週刊isologue(第165号)良いクラウドファンディング、悪いクラウドファンディング

先週は、一般の人から学生の学費を支援を集める「studygift」というサービスが問題になり、本日、当面の間、同サービスの活動が休止されることが発表されました。このサービスの中身についてはここでは考察しませんが、一般大衆からお金を集めるクラウドファンディングという事業において、「情報の非対称性」をどう考えるのか、その非対称性から発生する課題を誰がどう解決するのか、といったことを改めて考えさせられました。

復習をしておきますと、「クラウドファンディング」は、一般の人(crowd)から資金を調達することで、タイプとして、

  • 資金を出した対価を求めない「寄付型
  • プロジェクトが成功したら、製品やサービスなどが受け取れる「購入型
  • 金銭的なリターンを求める「投資型

といった3つのタイプに分類されることが多いと思います。

NewImage

今までも、この週刊isologueでは、155号156号157号162号などで、「JOBS Act」や「日本での株式によるクラウドファンディングの可能性」について取り上げてきましたが、今回は、「生の株式」ではなく、組合の持分など「みなし有価証券」を用いた投資型のクラウドファンディングは日本でもすでに行えるし、アメリカに比べても投資型クラウドファンディングが行いやすい国なんではないか、その場合に、どういう課題が存在するか、採算性はどうなのか、といったことについて考えてみます。

目次とキーワード:

  • クラウドファンディングの分類
  • 株式を使ったクラウドファンディングの可能性
  • 「2項証券」なら可能ではないか
  • 「プロ」参画の必要性
  • あえて「クラウド」から集める意味は何?
  • プラットフォーム事業自体の魅力は?

(ではまた。)

[PR]
メールマガジン週刊isologue(毎週月曜日発行840円/月):
「note」でのお申し込みはこちらから。

「PREMIUM LUNCH」やります

来る6月9日土曜日に、ソーシャルランチさんの企画で、私とメシを食うという「PREMIUM LUNCH」という企画をやることになりました。

NewImage

知らない人が集まってランチを食うという経験は私もあまり無いので、ちょっとドキドキですがw、奮ってご応募いただければ幸いです。

詳しくは下記のURLから。

http://www.social-lunch.jp/cmp/premium/

(ではまた。)

[PR]
メールマガジン週刊isologue(毎週月曜日発行840円/月):
「note」でのお申し込みはこちらから。

週刊isologue(第164号)Facebookの役員はIPOで巨額のキャッシュを手にしたのか?

さて、先週金曜日についにFacebookが株式を上場しました。

全部で421,233,615株のオファーとなりますので、公募価格の38ドルを掛けると、約160億ドルもの金額を市場から吸い取ったことになりますが、このうち、Facebookが新規に発行する株式は180,000,000株分で、既存の株主が売出す分が241,233,615株です。(需要が予想を上回った場合のオーバーアロットメント用の分が、これとは別に63,185,042株分あります。)

「フェイスブックがIPOで最大180億ドルを調達!」といった報道もありますが、証券会社の引受額との差額や手数料を引いた1株あたりの手取りは1株37.582ドルですから、Facebookが調達する純額は68億ドル弱(約5400億円)にすぎません。
しかし、既存株主には7200億円以上の金額が入るわけで、さぞやFacebookの役員には大金が転がり込んでウハウハ・・・と想像する方も多いと思いますが、実際はどうでしょうか?

今回は、このFacebookの上場時の資本政策と、実際にどういう株主にどの程度の金額の現金が入ったのか等について、Facebookの最終版の目論見書をもとに検討します。

目次とキーワード:

  • IPO後の株価推移
  • IPOで持株比率や議決権比率はどうなるか?
  • Zuckerberg氏の議決権比率を増やす(涙ぐましい?)努力
  • 役員にはどのくらいキャッシュが入ったのか?
  • Instagram買収で儲けたFacebook株主
  • なぜIPOしたのにZuckerberg氏の議決権割合が逆に増えたのか?
  • (おまけ)GrouponのIPOとの比較

 

(ではまた。)

[PR]
メールマガジン週刊isologue(毎週月曜日発行840円/月):
「note」でのお申し込みはこちらから。

小型船舶免許、キター!

