考えて行動するべきだ。」
株式公開したら「公」になるとか、ベンチャーキャピタルなどの外部投資家が投資した時点で「公」になるのではなく、設立した時点から「公」なのだ、ということですね。
世の中、「始めはテキトーにやっといて、だんだんちゃんとしてけばいいや」、「個人会社なんだから税金も法律も(あまりアクドイことでなきゃ)何やってもいいや」という方が大半(というかほぼ全員)ではないかと思いますが、当初から「公の器を預かっているんだ」、と考えて行動することで「志」も違ってくるでしょうし、結果として成長力も変わってくるかも知れないですね。
その方は、世界的企業の日本法人をいくつか立ち上げて大企業にまで成長させた方ですが、最近の企業不祥事の記事を読んでいて、その言葉を聞いたときの背筋がシャンと伸びる感じがよみがえった次第です。

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おかげさまで。(isologueアクセス状況)

苦節(?)8ヶ月。本blog(isologue)の10月の月間ページビューが100,000を超えました。(100,638pv)
月間延べ訪問者数だと45,000人程度。おかげさまで、来て頂く方の数も、じりじりと右上がりで増えてます。ありがとうございます。<(_ _)>
平日1日あたり1,700〜1,800人の方に訪れていただくというのは、ページビューベースのビジネスをされてる方にとっては「ふん」てな数字かも知れませんが、「毎日、1,800人の方の前で講演会をやらせていただいている」と考えると、足が震える数字ですね。
日記も三日坊主であまり続いたことがなかった私ですが、blogは思いのほか続いてて、自分でびっくり。
これからも、あまり肩に力を入れずに日々興味を持ったことを書いていきたいと思いますので、(いつまで続くかわかりませんが)、今後ともよろしくお願いいたします。<(_ _)>

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