免許、今届きました!

NewImage

これで、ワンドラ主催の、今週末の勝どきマリーナから荒川ロックゲート、東京ゲートブリッジを回るクルーズにも免許を携帯できますよ。( ̄∇ ̄)ニヤリ

[PR]
メールマガジン週刊isologue(毎週月曜日発行840円/月):
「note」でのお申し込みはこちらから。

Yomiuri Online連載第29回目 シリコンバレーから日本へ「MUJIN」社ご紹介

Yomiuri Onlineに連載中の「磯崎哲也の『起業案内』」第29回目が掲載されました。

今回は、「ロボット最適化で「MUJIN」の価値」です。

http://www.yomiuri.co.jp/job/entrepreneurship/isozaki/20120514-OYT8T00762.htm

ご参考まで。

[PR]
メールマガジン週刊isologue(毎週月曜日発行840円/月):
「note」でのお申し込みはこちらから。

週刊isologue(第163号)財務・法律好きの方のための「海とベンチャースピリット」

私事で大変恐縮ですが、先週「一級小型船舶操縦士」の試験に合格いたしました。本日は(誠に勝手ながらこれを自ら記念させていただきまして)、財務・法律好きの方のための「海とベンチャースピリット」と題してお送りしたいと思います。

私、今までの人生でこれといった趣味が無かったんですけども、先月、「第2回 ワンドラ・体験お花見ボートクルーズ」という企画に乗っかって横浜ベイサイドマリーナから東京湾クルーズをしてみて、ついに「覚醒」いたしました。
「磯崎2.0」に生まれ変わった感じとでも申しましょうか。「磯崎」という名前なのに、なぜ海が好きなことに気付かなかったのかと、今までの人生がちょっと悔やまれます。

NewImage
乗ったのはこんなボート。(ヤマハAS-21)

帰ってすぐヤマハのボート教室に申込み、3日間の講習を受けて、今回無事合格した次第であります。
(そう!昔は小型船舶の一級というと20万円くらいかけて1週間の研修を受けるイメージでしたが、今や一級でもたった3日間の講習で12万円くらいで取れるんです。二級は2日で9万円くらい。
実用上は二級でまったく問題無いですが、私は「方位230に向けて15ノットで航行!」的な、三角定規とデバイダーを使って海図

NewImage

に記入することに萌えるものを感じたので、一級にしてみました。
どちらも国家試験や免許申請の費用まで含んでますので、自動車の免許などに比べると、かなりお手軽な感じです。筆記試験は4択で、過去問を一通りやれば大抵の方は合格する試験ですし、実技試験の試験官も自動車とは違ってすごく優しいです。:-)

小型船舶の楽しみ方は、人それぞれでして、釣りをする人、船上バーベキューをする人、クルージングをする人、下から橋梁等を見るのが好きな人、海からコンビナート等を見る「工場萌え」な人など、いろいろな方がいらっしゃいますが、私は単純に海の爽快感が好きという他に「海のルールに萌える体質」だということに気付きました。つまり、灯台とか浮標とか、掲げられている旗が、どういうルールで決まって、どうなっているのかというのを考えるだけで、なにかすごくワクワクした気持ちになるのであります。こういう「萌える」という感覚、今までの人生で体験したことがありませんでした。

日頃、会計原則とか金融商品取引法とか会社法とか、世知辛いルールに接しているみなさんは、「海のルール」を知ると、あまりのおおらかさ、大雑把さ、大胆さに度肝を抜かれるんじゃないかと思います。

この「海のルール」、一部の人を除いてみなさんのお仕事に直接役立つ可能性は低いと思いますが、海という非常に高いリスクの環境でビジネスをしてきた「ベンチャー」の歴史を反映したものになっていて、数千年規模の壮大なロマンや叡智を感じます。
商社等で輸出入業務などをやってらっしゃる読者の方には常識のことも多いと思いますが、初学者が気付いたことということで大目に見ていただければ幸いであります。

目次とキーワード:

  • 「海商」萌え
  • 海商法の起源
  • 船長の権限
  • 航海日誌(Star Trek)
  • 「船舶の共有」という投資スキーム
  • 共同海損
  • 地上の世知辛さとの比較
  • 条約を通じて外国と繋がる
  • 国旗掲揚権
  • 領海
  • ボート、ワリカンなら一回4000円前後くらいから

(ではまた。)

 

[PR]
メールマガジン週刊isologue(毎週月曜日発行840円/月):
「note」でのお申し込みはこちらから。

Femto Startup LLP第2号案件として、株式会社カトマックに投資しました!

1月から始めたベンチャー支援組織「フェムト・スタートアップLLP」の第2号投資案件として、このたび株式会社カトマックhttp://www.katomakku.com/)に300万円を投資し、発行済株式総数の5.88%を取得しました。

カトマックは、Android携帯をリモートで貸し出す「リモート・スマホ・レンタル」のサービスを行う技術系ベンチャーです。

NewImage

ご存知の通り、Android携帯は機種によってOSのバージョンが違ったり、メーカー毎にOSがカスタマイズされていたりして、1つのアプリが必ずしも全機種ですんなり動くということになっていません。主立った機種でテストしようとしても、端末購入の負担や社内の貸出管理も大変です。(「誰かが勝手に持っていった」「貸したら返って来ない」等。)

「リモート・スマホ・レンタル」は、端末の実機を調達せずとも、開発者がクライアントソフト上のリストからを使いたい機種を選択してワンクリックするだけで、カトマックのサーバーに繋がった各種の実機を、あたかも手元で使っているかのような感覚で使用することができるサービスです。(上の写真のように、Android携帯のウィンドウが画面上に立ち上がり、開発しているアプリを端末にインストールして動作させたりすることが、すべてインターネット経由で行えます。)
(リモート・スマホ・レンタルのプレゼン資料はこちら
紹介動画は、下記をご覧ください。)

同様に、Andoroid系の開発を行う企業の社内にサーバーを置いて、Android携帯をオフィス内や海外の開発拠点等と効率的に共有できるソリューション「リモート・スマホ・シェアリング」も、今後提供していく予定です。

代表取締役の久納孝治さんは、こうした携帯のハードウエアやOSまでを含めた、かなりディープな知識をお持ちの技術者です。
今までにも、

など、携帯端末のハードやOS、開発言語等の深部まで知らないとなかなか開発が難しい、様々な実績があります。

Femto Startupは、カトマックの先月4月2日の設立前から事業の検討に関わらせていただき、今般、投資を行うことになりました。

今後カトマックでは、リモート・スマホ・レンタル等のビジネスの実績を積み上げるとともに、次回ラウンドの資金調達に向けて準備を進めていく予定です。
開発者のみなさん、投資家のみなさん、何卒よろしくお願い致します!

(ではまた。)

[PR]
メールマガジン週刊isologue(毎週月曜日発行840円/月):
「note」でのお申し込みはこちらから。

週刊isologue(第162号)日本の非上場株取引ニーズのまとめ

「クラウドファンディング」「ベンチャーファイナンス」だけに限らず、非上場株式の取引ニーズ全体を私なりに一通り整理してみましたので、週刊isologueでシェアさせていただきたいと思います。

目次とキーワード:

  • 非上場株式の取引にはどのようなものがあるか?
  • 新規に株式を発行する場合
  • 既存の株式を取引するニーズ
  • 適合性の原則から見た取引分類
  • マクロ的に見た非上場株式取引ニーズ

(ではまた。)

 

[PR]
メールマガジン週刊isologue(毎週月曜日発行840円/月):
「note」でのお申し込みはこちらから。

Yomiuri Online連載第28回目 日露戦争とベンチャーの資金調達

Yomiuri Onlineに連載中の「磯崎哲也の『起業案内』」第28回目が掲載されました。

ゴールデンウィークなので、今回は現代のベンチャーからちょっと離れて、テーマは「日露戦争とベンチャーの資金調達」です。

http://www.yomiuri.co.jp/job/entrepreneurship/isozaki/20120501-OYT8T00816.htm

ご参考まで。

[PR]
メールマガジン週刊isologue(毎週月曜日発行840円/月):
「note」でのお申し込みはこちらから。